改めてBOOKEXPOの様子を……

大阪で行なわれた「BOOKEXPO 2018」については、先日のダイアリーで既に反省文を書いていますが、旅先のノートPC環境では写真加工などに難があるので、写真を全然掲載できていませんでした。

というわけで、改めて写真を披露します。

まずは右の写真。

開場前、とりあえずの準備が終わったところです。実用書系の版元のように、ベタベタとチラシやポスターなどを貼りまくっても、さほど効果がなかったという過去の実績に鑑み、今回は現在公開中の映画のポスター一択の掲示です。

やはり映画ポスターだけのことはあって、それなりに前を通る書店の方が眺めてくださいました。

そんなブースのデスク上は、あっさりとこんな感じでした。

どうしてこんな展示にしたのかは先日のダイアリーに書きましたので贅言を費やすことはいたしませんが、「なんで『黄泥街』、並べてないの?」とおっしゃる、馴染みの書店員さんが複数いらっしゃいました。

確かに、現在爆発的に売れているのですが、ガイブンです。こういう場で、ごくごく一般的な街の書店さんが大勢来るような会場でどれだけアピールできるでしょう? 『ライ麦』すら知らないかのように見受けられる書店員さんに『黄泥街』はハードルが高すぎるのではないだろうか、という判断はたぶん正解だったと思います。

ところで、今回のブース番号は「11」でした。

数日遅れではありますが、11月1日は本の日でした。

般書コーナーのブース番号11なんて、いかにも本の日にふさわしいブースだったのではないかと、今さらながら思ったりしています。

その成果が出ていたのか否か、天のみぞ知る、というところでしょうか。

関西で開催中

この一週間の関西ツアー。

先月下旬の研修旅行(10/14~10/26)の時のダイアリーでも一部紹介しましたが、この時季に店頭で展開していただいているフェア風景などを更に、少々、ご紹介いたします。

まずは、文庫クセジュのフェアです。

ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店で開催中です。

テーマは芸術の秋らしいものですが、店内の芸術コーナーではなく、文庫・新書コーナーでやっていますので、お間違えのないように。

こうしてみますと、文庫クセジュならではの一冊というのもありますね。他の新書などでもありそうなのに意外とないものだったり、そういうものはやはり売り上げを見ても違います。

続いては、ジュンク堂書店天満橋店です。文芸書コーナーのエンド台でサリンジャー生誕百年のミニコーナーが出来ていました。

  

右のように、アップでも撮ってみました。

キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『ライ麦畑でつかまえて』が互い違い、市松に並んでいてとても素敵です。それにしても、この赤い看板はかなり目立ちますね。

ちなみに、映画が公開されて以降、両書の動きが更によくなって、追加注文も増えています。

そして最後は、立命館生協でのフェアです。

場所を変えて語学書もフェア中ですので、ほぼ全点フェアとなっています。

これだけ並ぶとやはり壮観です。中には高額の書籍も混じっていますが、学生の方の購買も考慮して、手に取りやすい、お求めやすい価格の書籍も選んだつもりです。

この機会に、立命の皆さん、是非どうぞ!

猿よりはもうちょっとマシな反省をしてみたいと思います

本日は大阪でBOOKEXPOでした。

東京では書店大商談会と呼ばれているイベントです。

出版社がブースを出し書店の人がそこを訪れて商談をする、という催しなのですが、そこで注文を取るというのが一定数は出版社側としては最大の眼目です。しかしまあ、そう簡単に注文が取れるのであれば苦労はしません。

ザッと見て、来ている書店の方のうち一定数はあたしの勤務先のことを知らない感じでした。コミックなど中心の書店であればほとんど縁がないですから、働き始めて以来、あたしの勤務先の本をお店で扱ったことがない、なんていうのは不思議でも何でもないでしょう。

そしてまた一定数の方は、知ってはいても自分の働いている店には関係ない、縁がないと判断して通りすぎてしまいます。

上記の2タイプの方がおよそ半数です。いや、半数以上だったかもしれません。

さて、残りの半数くらいの方々が、あたしが鎮座するブースに立ち寄ってくれたわけですが、その中の3分の2くらいはふだんの営業回りでよく知っている方です。それ以外の方が、本当に興味と関心を持ってわがブースに足を止めてくださいました。

ただ、今年は昨年よりは「はじめまして」の方が多かったという印象です。書店の名前こそ知っているものの訪問したことのない書店の方が昨年以上に立ち寄ってくれました。ありがたいことです。

今年のブースは、昨年までのように本をたくさん並べるのはやめて、ライ麦、キャッチャーと来年刊行予定のバウハウスの原書のみをシンプルに並べました。いみじくも来年はサリンジャー生誕百年、バウハウス百年というW百年の年。そんな陳列でした。

上述の書店さんの様子と似ているのですが、そもそもあたしの勤務先を知らない書店の方は「ライ麦」もご存じないような様子でした。「何これ?」という様子で前を素通りです。ご存じの方も「うちじゃ売れないからなあ~」という感じで通りすぎていかれました。

