ご自身の紹介記事と書籍の紹介記事が連続で読売に!

土曜日の読売新聞に別役実さんの記事が載っていました。

ちょうど『風の演劇 評伝別役実』が刊行されたばかりでしたので、非常にタイムリーでした。

その別役さん、闘病中とは聞いていましたが、読売新聞に掲載された写真でもずいぶんと痩せてしまっているような気がします。早くよくなってほしいものです。祈るくらいしかできませんが。

その別役さんの評伝、『風の演劇』は同じ読売新聞の日曜日、読書欄で紹介されました。

こちらのカバーはでは若かりし頃(?)の別役さんが格好よくタバコを咥えている写真です。

タバコはやはり体に毒ですよね。

たまには朝刊にも

今朝の朝日新聞にこんな記事が載っていました。

亡くなった蜷川幸雄さんの遺志を継ぐ劇団の活躍を報じているようです。

そんな記事の中に見覚えのある名前が……

○○トアル風景』のノゾエ征爾さんです。

記事にあるさいたま芸術劇場絡みでは、他にも岩松了さんの『薄い桃色のかたまり/少女ミウ』といったものも出しております。

ご興味のある方、戯曲ではありますが、是非どうぞ。

一つ一つ丁寧に作ることが肝要?

昨日の朝日新聞夕刊に「本が売れない」という記事が大きく出ていることをお伝えしましたが、実は前号の「週刊新潮」にこんな記事が載っていたのです。

ロベルト・ボラーニョの遺作『2666』が版を重ねて10刷となったのです。現在本体価格は7000円です。記事中にもあるように、二段組みの巨冊、判型も通常単行本より大きなA5判です。もちろん重量は1キロを超えています、たぶん。

そんな本が、一回の重版の数こそ多くはないもののコツコツと売り上げを積み重ね、とうとう10刷に到達したのです。

なぜ売れているのか、「売れた」かではなく「売れている」というところが肝心なのですが、それにはさまざまな理由があると思います。個人的には数年前のピケティと同じで、一種のブームになったというのが大きかったと思います。

「ガイブン好きなら読んでおかないと」という空気感が存在していると思います。書店員さんに聞くと、自分で読むために買う人がほとんどですが、中にはプレゼントとして買う人もいるのだとか。人に本を贈るというのは、特に大人になると難しいものですが、この本に関しては「贈って間違いない」と思われているようです。

記事の冒頭にコアな海外文学ファンは3000人とあります。「コア」というのがどのくらいを指すのかは難しいところですが、あたし個人の肌感覚では、「多少高くてもこの作家の、あるいは訳者のものだったらほぼ買ってくれる」読者は1000人から1200人くらいだと感じています。そして2000円台後半の海外文学の主戦場だと手に取ってくれる読者の数というのが3000人弱ではないかと……

いま安易に価格で分けてしまいましたが、『2666』を見てもわかるように、海外文学の場合、時に価格は関係ないことがあります。どんなに価格を安く抑えても売れないものは売れないことはしょっちゅうありますし、高くても驚くほど売れるものが多々あります。

翻訳権料があるので、「ガイブンは高い」という現実がガイブンファンの間では常識化してしまっているので、主に日本の作家の本を読んでいる人からすると本の値段に対する感覚が麻痺しているところはあると思います。ただ、やはり値段だけのことはあると思えるのも事実です。

分厚くて、文字がいっぱいで、だから読み通すのに時間がかかる本も多いですが、見方を変えると「この値段でこれだけの時間楽しめる!」と考えること可能ですし、現にあたしはそう思っています。この楽しさ多くの方に届けられればもっと、更に売れるのでしょうけど。

それにしても、全国的な週刊誌の記事として、たかが一冊の海外文学の重版がこれほど大きく取り上げてもらえるとは、もったいないです。そう言えば、以前、豊崎由美さんがどこかで、日本における海外文学の通史のようなものが書かれるとしたら『2666』の出版は必ず取り上げるべき事件だ、というようなことを書いてくれているのを読んだことがあります。

やはり、事件だったのでしょうか? とはいえ、10刷では日本人の1%はおろか、0.1%にも満たない数です。もっともっとアピールしないと。

海外でも大活躍!

