朝日新聞から……

数日前の朝日新聞の「声」欄です。若い方の投書です。

本が好きなんですね。長い通学時間、スマホをいじっている人が多い中、この方は熱心に本を読んでいるそうです。これは嬉しいエピソードです。

電子書籍でもよいとは書いていますが、それでもやはりページをめくるのが好きな方のようで、出版社に勤める者としては泣きたくなるような話です。

考えてみますと、あたしが高校時代、学区外から越境で通学していたクラスメートもやはり電車の中で本を読んでいると言っていました、文庫本なら往復で一冊読み終わると。当時はまだカセットテープのウォークマンが全盛期、スマホはおろかケータイすらない時代、否、まだCDも登場前だったと思います。

レコードのレンタルショップで借りて自宅でカセットテープにダビングしたものをウォークマンに入れて聴くのが電車の中の風景でした。長い時間乗る場合にはカセットテープを何本も持っていないと飽きてしまうような頃です。車内の多くは新聞を読むか、週刊誌、マンガ誌、本を読んでいる人ばかりという時代でした。今から思うと牧歌的な時代です。

さて本日、朝日新聞の読書欄に予告どおり『エリ・ヴィーゼルの教室から』が掲載されました。

紹介が出ますので

朝日新聞の読書欄で、新刊『エリ・ヴィーゼルの教室から 世界と本と自分の読み方を学ぶ』が紹介されると予告されていましたのでご案内です。

エリ・ヴィーゼルと言えば『』ですよね。本書はそのエリ・ヴィーゼルの下で学んだ著者が、エリ・ヴィーゼルの講義録や対話などをまとめたものです。

どうぞ、本書を通じてエリ・ヴィーゼルの謦咳に接してみてください。

台湾社会の暗部を描いている?

台湾新聞の271号で『房思琪の初恋の楽園』が紹介されました。

まあ、本書は台湾の小説の邦訳なので、台湾新聞で紹介されるのは当たり前と言えば当たり前。ただ今後の日本で台湾作品の紹介が増えてくれば、必ず紹介してもらえるとは限りませんね。台湾作品の邦訳が数多く紹介されるのは個人的には嬉しいことですが、ちょっと悩ましくもあります。


アニメも好調なようで……

明日配本予定の新刊『ヴァイキングの暮らしと文化[新装版]』です。

この手の類書、実はまとまったもの、定評のあるものはほとんどなく、専門家からも評価の高い一冊です。しばらく切れていましたが、このたび久々の復活です。

なんでこのタイミングで復刊になったかと言いますと帯をご覧ください!

お気づきになりましたでしょうか?

人気アニメ『ヴィンランド・サガ』です。

その著者・幸村誠さんが本書を推薦してくれているのです。

この十数年、こういった人文書がアニメやコミック発で売れることがしばしばあります。特にきちんとしたもの、しっかりしたものであればあるほどファンの信頼も高く、そこそこの値段でもマニアは買い求めると聞き及んでいます。

まあ、そこまで虫のよいことは考えていませんが、この帯は心強い味方です。店頭に並ぶのを是非お楽しみに!

歴史に学ぶ

今回の台風では多くの被害が出ました。

特に河川の氾濫は、堤防にしろ、川の浚渫にしろ、かつてよりははるかに対策が進んでいるものと思っていたので個人的にもショックでした。幸いにも、あたしの知り合いには被害を受けた人はいませんが、幼いころ、まだ杉並区の高井戸に住んでいたとき、大雨が降ると神田川や善福寺川が氾濫し、井の頭線の高井戸駅の高架下を走る環状八号線は水没して通行止めになる、なんてことはしばしばだったのを思い出します。

こんな状況で本を薦めるのは申し訳ないですが、歴史に学ぶという意味では本書も裨益するところがあるのではないかと思います。『パリが沈んだ日』です。副題が「セーヌ川の洪水史」です。

かつてのパリはたびたびセーヌ川の氾濫に悩まされていたそうです。本書の内容紹介にも

1910年1月、花の都パリは巨大な湖と化した。セーヌ川のほとりに生まれ、大きくなっていったパリの町。パリ市の紋章にはラテン語で「たゆたえども沈まず」と書かれているが、紀元前以来、パリは頻繁に洪水にみまわれている。地震や津波、噴火の驚異にさらされることのないパリの人々にとって唯一ともいえる自然災害が、セーヌ川の洪水であった。本書はこの洪水をテーマとするユニークなパリ史である。

とあります。この機会に改めて繙いてみては如何でしょう?


重版が続きます

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朝刊の一面に!

今朝の朝日新聞、お気づきになりましたでしょうか?

一面の「折々のことば」に『エセー』第3巻が取り上げられていました。もちろん宮下志朗訳の『エセー』です。

この機会に全巻読んでみるのは如何でしょう?