牽強附会と言われても仕方ないですが……(^_^;)

ジャック・ロンドン原作の『野性の呼び声』が映画になったようです。

あたしの勤務先から翻訳が出ているわけではありませんが、同じジャック・ロンドンの『マーティン・イーデン』なら刊行しております。ロンドンの自伝的作品と呼ばれる名作です。この機会に《ジャック・ロンドン》フェアなどを企画されるのであれば、是非お忘れなきよう宜しくお願いいたします。

そして、もう一つ公開の映画から。

娘は戦場で生まれた」という作品が公開になります。

こちらは戦火のシリアを舞台にしたドキュメンタリー作品です。特に原作があるわけではないようですので、ここではシリアを舞台にした作品を二つ、ご紹介します。

まずは『酸っぱいブドウ/はりねずみ』です。シリアの作家による作品ですが、氏と暴力が日常的なシリアの作品とは思えないほど、ほのぼのとした小説です。もちろん、そんな生活のすぐ裏には不安な毎日が横たわっているのですが、ふつうに読むとそんなことを感じさせない作品です。

そしてもう一点は、まもなく配本予定の『無の国の門』です。副題は「引き裂かれた祖国シリアへの旅」です。

祖国を逃れた作家が一時帰還し、反体制派の人々の苦悩と挫折に耳を傾ける。記録する行為を通じて内戦という過酷な現実と向き合う労作。

上掲のような内容のノンフィクションです。映画「娘は戦場で生まれた」がカメラで記録したシリアなら、『無の国の門』はペンで記録したシリアだと言えるのではないでしょうか?

お気づきだろうか?

まもなく配本の『トマス・ジェファソン(下)』と、先に発売されている『トマス・ジェファソン(上)』です。

装丁は、デザインがほぼ同じで、色が異なります。そして印象的なのが中心を縦に貫く黒い帯状のデザインです。

さて、皆さんはお気づきになられましたでしょうか? この黒い帯の部分、上巻は「T」、下巻は「J」となっています。つまり、「トマス・ジェファソン」です。

上巻だけ見た時は左右がシンメトリーではなく、「なんだ、このデザインは?」と思ったのですが、上下が揃うと謎が解けるという寸法だったのですね。

果たして書店員や読者の方で上巻だけを見た時点で気づいていた方はいらっしゃるのでしょうか?

出会いと別れの季節

春は出会いと別れの季節なんて言われます。

でもそれは、あくまで人と人とのことを言うのでしょうが、ここへ来て書店の閉店の情報が次々に入ってきます。

まずは、鎌倉駅前にある松林堂書店です。3月末までですが、残念です。向かいのスーパーの中には文教堂があり、同じく駅前には西口にたらば書房、東口に島森書店がありますから、すぐに近隣の方が書店に困るという状況ではありませんが、各書店それぞれが特色を持って営業していたので、あたしたち出版社以上に悲しんでいる地元の方が大勢いらっしゃると思います。

その鎌倉から横須賀線で東京へ戻ってくる道すがら、東戸塚駅前に西武がありまして、その中にリブロが入っているのですが、こちらも近々閉店になります。ウェブサイトにPDFがアップされていますが、同じポスターが店頭にも貼ってありました。

こちらの店舗もなかなか広くて、広いのでそれなりにしっかりした品揃えで、日常的に利用するには必要十分な本屋だったと思います。専門書は横浜や東京へ足を延ばさないとならなかったかも知れませんが、ふだん読む本であればここで充足していたのではないでしょうか? こういう商業施設に入っている店舗の場合、家賃の契約更新のタイミングで閉店というのは時々聞く話ですが、リブロもそうだったのでしょうか?

そんな東戸塚のリブロが閉店して、もう書店は入らないのかな、だとしたらこのスペースはどうなってしまうのだろうと思っていましたら、こんなポスターを見かけました。

どうやら紀伊國屋書店が後釜として入るようです。ひとまず東戸塚の方の書店事情は悪化せずに済みそうですし、出版社にとっても朗報です。

それにしても、神奈川のこのあたりでは上大岡のあおい書店も月末で閉店ですから、本当に寂しくなりますね。たまには景気のよい話が聞きたいものです。

映画・ドラマ・舞台化作品

書店に行きますと、比較的目に付きやすい場所に「ドラマ原作本」とか「映画化作品」のコーナーが作られていることがあります。たいていは「天気の子」とかヒット映画の原作本や関連書籍が並んでいるわけですが、地味ながらも、あたしの勤務先もそういった原作本を持っていたりします。

現在ですと、たとえば『グッドバイ』です。

乃木坂46関連の情報を追っていますと、卒業生の能條愛未が出演中の舞台として「グッドバイ」が挙がるのですが、この戯曲の原作はあたしの勤務先から出ているものです。

戯曲の場合、上演のたびにセリフなど内容がバージョンアップされることもままありまして、その典型的なのが、同じく乃木坂46の生田絵梨花出演の舞台「キレイ」です。

この舞台の原作本は『キレイ 神様と待ち合わせした女[2019/2020]』ですが、以前は『キレイ 神様と待ち合わせした女[完全版]』として刊行していたものです。今回の上演にあたり内容が大幅に変わったので、新しいものとして書籍も刊行されました。今後も更に進化を続けていくのでしょうか?

