いま注目すべきは五輪で沸くブラジルではなく、チリなのでしょうか?

ちょっと前に『第三帝国』が刊行されたロベルト・ボラーニョはチリ出身の作家です。いま、まさに熱い闘いが繰り広げられているブラジルと同様、南米の国です。あの、アンデス山脈に沿った南北に細長ーい国と言えば、世界地図を思いだしてくださる方も多いのではないでしょうか?

そのチリを扱った映画が2本、この秋に相次いで公開になります。一つめは、既に一度紹介していますが、「コロニア」です。ピノチェト政権期にあった収容施設を舞台にした作品です。

そしてもう一つが、「チリの闘い」です。こちらは、そのピノチェト政権ができるまでのドキュメンタリーですね。

混迷を極めたチリの現代史。それを扱った作品がほぼ同時期に日本で公開されるなんて、なんという偶然でしょう。たぶん、この夏はリオ五輪で世界の目が南米に注がれていますから、さらにもっと南米について知ってもらおうという発想なのではないでしょうか?

それはそれでよいことだと思います。チリのクーデターなんて、どれほどの日本人が知っているでしょう? ピノチェト政権なんていう言葉も聞いたことある日本人が多いとは思えません。ですから、こういう機会に少しでも知ってもらおうと、いろいろなイベントを行なうのは有意義なことだと思います。

メディアミックスではありませんが、五輪の喧噪が冷めた頃、書店でも<チリ>フェアなんて出来ないものでしょうか? なんてったってチリは、ノーベル文学賞受賞者を輩出している国ですから。『ラテンアメリカ文学史』『ラテンアメリカ十大小説』あたりから拾ってくれば、それなりの作品を集められるのではないでしょうか?

 

あたしの勤務先ではチリと言えばボラーニョくらいしか出していませんが、文学に限らず旅行ガイドやエッセイなども加えれば、バラエティ豊かなフェアになると思います。もちろん、ラテンフェアとしてチリに絞らなくてもよいと思いますが……

今日が山の日だから「鉱山」を「ヤマ」と読ませているわけではありません

次回の朝日新聞読書面に掲載予定の『三池炭鉱 宮原社宅の少年』(石風社)は、三井三池炭鉱のノンフィクションのようです。

 

同じ炭鉱つながりで、あたしの勤務先の『鉱山のビッグバンド』も売れてくれると嬉しいのですが……
(書名の「鉱山」は「ヤマ」と読みます!)

それにしても、いま炭鉱がブームなのでしょうか?

テレビドラマ「あさが来た」でも炭鉱(鉱山)は重要な舞台でしたし、「山本作兵衛の炭鉱記録画」がユネスコの世界記憶遺産になったのも記憶に新しいところですね。そういう流れなのでしょうか?

お前はナチなのか?

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