それでもさすがにライ麦です、サリンジャー生誕百年と映画公開の効果もあって、寄ってくださる書店の方、皆さん改めてお店の在庫をチェックして足りなければ発注しますと言って注文書を持ち帰ってくれました。

そしてもう一点、バウハウス。

こちらはあたしの勤務先以上に知名度に差がありました。「バウハウスって何ですか?」という方が過半の中、もうバウハウスという名前を見ただけで熱くなっている方、両極端でした。ただご存じない方でも、本(原書)そのものの魅力もあって、非常に大きな関心を示してくれました。来年の刊行が俄然楽しみなりました。

最後に、あたし一人でしたので書店の方がいらっしゃると、他の方のお相手ができず、あいさつもろくに返せなかった、あるいは来ていただいたことに気づきもしなかった方もいらっしゃると思います。すみませんでした。

映画も始まったことですし、ひとつフェアでも如何ですか?

『ライ麦畑でつかまえて』の舞台脚本を書いたので上演許可をもらいに行こうとサリンジャーを探す旅に出た主人公の物語、映画「ライ麦畑で出会ったら」が公開されています。年明けにはサリンジャー自身の伝記を映画化した「ライ麦畑の反逆児」も公開になりますので、サリンジャーフェアなどいかがでしょうか?

  

まずは新潮文庫の3冊、『ナイン・ストーリーズ』『フラニーとズーイ』『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア 序章』です。

 

ビレッジブックス版『ナイン・ストーリーズ』は柴田元幸さんの新訳です。『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』はサリンジャー作品の翻訳としては現在最新のものです。

  

サリンジャー』は決定版評伝という謳い文句の一冊。ただし、来春公開の映画の原作は『サリンジャー  生涯91年の真実』になります。評伝はどちらも大著なので、もちろん読み比べもお薦めですが、もう少し気楽にサリンジャーの人となりを知りたいという方には『サリンジャーと過ごした日々』がお薦めです。

 

サリンジャー自身の作品ではありませんが、『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』『戦争PTSDとサリンジャー 反戦三部作の謎をとく』などもフェアのラインナップに加えると幅が広がると思います。

  

そして、そして、これを忘れてはいけません。『ライ麦畑でつかまえて』と『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の二冊。前者が野崎訳、後者が村上訳、是非読み比べてみてください。そして今回、しばらく品切れだった『キャッチャー・イン・ザ・ライ』単行本も復活です。

他にも関連書を挙げていけばきりがないですが……

フランスと言ったら……

いきなりピンボケの写真で申し訳ありません。お客様が写り込まないようにと気にしていたらブレてしまいました(汗)。

紀伊國屋書店新宿本店の2階です。

「フランス語翻訳書籍フェア」と題して大々的に展開中です。紀伊國屋書店アンスティチュ・フランセの主催のようです。全国の紀伊國屋書店(とは言っても一部?)でフェア開催中のようです。

新宿本店のTwitterを見ますと、駐日フランス大使を迎えてのセレモニーも店頭で行なわれたようです。

店頭では、上掲のピンボケ写真のようにフランスに関する本がずらりと並んでいますし、右の写真のような小冊子、パンフレットも配布されています。関連するトークイベントも今後行なわれるようですので、フランス好きの方には大注目のフェアだと思います。

で、フランスと言ったらあたしの勤務先だと思って、棚を見回したところ、並んでいなくはないのですが、思ったほどは並んでいませんでした。

うーん、もう「フランスの」といった看板は効力を失っているのでしょうか?

いや、たぶん、今回の選書のテーマに沿った書籍が、あたしの勤務先からは思いのほか刊行されていなかったというだけなのではないでしょうか?

そう思いたいです。

そうでないと、ちょっと悲しいです。

でもね、考えてみますと、フランス語の学習書こそコンスタントに出していますが、フランス文学、それもいまフランスで売れている作家のものとか、フランス史、フランス思想などの本は、このところ思ったほど出していないかも知れません。

うーん、由々しき問題?

なにはともあれ、新宿は各地の紀伊國屋書店にお立ち寄りの際は、フェアもご覧ください。

ちょっとした旅行気分

昨日に引き続き、図書館総合展です。

みなとみらいのパシフィコ横浜、遠いですね。近場の旅行に行ってきたような気分です。これだと幕張メッセも同じような距離なのでしょうか?

閑話休題。

昨日は午後から行なわれたフォーラムを聞きに行ったのですが、本日は朝から人文会のブース当番でした。

今年は入り口から入ってきて正面と言ってもよいような角地。この後ろに梓会など出版社のブースが並んでいるので、出版社に興味を持って見に来てくださった来場者には一番目につきやすい位置だと思います。

正面から見ると右の写真のような感じです。

個人的な反省点としては、自由に持っていって構わない目録と、見ていただくだけの展示図書の区別がつきにくい配置になってしまったところでしょうか。

チラシなども「ご自由にお持ちください」と目立つように掲示すべきだったと、今さらながら思っています。

来年も参加するなら、こういった反省点を活かしたいところです。

展覧会が新刊に合わせたのか、新刊が展覧会に合わせたのか?

