看板に偽りあり?

先程のダイアリー

内容とタイトルが合ってなくて……

すみません。

紀伊國屋書店の新宿南店が7月末で閉店するということは既に新聞報道などもありましたので、業界だけでなく一般の方もご存じのとおり。ネットでは既に新宿南店が閉店したかのように想い出を語る人が続出しているとも聞きます。が、先日、新宿本店で面白い(と言っては不謹慎?)話を聞きました。

南店の閉店の話がオープンになって以降、時々お客様から「この店、無くなっちゃうんだよね」と言われることがあるのだとか。「えっ?」というのが、本店のスタッフのみならず、あたしにとっても正直な感想なのですが、一般にはそういう受け止め方をしている人も少なからずいるようです。

つまり、紀伊國屋書店新宿南店が閉店、すなわち新宿にある紀伊國屋書店が閉店、という認識のようです。業界人であれば、そして紀伊國屋書店を頻繁に利用している人であれば、本店と南店というように、新宿には紀伊國屋書店が二つあるということは自明です。でも、一般の方、特に「久しぶりに東京へ来たから、新宿の紀伊國屋へ寄って帰ろう」というような人だと、そもそも新宿に紀伊國屋書店が二つあるということが知られていなかったのではないでしょうか?

そこへ持ってきて、上のように「新宿の紀伊國屋書店が…」という情報が入ってくれば、自分が昔から利用していたあの本屋が無くなるんだ、という発想に行き着くのはごくごく自然なことでしょう。

ですから、ここは声を大にして、「新宿に紀伊國屋書店は二つあります。昔からある、洋菓子の高野やカレーの中村屋のご近所の紀伊國屋書店は閉店しません」と訴えておきましょう。

考えてみますと、大都市ならターミナルに巨大な本屋複数あるのは珍しくもなんともないですが、日本中ほとんどの都市、町では本屋というのは「あるか、ないか」という状況のはず。新宿に本屋がいくつあるかなんて、そもそもいくつもあるなんて予想外なのかもしれませんね。

映画公開に間に合いました

映画化されたブルックリン』、惜しくもオスカーこそ逃しましたが、アカデミー賞にもノミネートされただけあって、試写会を見てきた同僚の話ではとてもよい作品だったそうです。

さて、その原作邦訳はあたしの勤務先から刊行しておりまして、もちろん刊行当時は映画化なんて話は知らず、下の写真のような装丁でした。

が、このたび日本でも映画公開がきまりましたので、オビを新調いたしました。それが下の写真です。

いかがでしょう? 文芸作品ですから、それほど派手なけばけばしいものはふさわしくないでしょうから、作品世界を壊さないような、落ち着いた仕上がりですね。機会を作って、あたしも本編を見に行きたいですが、とにもかくにも、邦訳を読んだ感想を踏まえるなら、この作品は主演女優で決まると思います。

もちろん、主演女優賞にノミネートされたわけですから、そのよさは一定の評価を得ているわけで、だからこそ、とにかく映画も見てみたくなります。

新宿には紀伊國屋書店が二つある!

紀伊國屋書店新宿本店の二階、外からのエスカレーターで上がってきた入り口を入って横、一番最初のフェアコーナーで、タマフルブックフェア開催中です。今月いっぱいの予定なので、そろそろ終わりに近づいていますが……。

で、このフェアでは、あたしの勤務先の書籍が二点、並んでおります。

まずは『こども 牛腸茂雄写真集』です。あたしの勤務先では珍しい写真集、なおかつ変型判の本です。少し前の本ですが、今でも時々客注が入ります。牛腸は「ごちょう」と読みますが、この本を注文される方には言わずもがなでしょう。でも、書店からの電話ではきちんと読めない方が多かったのも刊行のころの想い出です(汗)。

そしてもう一点は、いま話題の『ムシェ 小さな英雄の物語』です。

翻訳大賞受賞以後、出荷も売り上げも伸びていますし、なにより作品がすばらしいです。静かな感動を呼び起こす、といった感じの読後感です。この機会に是非!