来日してました情報が続々と

中国の作家、閻連科さんが昨年12月に来日されていたのですが、その時の取材記事が続けざまに新聞に載りました。

 

上掲は左が朝日新聞の掲載記事、右が毎日新聞の記事です。河出書房新社から出た新刊『硬きこと水のごとし』のプロモーションですが、釣られるように、あたしの勤務先から出ている『年月日』の注文も伸びています。

 

それぞれテイストはかなり異なり、同じ作家の作品かと思われるほどですが、舞台となっている場所はほぼ同じです。いや、閻連科さんの場合、これまでの『愉楽』も『炸裂志』も舞台となっている農村はほぼ同じところですので、一連の作品として読むことも出来るかも知れません。

少なくとも、『硬きこと…』は『愉楽』『炸裂志』に通ずる作品です。

朝日新聞三点盛り

書評よりも、得てしてこういう記事の方が実際の販売に繋がったりするものですが……

まずは土曜日の朝日新聞朝刊「折々のことば」から。

シェイクスピアの『リチャード三世』からの引用で、使われているのはもちろんUブックス版、小田島雄志訳です。

そして夕刊社会面にはこんな記事が。

今週いよいよ一般公開、上野動物園のパンダ、シャンシャン。個人的には、和歌山にだってパンダはたくさんいるのに、上野、上野と騒いでいることに鼻持ちならない気分なのですが、1月半ばに『読むパンダ』という本が出ます。本邦初、パンダに関するさんソロジーです。乞うご期待!

そして最後に今朝の朝日新聞の広告。

青山学院大学と東京外国語大学のコラボ広告です。この記事に関心を持たれた方には、ここに登場の立石先生を中心に編んだ『言葉から社会を考える』をお薦めいたします。

画竜点睛を欠く、と言ってしまうとあまりにも偉そうではありますが、でも、ちょこっと触れて欲しかったなあ、というのが正直な気持ちです

昨日の朝日新聞読書欄には、残念ながら、あたしの勤務先の書籍の紹介はありませんでしたが、その読書欄のトップページを、皆さまご覧になりましたでしょうか?

そこで紹介されていたのかって? いえいえ、そんなことはありません。ただ、米ソ両大国の核廃絶への取り組みなどの記事でしたので、思わずこんな本を思い出しました。

ピュリツァー賞受賞作、『死神の報復(上)』『死神の報復(下)』です。どうしてこの本がそこで紹介されていないのか、ちょっぴり不満を持ちながら読みました。

 

本書の副題は「レーガンとゴルバチョフの軍拡競争」ではありますが、実は両首脳がなんとか軍拡を止めようと努力していた様を描くノンフィクションです。ウェブサイトの内容紹介にも

1970代後半、ソ連は西側に大きな脅威となる「大陸間弾道ミサイル」を開発、80年に実戦配備した。83年、米はこれに対抗し、レーガン大統領が「スター・ウォーズ計画」を提唱した。レーガンは反共主義者であったが、ソ連指導者たちに私信を送り続けていた。ソ連が先制攻撃を仕掛けてきたら、従来の核抑止理論は役に立たない段階に至っていると考え、「核の全廃」しか道はないという理想を抱いていた。一方ゴルバチョフも、新時代の到来を内外に訴えた。レーガンとの首脳会談では意見が合わなかったが、核戦争に勝者がないという一点で、利害の一致を見た。ソ連崩壊後、焦眉の急は、旧ソ連に眠る核・生物兵器など「冷戦の置き土産」だった。頭脳や原材料・機材の流出を阻止すべく、米ではある「秘密作戦」が進行していた。「核兵器のない世界」は実現できるのか? 冷戦の「負の遺産」を清算できるのか? 20世紀の冷戦における軍拡競争、核・生物兵器をめぐる諸事件を、米ソ・国際政治の動向から、人物の心理や言動まで精細に描く。

とあります。上下本と読み応えバッチリですが、読書欄の記事に関心を持たれた方には是非一読していただきたい本です。

ロシア革命百年、盛り上がってますか?

昨日の朝日新聞夕刊。

個人的には、あまりロシア革命をアピールするよりも、共産主義とは何であったのか、マルクスの理想は奈辺にあったのか、そういった視点で捉えていました。

だからこそ、ピケティや格差社会といったところにも射程が広がると思うからです。あまりロシアというかソ連を強調すると、スターリニズム的な強権主義、個人崇拝、共産党独裁というマイナスイメージばかりになるので、なぜそうなってしまったのかを考究する方が、いまロシア革命を取り上げる意味があると思うのです。来年はマルクス生誕二百年ですし。

で、朝日新聞の記事に載っていた写真。あれはジュンク堂書店池袋本店の棚でしょうか? あたしの勤務先の本がチラホラと見え隠れしていますね(汗)。

別に、あたしの勤務先は左寄りの出版社というわけではないのですが、なぜかこのところソ連ものが増えているような……。この後も刊行予定がありますし(汗)。

社内の流れとしては、第二次大戦を中心とした「近現代史もの」という刊行の中でのソ連、ロシア関連書なのです。ですから、決してロシアものばかりではなく、同じくらいドイツものも出しているんですよ!