朝日新聞、昨日の夕刊です。

北海道の地震のニュースが紙面の大半を占めるなか、芸術関係のニュースに見覚えのある名前が……

チェルフィッチュの岡田利規さんの記事です。

いまや海外でも大活躍の岡田さんですね。

というわけで、あたしの勤務先から出ている岡田さんの本ということで『エンジョイ・アワー・フリータイム』と『三月の5日間』をご紹介。

  

『三月の5日間』は、上の写真ではあえてオリジナル版を並べてみましたが、現在書店でお求めいただけるのは『三月の5日間[リクリエイテッド版]』になります。

レシピではなく随筆、読んで味わうものです

本日の朝日新聞一面「折々のことば」に『隠し包丁』からの引用が紹介されていました。

もともとは単行本として刊行されたものですが、現在はご覧のようにUブックスになっています。

つきぢ田村の田村隆さんの著作としては『返し包丁』と『つきぢ田村の隠し味365日』がありますが、どちらも現在在庫僅少となっています。

料理人の本と言われれば、いわゆるレシピ本を想像されるかも知れません。確かに、他社からはつきぢ田村のレシピ本が刊行されています。ですが、本書はそういうものではなく

「いただきます」の期待感、「ごちそうさま」の読後感。つきぢ田村の三代目が、腕によりをかけ、うわさの料理の精神を豊かにつづった、創造への探求心あふれる33品のおいしいエッセイ

です。

たまにはこういうのもよいのではないでしょうか?

人気いまだ衰えず……

昨日の朝日新聞夕刊です。

あたしの勤務先でもたいへんお世話になっている宮沢章夫さんの記事が載っていました。

14歳の国」が再演されるそうです。

あたしの勤務先で刊行した、書籍版の『14歳の国』は現在品切れなので、せめて「こんな本でした」という写真だけでもご紹介いたします。

この作品、「高校の演劇部などから上演したいという声が今も寄せられる」そうなんですね。やはり、高校生にとって、いまだにリアルな、感情を揺さぶられる作品なのでしょう。

これで3分の2(4分の3)が揃いました!

予告通り、今朝の朝日新聞読書欄で『力の追求(上) ヨーロッパ史1815-1914』『力の追求(下) ヨーロッパ史1815-1914』が紹介されました。

本書は「シリーズ近現代ヨーロッパ200年史」という副題からもわかるとおり、ヨーロッパのこの200年を通覧する、全4巻のシリーズです。

既に『地獄の淵から ヨーロッパ史1914-1949』が刊行されていまして、これで1815年から1949年までが揃ったことになります。戦後から現在までの最終刊は来年刊行予定ですので、しばしお待ちください。

A5判という、やや大きめの判型で、ページ数もそれなりにありますので、お値段もちょっと張りますが、それに見合うだけの内容です。興味を持たれた方は店頭でぜひ実物をご覧になってください。

一瞬「?」かも知れませんが、歴としたタイトルです

またまた朝日新聞の夕刊です。

劇団ハイバイの「て」が紹介されています。

「て」って何? と一瞬思ってしまうかも知れませんが、戯曲のタイトルです。つい最近『て/夫婦』が刊行されたばかりで、「夫婦」も戯曲のタイトルです。

「て」「夫婦」どちらもこの夏、再演されていますので、朝日新聞の記事はその紹介、案内というわけですね。

ちなみに、作者の岩井秀人さんには他に岸田賞受賞作『ある女』もございますの、よろしければこちらもどうぞ!

この記事は、首都圏版のみの掲載かしら?

昨日の朝日新聞夕刊に、温又柔さんの記事が載っていました。

新刊『空港時光』を中心とした記事です。せっかくの記事ですが、そもそも夕刊なので、誰もが読めるわけではないですよね。夕刊がない地区ってかなり多そうですし。それに、この部分って、関西など他の地区の夕刊も同じ紙面なのでしょうか?

