ノーベル賞を受賞したオルガ・トカルチュクの翻訳2点、ようやく重版が出来上がりました。
ここまで注文が伸びるとは、正直なところ予想外でした。来月には授賞式もありますし、買おうと思っている方はボーナス月だと思いますので、発表直後に買いそびれた方、この機会に是非お求めください。
来週配本予定の『星の文化史事典』です。
右側にも同じタイトルの書籍が並んでいますが、こちらは旧版です。今回刊行するのは「増補新版」で、左側のものになります。
数十ページ増量していますが、厚さはほぼ同じです。なんか家電の新製品みたいじゃありませんか? 冷蔵庫なんかでありがちな「以前のものより容量はアップしたのにサイズはそのまま」という感じです。
ボリュームアップした増補新版、是非お手に取ってみてください!
文春新書の新刊『インドが変える世界地図』の巻末に参考文献リストがあります。そこに、なんとあたしの勤務先の書籍が二つも載っているのです。
『モディが変えるインド』と『沸騰インド』の二点です。
あたしの勤務先というと、どうしてもフランスというイメージが強くて、そこから主にヨーロッパに関する書籍が多いのではないかと思われがちですが、ノンフィクションや海外情勢に分類されるような書籍ではアジアものも出していて、これらもその成果です。
そして、最新刊過ぎたのでしょう、文春新書の参考文献には載っていませんが、つい最近は『新インド入門』という本が刊行されました。
『中村屋のボース』や『インド独立の志士「朝子」』といったインド近代史ものもありますので、ちょっとした《インドフェア》ができそうですね!
少し前になりますが、大手全国紙ではなく、各地の地方紙に李琴峰さんによる『房思琪の初恋の楽園』の紹介記事が掲載されました。李さんは刊行時のイベントにも登壇してくださいましたので、通信社が依頼をしたのではないかと思われます。
紹介文の中で李さんは「そんな一方的な願望をあざ笑うかのように、本作では文学がいとも簡単に凶器に変貌する」と指摘しています。それなのに主人公を追い詰める文学の装いだけは典雅なままです。「文学が暴力に、楽園が地獄になる様を目の当たりにした時、読者は戦慄を覚えずにはいられない」との感想はまさにそのとおりです。
ところで、楽園とは何だったのでしょう? 主人公たちが住んでいたマンションのわけはないですが、世間から見るとそれは紛れもなく楽園に見えているようです。あるいは台北で主人公と幼馴染みが住んでいた部屋、あるいは主人公をレイプした李国華のマンションのことなのでしょうか?
しかし、楽園とは追放されるところ、地獄に落ちる入り口だと、アダムとイブのころから決まっているのだとしたら、なんとも皮肉なタイトルだと思います。
それにしても、この作品はすごい作品です。