とはいえ、上の写真のようにロシア、ソ連関連書だけを並べてもこれだけあるわけですから、書店でコーナーを作ったらそれなりに存在感を出してしまいますよね。

せっかくゴリオ爺さんを読むなら対訳で、音声を聴きながら!

朝日新聞の読書欄で桜庭一樹さんがバルザックの『ゴリオ爺さん』を紹介していますね。

 

書影として挙がっているのは光文社の古典新訳文庫ですが、これ以外ですと集英社のポケットマスターピースの『バルザック/a>』か新潮文庫『ゴリオ爺さん』ですかね? 岩波文庫版は現在品切れでしょうか?

 

もちろん、この記事を読んで翻訳に挑戦するのは王道ですし正しい選択ですが、「いきなり全部読むのはちょっと……」という人も多いのではないでしょうか? そんな方にお薦めなのがこちら、『対訳 フランス語で読む「ゴリオ爺さん」』です。

本書は全訳ではありません。

『ゴリオ爺さん』を原文の抜粋で読んでいきます。バルザックの作品は難解で手強いイメージがありますが、一文ごとに深い意味が込められており、そうしたニュアンスを読み解いていくことこそ、フランス語学習者の特権です。見開きで、原文、注、訳文、「読解のポイント」が読みやすくレイアウトされており、ミカエル・フェリエ氏のすばらしい朗読で、音声でもお楽しみいただけます。主人公ラスティニャックと共に、19世紀パリの人々の息づかいを感じてください。

とウェブページの内容説明にあるように、『ゴリオ爺さん』のエッセンス、つまりは「いいとこ取り」です。まずはこんなのから如何でしょうか? 付属のCDで原文の音声も聴けるわけですから、なおさらお得ではないでしょうか?

さらに、バルザックの作品に興味を持たれた方には『バルザックと19世紀パリの食卓』というのもあります。

バルザックが活躍した19世紀前半は、パリが美食の中心となっていった時代。大食漢で知られるバルザックの小説の食の場面を通して、当時の社会・風俗をよみとく。

対訳本の編著者による一冊です。

フィーバー?

朝日新聞夕刊に、いろいろと載っていました。

 

まずは松尾スズキさんの戯曲『業音』です。書籍も店頭に並び始めたところだと思います。

続いては温又柔さんのインタビュー記事。惜しくも芥川賞は逃しましたが、その立ち位置から紡ぎ出される作品は今後も日本人とは何かについて考えさせるものだと思います。

最後は短大の記事。

一見すると何の関係もなさそうですが、記事中に『消えゆく「限界大学」』という書名が出て来ます。はい、そうです。あたしの勤務先の刊行物です。

それにしても、一度にこれだけ自分の勤務先関係の記事が載るなんて……

まさに、フィーバーです。

って、その表現が古いですか?

こんなところに紹介が!

これまでも時々ですが、あたしの勤務先の刊行物が紹介されることがあった、UCカードの会員誌『てんとう虫』。その最新号が届きました。

「国語辞典を読もう」という特集ですね。ちょっと興味深いです。

毎号ある、書籍の紹介ページがこちら。映画紹介などと共に読者プレゼントもあったりしますが、上のような感じで毎号書籍が紹介されています。

その中に見覚えのある書籍が! 『続・寂聴伝 拈華微笑』です。

 

同書に興味を持たれた方なら、前著『寂聴伝 良夜玲瓏』も是非どうぞ。

選択肢

昨日の朝日新聞読書欄で『社会契約論』が紹介されました。社会の授業でたいていの日本人が習う、あのルソーの著作です。そして書影で取り上げられたのが、なんと「Uブックス版」でした。なので、今朝からファクスや電話で同書の注文が引っ切りなしです。

ただ、『社会契約論』って真っ先に思い出すのは「Uブックス版」でしょうか? いや、それはそれでとてもありがたいことなのですが、普通は「岩波文庫版」だと思うのです。あるいは昨今なら「光文社古典新訳文庫版」ではないかなあ、と思うのですが、如何でしょう?

 

あえて「Uブックス版」なのは、文庫よりも判型が大きいので読みやすいということでしょうか? だとしたら「中公クラシックス」も新書サイズです。

ということは、やはり翻訳が優れているということなのでしょう。あと『社会契約論』のみであるというのもアドバンテージなっているのでしょうか?

折々のことば

朝日新聞の「折々のことば」で『娯楽番組を創った男』が紹介されました。

書評もありがたいですが、こういう記事やコラムの中の紹介というのも売り上げに影響するものです。

出版社名が入っていませんが、あたしの勤務先の刊行物です。

朝日は久々?

本日の朝日新聞読書欄で『ヒトラーの裁判官フライスラー』が紹介されました。

彼らのような人々が戦後ほとんど罪に問われず復活を果たしているという事実は、満洲帝国の官僚やB級、C級戦犯が政界に多数進出した日本の戦後にも通じる気がします。

それにしてもおぞましい歴史です。日本も現在再び同じような道を歩んでいるのではないか、そんな気もします。

そしてガラッと変わってこちらは桜庭一樹さんによるシェイクスピアの紹介。

取り上げられている書影はUブックス版の『ハムレット』です。

    

いくつも翻訳は出ていますが、シェイクスピアが紹介されるときはUブックスが多いです。やはり小田島訳がスタンダードなのですね。