それはさておき、温又柔さんと言えば、来月にはあたしの勤務先からも『台湾生まれ 日本語育ち』がUブックスとして再登場します。現在ほぼ品切れ状態の単行本はしばしば書店や読者の方からお問い合わせをいただいていた商品で、これでようやく胸を張って対応できます。

ちなみに、今回は単に単行本をUブックスにするだけではなく、数篇の増補もあります。単行本をお持ちの方も更に一冊、Uブックスもいかがでしょうか?

ところで、紙面をよく見てみますと、温又柔さん、一面にも載っていましたね。

「朝日新聞」というタイトルのすぐ下に。

「日台はざまの作家」という惹句だけを見ると、あたしなどはマイナスイメージを持ってしまいがちなのですが、紙面の方には「言語・文化 境界を越えのびのび」とあって、あたしの先入観を壊してくれる内容です。

それにしても、日本と台湾というのはつくづく独特の関係だと思います。それに台湾と言っても、福建あたりを本籍とする人たちと国民党と共に渡ってきた人たちの対立、更には山地に暮らしている原住民族の人たち。ものすごくデリケートな問題が横たわっているような気がします。

ところで、『空港時光』は未読なのですが、これまでの温さんの作品では『真ん中の子どもたち』が好きです。主人公が中国へ語学留学をするのですが、ちょうどあたしが学生時代に短期の語学研修で中国へ行った時期と近いようなので非常に親近感が感じられたからです。

中国、もう10年以上行っていません。空気の問題とかいろいろ気になることはありますが、やはり機会があればまた行きたい国です。もちろん台湾も。

そんな中国絡みで、昨日の夕刊にはもう一つこんな記事が載っていました。早稲田大学で周作人の国際シンポジウムが開かれたという記事です。小川先生の名前も見えます。

記事のタイトルに「魯迅の弟」とあるからわかりますが、一般の日本人に「周作人」と言ってもピンと来ないのでしょうね。そもそも、魯迅が本名だと思っている日本人が大多数なのではないでしょうか?

いや、この点に関しては中国人はどうなのでしょう。日本人だって日本の文化についてきちんとした知識を持っているわけではありませんので、周作人が魯迅の弟だって知らない中国人、魯迅の本名を知らない中国人も多いのかも知れませんね。

書評でも紹介でもないのですが……

まずは、朝日新聞土曜日の読書面。

ケインズの『雇用、利子、お金の一般理論』が取り上げられていました。しかし、原典に食らいつくことも大事ですが、いきなりでは歯応えがありすぎるというのも否定できないところです。

そこでご紹介したいのが『ケインズを読み直す 入門 現代経済思想』です。タイトルどおりのケインズ入門です。まずは本書を手に取ってみるのはいかがでしょう? 原典に当たるのはそれからでも遅くはないと思います。

続きましては日曜日の紙面。移民に関する記事です。

記事中にも、移民は財政的な負担になるのか、といった言葉が見えていますが、「移民を〈労働力〉ではなく〈人間〉としてみること」をテーマとした本書は、著者自身がキューバから移ってきた移民であり、移民問題を考える上で欠かせない一冊だと思います。

一般に経済学者は貿易や移動の自由を支持する傾向が強い。社会的効率や経済効果といった観点から、開国や移民は全肯定される。それだけではない。さまざまな数式モデルや統計データを用いて、あたかもその推進が客観的な数字に基づいているかのように議論されるのだ。しかし、労働経済学という視角から見たとき、事実は全く異なる様相を呈する。まず、経済効果という観点で言うなら、移民には短期的な効果はない。とりわけ未熟な労働者を受け入れた場合は、福祉制度に深刻な打撃を与えてしまう。加えて、雇用を奪われる労働者から安く移民を雇う企業に莫大な富が移転するという事態も招く。長期の効果もかなり心もとないものだ。それでも高技能から低技能まで、多様な移民を受け入れるのはなぜなのか?

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