いつの頃だったか……

突然飛び込んできた池内紀さんの訃報。あたしの勤務先でも、カフカの翻訳などたいへんお世話になっていました。

あたしがまず思い出すのは最初の画像です。

啓文堂書店吉祥寺店で行なわれた池内さんのサイン会です。たぶん、あたしの勤務先のカフカの翻訳が刊行されたタイミングで行なわれたものだったと思います。当時の同店は駅直結のユザワヤビルの地下にあり、なかなかの広さを誇ると同時に駅から濡れずに行ける書店として、全国の書店の中でも上位に位置する本屋でした。

そして同店のサイン会では、特に著訳者の先生が断わらなければ、記念にお客さんと一緒のポラロイド写真を撮ってくれるというサービスがあり、あたしも撮っていただいたのが画像に写っているものです。今の時代ならお客さん持参のスマホでパチリなのでしょうが、当時はそんなもの普及していませんでした。

そして、あたしはその時に講談社現代新書の『ニッポン発見記』を購入し、母親の名前でサインをしていただきました。池内さんはサインだけでなく、ご覧のような可愛らしいイラスト一緒に描いてくださるので、サイン会も意外と時間がかかりましたが、お客さんはとても喜んでくれたのを覚えています。

ご自身で色鉛筆を持参され、いくつかあるイラストを提示して、お客さんに「どれを描きましょうか?」と聞いて、お客さんが選んだものを扉や見返しなどに描いてくれました。とても優しかった表情と物腰を覚えています。

その数年後、リブロ吉祥寺店で行なわれた、西江雅之さんとのトークイベントにも出かけました。お二人の軽妙な掛け合い、なおかつ非常に高度な内容のトークに打たれたが昨日のことのようですが、たぶん10年以上前のことだと思います。

刊行即重版

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ちょうど一週間後です

9.11同時多発テロって、ついこの前のような印象がありますが、2001年に起きた事件だったんですね。もう18年になるのですか。

ということで、9月11日を前に『倒壊する巨塔(上) アルカイダと「9・11」への道』『倒壊する巨塔(下) アルカイダと「9・11」への道』のご案内です。書店の皆さま、もし在庫お持ちであれば、この一週間くらいは面陳にしていただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

フェア、秋の陣

春と言いますか、主にゴールデンウィーク明けに開催していた《エクス・リブリス》フェアは、創刊10周年の記念冊子効果も相俟って、各書店で好評を持って迎えられました。

そして、実はこの秋から、同フェアを開催する書店が何軒かあるのです。

そもそも春に案内をしたときに「ちょっと場所が取れない」ということだったりしたのですが、その裏には「秋に、新潮のクレストのフェアやるときに一緒にやりたい」と言ってくれる書店が何軒もありまして、こちらもそれならと秋に向けて夏からいろいろと声かけをしていたという次第。

もしかしたら、あなたの近所の書店でやっているかもしれませんので!

新刊揃い踏み

新刊の『定本 現代イギリス経済学の群像 正統から異端へ』は本日が配本日です。

本書はもともと岩波書店から1989年に刊行されたものですが、現在品切れになっていまして、このたび、あたしの勤務先から復活した次第です。著者は根井雅弘さんです。

そんな根井雅弘さんの新刊がNHK出版からも刊行されています。

NHKブックスの『資本主義はいかに衰退するのか ミーゼス、ハイエク、そしてシュンペーター (NHK BOOKS)』です。単行本と新書ですので、書店店頭では並ぶ場所が全く異なるのでしょうが、同じ著者で、なおかつテーマ敵にも通じるので、ぜひ一緒に並べていただけると嬉しいです。

ところで、NHKブックスのタイトルを見ていて思い出したのが、こちらです。

講談社現代新書の『資本主義に出口はあるか』です。なんとなくタイトルが似ていると思いませんか?

それにしても、これらに限らず、このところ資本主義をテーマにした本がずいぶんと目立ちます。それも資本主義が行き詰まっている、このままではマズい、といった論調の本が多いような気がします。

そういう時代の節目なのでしょうか?