朝日新聞の夕刊に、こんな展覧会の広告が載っていました。

東京の富士美術館で行なわれている「ロシア絵画の至宝展」です。

富士美術館は八王子駅からバスに乗って創価大学へ向かう途中にあります。駅からは多少距離がありますが、時々興味深い展開をやっているところです。

若干ズレるのですが、先日の文庫クセジュ『社会主義リアリズム』と重なるところもあるような展覧会です。少なくとも、まるっきり無縁とは言えないのではないでしょうか?

……のすすめ

ジュンク堂書店池袋本店の人文書売り場で、こんなフェアが並んで始まっています。

まずは仏教書総目録刊行会のフェア《私たちは何を信仰してきたのか 宗教を見つめ直す》フェアです。

そしてもう一つは人文会の《人文会50周年記念フェア》です。

どちらも、ご覧のような無料の冊子を配布しています。

『……のすすめ』と似たようなタイトルですが、編集方針はずいぶんと異なります。ただ、どちらもそれぞれの会が丹精こめて編集・製作した力作です。

えっ、こんな立派な冊子、無料でもらってもいいんですか? というほどの出来映えです。

この週末、よろしければ、是非池袋へ足を運んでみてください。

とはいえ、どちらのフェアも池袋以外の書店でもやっている可能性があります。人文会のフェアは京都の丸善、新宿の紀伊國屋書店、博多の丸善でも開催中のはずです。

タイトルや作者名は不要?

今朝の朝日新聞の多摩版に載っていた記事です。府中市立図書館で行なわれる取り組みの紹介です。

読んだ人の感想をいくつかのテーマに分けて、新たな読者に提供するということらしいです。展示される本には新聞紙でカバーがかけられて何の本なのかわからないようになっているそうです。

うーん、この取り組み、どこかで見覚え、聞き覚えてがありますね。

今の時代、「こんな本ですよ」というメッセージさえ伝われば(伝えれば)、本を選ぶ時にタイトルとか作者が誰かなどは気にせずに手に取ってくれるものなのでしょうか?

しかし、これが成立するのもお金を払って買うわけではない図書館だからでしょう。本屋での似たような取り組みも文庫という廉価なものだからこそ成り立っていたと思うのです。

それに出版社からすると、インパクトがありすぎてもダメだし、かといって埋もれてしまっては元も子もないし、奇を衒いすぎても引かれてしまうし、といった試行錯誤を繰り返して付けたタイトルが隠されているというのは忸怩たるものがあります。

同じように、文字の大きさや書体にもいろいろ気を遣って作り上げた装丁・デザインが見えないというのもいかがなものかと思ってしまうところがあります。だって、本にだってジャケ買いってありますよね?

という愚痴はともかく、そういった出版社側の言い分は抜きにして、「こういう本ですよ」というのをわかりやすく伝えるというのは大事なんでしょうね。書店店頭に飾ってあるポップなどがある意味、その典型かも知れません。ただし細かい字でビッシリと書いてあるポップも捨てがたい魅力がありますけど。

話は戻って府中の図書館。

こういった「テーマで分ける」で思い出したのが、ヤングアダルト出版会の「YA朝の読書ブックガイド」です。こちらも「ハマる」「考える」「チャレンジ」といったそのときどきの気分に合わせて本を探せるように編集されています。本を選ぶ時のヒント、手引きに是非どうぞ!

記念写真を撮りますか?

新宿武蔵野館です。

今月下旬には映画「ライ麦畑で出会ったら」がこちらで公開になります。それを前に、こんなオブジェ? パネル? が登場しました。

入り口を入って少し奥へ進んだところにあります。

机とタイプライターが置いてあって、主人公がサリンジャーへ手紙をタイプしている場面を再現しています。

タイプライターから打ち出された便箋には「拝啓 サリンジャー様」と日本語で手紙が書かれていたのは洒落? それともわかりやすさ優先でしょうか?

机は壁にピッタリくっついているので、自分が机に座ってタイプしているようなシーンを再現することはできないようで、ちょっと残念です。

あだ、映画を見た人なら、「ああ、あのシーンね」と楽しく思い出されることは間違いないでしょう。

机の左側にぶら下がっているキャップは、これをかぶって机の脇に立ち、主人公と一緒の記念撮影をしましょう、という企画者側の意図なのでしょうか? それとも別の意味があるのでしょうか?

個人的には、もう少し部屋が再現されているとよかったのにな、と思いますが、さすがにそこまでやるとお金がかかりすぎでしょうね。

そして、帰りがけに気づいたのは、武蔵野館のエレベーターの扉です。

定期的に貼り替えているのでしょうが、現在は「ライ麦」仕様です。

これはなかなか壮観です。

三つあるエレベーターすべてがこれになっていましたけど、いつも三つ同じ作品のポスターを貼っているのでしょうか? あまり映画館に映画を見に来ることがないので、知りませんが……(汗)