幾多郎は幾太郎だったのです

今回の研修旅行の行程に石川県西田幾多郎記念哲学館の見学というのがありました。なんとなく今日とのイメージが強い西田幾多郎は、てっきり京都生まれかと思っていましたが、実は石川県の生まれなのです。その故郷にあるのがこの哲学館。記念館だけではなく、哲学の啓蒙普及活動もしている施設です。

西田幾多郎の生涯を振り返るような展示と哲学に親しんでもらおうというコーナーがあり、また上の写真のような図書室もあり、西田哲学以外、広く哲学・思想関係の書籍を置いてあります。

上の写真が建物全景です。安藤忠雄の作品だそうですが、それが西田哲学とマッチしているのか否か、あたしにはよくわかりません。

建物の入り口前に会った看板というか石碑です。館名と入園児館や料金が書いてあります。割と安いと思いますが、だからといってつまらない哲学館ではありませんでした。むしろ、こんなに安くていいの、と思えるくらい面白い展示が盛りだくさんでした。

敷地内には、上の写真のように京都から移築したという西田邸の書斎もあり、中には蔵書がそのまま置いてあるそうです。残念ながら、当日は燻蒸中で見学はできませんでした、残念。

で、ダイアリーのタイトルですが、西田には憑次郎という弟がいました。西田幾多郎は長年ですから、普通に考えると名前は「幾太郎」になるのだと思いますが、皆さんご存じのように「幾多郎」と書きます。

しかし、今回の展示を見ていて気づいたのですが、小学校の時の表彰状では確かに「幾太郎」と書いてありました。そして小学校の卒業証書になると「幾多郎」という表記に変わっているのです。「幾太郎」が正しかったのか、間違いなのか、あるいは小学生時代に表記を変更したのか。だとしたら、どういう理由で? 学芸員の方に聞きそびれてしまったのが残念ですが、特にその点に触れた展示や解説はなかったです。

まずはザッと振り返ります

今年も人文会の研修旅行が行なわれました。水曜日から昨日までの二泊三日。北陸三県を回ってきました。ザッと下の図のような感じです。

富山から高岡、金沢、福井という北陸の旅ならよくあるパターンの行程でした。

上の写真は富山駅前にある清明堂マリエ店の店先。一番のメインのコーナーになりますが、その一番下に『鉱山のビッグバンド』が並んでいます。やはりご当地もの。ありがたいことです。

上の写真は同じく富山の紀伊國屋書店。世界史コーナーの平台です。上下本が多いからでしょうか、あたしの勤務先の刊行物の占有率がかなり高めです(汗)。結果を残せているのであればよいのですが……

最後が、こちらも富山。富山大学生協です。ちょうど河出書房新社の創業130周年フェアを開催中でした。ふだんあまり置いてないものばかりなので、ちょこちょこ売れていっているとのことです。

と、写真は富山ばかりですが、金沢では香林坊へ移ったうつのみや、福井では昨年に引き続きのSuperKaBoS新二の宮店など、駆け足で回るとなかなか寄れないお店にも顔を出すことができました。昨年に続いてなので、顔を覚えている書店員さんも多く、なんとなくホームのような感じで巡ることができました。

最後に上の動画は金沢ビーンズ明文堂書店のガイブンの棚。ご覧のように、かなりの蔵書量を誇っています。個人的には、原著者名の五十音順に並んでいるのを、国別に並べてもらえたらなあ、と感じますが、日本作家は五十音順並びが普通なので、国内も海外もあまり考えない読者にはこれがスタンダードなのでしょうか?

今日の配本(16/10/21)

このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。

嘘だと言ってよ、ななみん!

今朝飛び込んできたニュース。

乃木坂46の橋本奈々未の卒業、そして芸能界引退。

このところずーっと言われていたので驚きは少ないとはいえ、やはり悲しいニュースです。

あたし自身、推しメンは若月と真夏ではありますが、乃木坂についてはほぼ箱推しなので悲しくないわけがありません。

らりん、まいまいといった人気メンバーの卒業はすでに経験している乃木坂46ですが、ここまでの中心メンバーの卒業は初めてです。

ビジュアルがアイドル史上最強と言われる乃木坂46ですが、その中でもななみんは、まいやんと並び「双璧」と呼ばれていましたし、同じくまいやんと共に全シングルで選抜なおかつ福神というメンバー。これはこの二人だけ。

なんだかんだ言っても、あたしはセンターのメンバーをまいやんとななみんで挟む布陣が好きでしたし、ファンの間でもそういう声は多いと思います。それがこれからは見られなくなると思うと……

ななみんセンターの新曲で悲願のミリオン達成なるでしょうか?

