「我的」が流行り?

 

店頭で『中国語で読む 我的ニッポン再発見!』という本を見かけました。どこかで見たことのあるタイトルですね。

そうです。『我的日本 台湾作家が旅した日本』です。

どちらも「我的」が共通していますが、前者は「わたしの」と読ませるようですが、後者は「われてき」ですので、カナで検索するときは両方いっぺんにヒットすることはなさそうです。

それに、前者は中国語の学習書というスタイルですが、後者は完全なエッセイですので、語学書の棚と文芸の棚というように、書店で置かれる場所も異なるはずです。

とはいえ、間違って発注されてしまうことがないとは言えないでしょう。こちらも気をつけないとなりませんね。

絵画は劣化するものです

今朝の朝日新聞に窪島誠一郎さんが載っていました。

長野にある無言館のことに触れられています。

無言館関係ですと、あたしの勤務先からは『「無言館」への旅 戦没画学生巡礼記』『無言館の坂を下って 信濃デッサン館再開日記』といった本を出しています。この記事で初めて無言館を知ったという方も少なくないと思います。長野まで足を延ばすのはすぐには難しいというのであれば、これらの本がお薦めです。

また窪島さんは、無言館での来館者とのやりとりから『絵をみるヒント』という本も書かれていますし、『父 水上勉』も上梓されています。

重版間近?

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デカルトです

ちくま学芸文庫から『デカルト入門講義』という新刊が出ました。同文庫書き下ろしのようです。デカルト哲学の全体像を俯瞰するための一冊のようです。

となると思い出されるのが、文庫クセジュの『デカルト』です。同書は

本書は、省察的熟考という隘路の向こうに遠望される〈無限なもの〉すなわち〈神〉の人間による知解可能性に依拠して、哲学史の産物である〈カルテジアニズム〉という従来のデカルト理解を破砕し、その多面的な哲学の全体像を豊富な引用文とともに新たに鳥瞰かつ虫瞰する。懇切丁寧な訳注を付す。

という内容です。是非併せて読んでいただきたいペアです。ついでにUブックスの『方法叙説』もどうぞ!

フェアもやっています

朝日新聞に、サントリー文化財団の記事が載っていました。今年で40周年なのだそうです。

サントリー学芸賞と言えば、人文系では押しも押されぬ賞ですし、人文科学分野における同財団の貢献は計り知れないものがあると言えるでしょう。

というわけで、神保町にある東京堂書店ではそれを記念したフェアもやっています。

大阪の書店でも同様のフェアが企画されているとのこと。続報をお待ちください。

思い出していただけましたでしょうか?

本日の天声人語に大阪で起きた母子餓死事件のことが載っています。

その事件に着想を得て、舞台を台湾の台北に移して小説に仕立てたのが『ここにいる』です。貧乏な母子家庭が食べるものもなくて餓死したという単純な事件ではないようで、著者・王聡威さんなりの解釈で事件の背景が描かれています。

実際の事件の方も、いったいどうして起きてしまったのか、よくわからないところが多々あります。食料さえ与えればよかったという簡単なことではないようです。

今日の配本(19/3/18)

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もしかすると書評よりも効く?

今朝の朝日新聞の文化・文芸欄です。

先日刊行がスタートした『金子兜太戦後俳句日記』のことが取り上げられています。記事中にもありますように、全3巻、半年に一冊のペースですので、一年後の来年2月に第三巻が刊行になって完結の予定です。

書評よりも(読書欄で紹介されるよりも)、こういう記事で紹介された方が売り上げに聞いたりすることがままあります。特に金子兜太さんのファンであれば、こういう記事もしっかりと読んでいるでしょうから、これから「よし、買ってみよう」という方も多いのではないかと期待しております。

そして、かなり後になってから、「新聞にこういう本が載っていたんだけど……」という客注が書店に舞い込む可能性も高いです。書店の方も書評に載った本はあらかじめ注文しておいたり、タイトルくらいは記憶に留めているでしょうが、こういう記事で紹介されたものまではフォローしきれていない場合もあると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

翻訳が異なります!

海外文学のシリーズ《エクス・リブリス》の最新刊は『郝景芳短篇集』です。

郝景芳て誰? という方がほとんどかもしれませんが、早川書房のヒット商品『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』の表題作「折りたたみ北京」の著者です。

『折りたたみ北京』はさまざまな中華SF作品のオムニバスで、ケン・リュウの英訳から翻訳したものですが、今回の『郝景芳短篇集』は郝景芳の短篇のみで構成されていて、なおかつ中国語原文からの邦訳になります。収録作品は「北京折りたたみの都市」「弦の調べ」「繁華を慕って」「生死のはざま」「山奥の廃療院」「孤独な病室」「先延ばし症候群」の7作です。

ちなみに、カバー装画はきたしまたくや、郝景芳はハオ・ジンファンと読みます。