その他、今月、WOWOWで放送予定の映画「ブライン・マッサージ」も、原作は中国の作品で、《エクス・リブリス》の一冊『ブラインド・マッサージ』になります。

これは面白そうな一冊

明日配本の新刊『100語でわかる遺伝学』がちょっと面白そうです。

遺伝学なんて聞くと堅苦しい理系の本のようですが、目次を見ると意外と取っ付きやすそうな感じです。

もちろん、帯にも書いてあるとおり、ゲノムなど遺伝子工学の分野はホットなジャンルで、初心者向けの本もたくさん出ているわけですから、その中でこの文庫クセジュが抜きん出られるのかと問われると、あたしはこの分野の専門家ではないので何とも言えません。申し訳ないです。

で、上に述べた目次ですが、ひっくり返したら裏表紙、いわゆる表4に載っています。それが二枚目の写真です。

帯の部分に目次が載っていて、カバーには本書の梗概が載っています。

ところで本書ですが、文庫クセジュなので、クセジュの棚がある書店ではそこに並ぶことになるでしょう。棚がなくても判型から新書コーナーの片隅に置かれるのではないかと思います。でも、こういうテーマですから、人文など他のジャンルにも置けそうな気がするのですが如何でしょう?

このあと21時から

今宵、21時からNHKのBSプレミアムで映画「戦場のピアニスト」が放送されます。

アカデミー賞受賞作品の特集放送のようです。

そして、このタイトルを見ると思い出されるのが『「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校 ヴィルム・ホーゼンフェルトの生涯』です。

ウェブサイトの内容紹介には次のようにあります。

映画『戦場のピアニスト』では、ユダヤ系ポーランド人ピアニストのシュピルマンが戦禍を免れ、ワルシャワ陥落直前、ドイツ人将校に発見されて絶体絶命という緊迫したシーンがある。ところが、そのドイツ人将校は、ピアニストの彼にピアノを弾かせて励まし、食料を運んで命を救った。本書は、まさにその「ドイツ国防軍将校、ヴィルム・ホーゼンフェルトの生涯」を描いた歴史読物だ。

さあ、今夜映画を見たら、本書が読みたくなるのではないでしょうか?

祝、受賞

今朝の朝日新聞に載っていました。読売文学賞です。

今回、あたしの勤務先は戯曲・シナリオ部門で『命、ギガ長ス』が、評論・伝記部門で『龍彦親王航海記 澁澤龍彦伝』がそれぞれ受賞いたしました。

読売新聞は未確認ですが、きっともっと大きく載っているのでしょうね?

今日は命日です

昨日の朝日新聞夕刊の一面「素粒子」欄です。

昨日の記事で「あす」と書いてあるので、つまりは今日のことですが、今日1月26日は作家・藤沢周平の命日になります。1997(平成9)年に亡くなっているので、今年で23年になるのですね。約四半世紀です。もうそんなになるのか、という気もします。

命日ということで、藤沢作品を手に取るのもよいですが、評伝は如何でしょうか? あたしの勤務先からは『藤沢周平伝』が出ています。

なお本書は既に電子書籍版も出ていますので、「置く場所がない」「重くてかさばる」という方は電子版をどうぞ。

併売をお薦めします!

タイトルが近しいので気になっていた中公新書の新刊『移民の経済学 雇用、経済成長から治安まで、日本は変わるか』が店頭に並び始めたのでパラパラと眺めてみました。

本書の内容は公式ウェブサイトによると

すでに250万人の「移民」が暮らす日本。2018年末に入管法を改正し、さらなる外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切った。移民が増えると、私たちの生活にどのような影響があるのか。本書は、雇用や賃金、経済成長や物価、貿易、税と社会保障、さらに科学技術、治安・文化に至るまで、主要な論点を網羅。経済学の研究成果をもとに分析することで、感情的な議論を超え、移民がもたらす「損」と「得」を明らかにする。

とあります。好き嫌いといった感情ではなくデータによって移民問題を分析する本のようです。

そしてタイトルが近しいと上に述べたのは『移民の政治経済学』のことです。こちらの内容は

経済効果という観点で言うなら、移民には短期的な効果はない。とりわけ未熟な労働者を受け入れた場合は、福祉制度に深刻な打撃を与えてしまう。加えて、雇用を奪われる労働者から安く移民を雇う企業に莫大な富が移転するという事態も招く。長期の効果もかなり心もとないものだ。それでも高技能から低技能まで、多様な移民を受け入れるのはなぜなのか? 移民を〈労働力〉ではなく〈人間〉としてみること。人文知としての経済学はここから始まる。

といったものです。確かにタイトルが似ているだけでなく、内容にも近いところがあります。

いや、それどころではないのです。『移民の経済学』を店頭で眺めてみましたら、その第一章ではかなりの頻度で『移民の政治経済学』の議論を引いているのです。そこから先は立ち読みもいけませんし、時間的な問題もあって本を書架に戻しましたが、予想するに、この両書は併売するのがよいと思われます。

少なくとも、中公新書を買って読んだ人なら、そこで引かれているジョージ・ボージャスの著作に当然関心を持つでしょうし、その翻訳が既に出ているとわかれば、ちょっと買って読んでみようと思うのは自然な流れだと思います。

新書と単行本なので、書店では置かれている棚がまるで異なると思いますが、これは是非併売をお願いしたいところです。

是非、一緒に並べてくださいませ

一か月のインターバルをおいて『ハルマゲドン 人類と核(下)』がまもなく刊行になります。たぶん、店頭には『ハルマゲドン 人類と核(上)』がまだ並んでいると思われます。

スペースに余裕のない書店では致し方ありませんが、もし面陳ができたり、平積みができるようなスペースがありましたら、上下巻を是非とも写真のように並べていただきたいところです。

このように並べることによって初めて一つの物語が見えてくると思います。どうぞよろしくお願いいたします。