今年も北陸へ

研修旅行で北陸へ来ています。

水木金で富山、金沢、福井を回るという、ありがちな行程です。

今日の富山、高岡経由で金沢に入ると、やはり北陸三都市の中では金沢の別格感が際立ちますね。

初日が終わりました。あと二日、体調に気をつけ、怪我のないようにしたいところです。

周監於二代。郁郁乎文哉。

このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。

2016年10月18日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

いよいよカレンダー制作に入りますかね?

毎年、趣味で(?)作っている「ナンシー・カレンダー」。

今年はまだ何の準備もしておりません。

そもそも、どれくらい欲しがる人がいるのか疑問なのですが、それでも毎回、30数個は作っているので、それなりの人気商品と言えるかもしれません。

いや、売り物ではないので、商品ではないですね。頒布品? 景品?

いえいえ、日頃のご愛顧に対する感謝の印です。

今月中には作らないと、出張に間に合いませんね! 毎年、出張先でも配っているので。

B級生物パニックを2本!

時々こういうのが見たくなります。まずは「スパイダー・シティ」です。

タイトルどおり、クモがウジャウジャ出てきます。地下の掘削で巣を壊されたとおぼしき新種のクモ、それも巨大なやつが地中から現われて人々を襲うというもの。とはいえ、クモのCGがショボいです。確かにあの大きさのクモが数匹向かってきたらちょっと怖いですが、パニック映画にするならもう少し大きい方がよくはないでしょうか?

ストーリーもやや陳腐ではありますが、親子の葛藤、反発と和解などを折り込んで、それなりに見せる映画にしようとしているところは感じられます。しかし、肝心のクモの退治の仕方が……

妹を助けるべく巣穴に潜った主人公が見たのは巨大な女王グモ。これがとうとう地上に出てきたから街はパニック。既に軍隊も出動していましたが、ロケット砲も役に立たず、オヤジの死によって心を入れ替えた主人公が、女王グモの体内に潜り込み、爆弾を仕掛けてくるという決死の方法。女王グモさえ倒せれば、他の数千、数万匹のクモも一緒にやっつけられるという、かなり強引かつ非科学的な理屈。

まあ、そこがB級のB級たる所以。この方法が成功し、女王グモの死と共に、他のクモもすべて死んでしまうのです。めでたし、めでたし。ありえないだろう、という突っ込みの声が聞こえます。

続いては「アクア・クリーチャーズ」、タイトルからはどんな動物かわかりにくいですが、ウミヤツメという鰻の一種のようです。日本ではヤツメウナギと呼ばれるものでしょうか? そのあたりはよくわかりません。

さて、先の「スパイダー・シティ」の方は地下の掘削によって地中に住む新種のクモが云々という発声原因がありましたが、こちらのウミヤツメは映画が始まると共に既に大発生しています。なぜなのかはわかりません。最後まで語られずじまいです。大量発生したのでエサがなくなり、飢えたウミヤツメは凶暴化し人を襲い出します。ちょっとの水があれば生きられるウミヤツメは湖から川、更には上下水道管を通って街中へと進入し、人を襲い出します。

ここで生物学が専門の主人公に、観光に打撃を与えてしまうので事を荒立てたくない愚かな町長という、ジョーズ以来の図式が健在です。なので、主人公はイライラ、町長は情けない死に様というところもお約束どおり。

さて、こちらはどうやって殺すのか。これだけの数が町中にウジャウジャいるわけですから、普通に考えると退治のしようがありません。水道管に殺虫剤、いや殺魚剤をまいたのでは、退治後の人々の生活にあまりにも支障が出そうですし、それで果たして全滅させることができるのか? 焼き殺すといっても、ウミヤツメをどうやって一か所に集めるのか? などなど問題山積です。

とにかく一か所に集めることが肝要なわけです。そこで主人公が採った方法はウミヤツメの死骸から肝臓を取り出すということです。その臭いに釣られて他のウミヤツメが集まってくるのです。ちなみに、死骸そのものの臭いは身の危険を察知するという理由でウミヤツメ除けになるようです。

そして主人公たちは発電所にウミヤツメを集め、発電所の電気で感電死させるという方法と採用します。まあ、肝臓をどれだけ集めれば、これほどの数に達したウミヤツメすべてが発電所に集まってくるのでしょう? そこが非常に非科学的というか、現実味を感じられないところです。映像上はかなりの数のウミヤツメが集まってきていましたが、街中に広がったウミヤツメがすべてあそこに集まったとはとても考えられません。なおかつ、発電所って、確かに危険な場所ですが、あんな簡単にスイッチを入れただけで内部に電気が通るものでしょうか?

それでも主人公たちは家族で力を合わせウミヤツメを退治し、街には平和が取り戻されます。夏の間だけ越してきていたという主人公一家は仕事をやり終えて街を後にするのです。が、まだ一匹ウミヤツメは生き残っていた、というエンディング。一回の産卵で10万個の卵を産むらしいので、この一匹からあっという間に大量発生になってしまうでしょうね。

ん~、ピエロ怖い~

WOWOWで放送された「クラウン」視聴。

 

アメリカではピエロの姿をした殺人鬼が犯行を繰り返しているというニュースもある中、こんな映画を見るなんて不謹慎かもしれませんが、これがWOWOWで放送されたのはそんな事件が起こる前でしたので、WOWOWもまさか実際に事件が起こるとは思ってもいなかったでしょう。

閑話休題。

ストーリーはなかなか物悲しいです。息子の誕生日に出張ピエロを頼んでいたのに、業者の都合でドタキャン。不動産販売の仕事をしている父親は、たまたま扱っていた物件のクローゼットにピエロの扮装があるのを発見し、それを着て、代わりのピエロに扮して息子の誕生日を盛り上げます。

ここまではよき父親。とても微笑ましいストーリーです。が、このピエロの扮装、実は曰く付きの代物で、主人公はカツラ、赤い鼻、衣裳が脱げなくなってしまったのです。どうやっても脱げず、物件の持ち主を調べてみると既に死亡。しかし、持ち主の弟を見つけ出し、窮状を説明します。

そこで主人公が聞かされたのは恐ろしい物語。その昔、ピエロは道化師などではなく、こどもを喰らう化け物、悪魔で、この衣裳は衣裳ではなく、悪魔の髪や皮膚であり、これを来たら最後、脱ぐことは出来ず、悪魔に変わってしまう、というもの。徐々に悪魔に変わっていく夫、それを何とか助けようとする妻。周囲の人は、そんな話をほとんど信じようとしません。

それでも妻は諦めず、衣裳の持ち主だった故人の弟を訪ねます。主人公は徐々に変わっていく自分が恐ろしくなって、妻の前から姿を消します。自殺を図ろうとするも、悪魔ですから死にません。お腹が空くとこどもを襲い食べてしまう主人公。このあたりの描写はなかなかグロテスクです。

さて、元の持ち主の弟もかつてこの衣裳を着てしまい脱げなくなり、悪魔に変身しかかったことがあったそうです。それがどうして助かったのか? 兄はどうやって弟を助けたのか? それは神話のとおり、こどもを五人、いけにえに差し出したからだったのです。そして、ようやく主人公を見つけ出した妻に対し、主人公(悪魔に魂を乗っ取られている!)は息子を提供することを要求します。

なんとか息子を助けたい、だけど夫も助けたいと悩む妻。ここで妻はちょっと気がふれたのか、たまたま車に乗り合わせた少女をいけにえに差し出そうと思います。魔が差したというのでしょうね。でも、こんな行動、周囲からみたら「夫が悪魔に乗っ取られた」と意味不明なことを言っているイカれた女にしか見えないでしょう。

そしてラスト。とうとう自分の息子を襲う夫。姿形は完全に白塗りのモンスター。妻も必死に闘います。衣裳の持ち主の弟が教えてくれていた解決方法は、こどもを5人いけにえに差し出すか、首を切り落とすか、二つに一つ。自分のこどもを差し出すわけにはいかないし、かといって他人のこどもを差し出すような余裕もないし、正気を取り戻した妻にそんな選択肢はありえません。かといって夫の首を切り落とすなんて……

と、心の中では葛藤しているのでしょうけど、目の前のモンスターは自分の息子を遠慮なく襲ってきます。このままでは愛する息子が喰われてしまう。狙ったのか、物の弾みなのか、乾坤一擲、妻の一撃で夫、というか悪魔の首が切り落とされ、ジ・エンド。が、この手のホラーの常道手段。悪魔は死んではおらず、モンスターの手が息子の足をつかみます。実は首が完全には切断されていなかったのです。まさに首の皮一枚で繋がっていたモンスターの首を、妻が最後の力を振り絞り完全に引きちぎって、こんどこそ本当にジ・エンド。モンスターの頭部は、ピエロの仮面が剥がれ、中から夫の顔がのぞきますが、首を切り落とされている以上、助かるわけはありません。

この映画、夫は何も悪いことはしていないんですよね。そりゃ悪魔に取り憑かれてからこどもを何人か食べていますが、あれは悪魔の仕業であって夫がやったわけではありません。ピエロの衣裳だって、息子を喜ばせたい一心で、扱う物件からちょっと借りただけで悪意も何もありません。基本的にはよき夫、よき父親の主人公が、何の因果か悪魔の衣裳を着てしまったために死ぬ(殺される)羽目に陥ったわけで、ちょっと救いがありません。

ちなみに、今回のタイトルは欅坂46の渡辺梨加の「ん~、カメラ、怖い~」というギャグ(?)をもじりました。