自宅で「プロレタリア文化大革命」展?

先年、『文化大革命 〈造反有理〉の現代的地平』を刊行した折に、いくつかの書店で文化大革命の資料(当時のポスター)展示を行ないました。

著者の方が収集した資料をパネルにして書店のフェアコーナーに展示してもらったわけです。もちろんパネルは資料の本物を展示したのではなく、それをコピーしたり写真に撮ったりしたものです。

で、そんな展示フェアが終わって、社内にはその時のパネルがひと山戻ってきました。処分してしまうのももったいないということで、あたし、もらってきたのです。

しばらくはわが家でも書架の肥やし状態でしたが、わが家の壁に展示してみました。

とは言っても、わが家だって広いわけではなく、あたしの部屋の壁はすべて本棚で埋め尽くされています。パネル展示をしたくてもスペースがありません。

そこで、わが家で唯一残っているスペースとして見つけたのが、1階から2階へ向かう階段の壁と階段を上がりきった2階の廊下の壁です。

実は、階段の壁も、乃木坂ちゃんのカレンダーが2種類、それと昔、昔、中国で買った般若心経の掛け軸が飾ってあるので、広々としたスペースがあるわけではないのですが……(汗)

そして自宅に持ち帰ったパネルも縦向きのもの、横向きのものがありまして、それらを巧いことスペースに配置してみたのが、これらの写真です。

写真を撮る角度などの都合上、パネルのすべてを収めているわけではありませんが、持ち帰ったパネルはすべて展示してあります。如何でしょう?

たぶん初めてここへ足を踏み入れたら、あまりの時代錯誤に卒倒してしまうのではないでしょうか? それくらいインパクトのあるパネルたちです。

全く同じものではありませんが、いくつかは他の本などに掲載されていた図版で見覚えのあるものがあります。

とはいえ、これだけ立錐の余地なくと言いますか、足の踏み場もないほど、壁一面(だけじゃない!)に文革関係のポスターが貼られていると壮観です。

いったいこの家の住人はどういう思想の持ち主なんだと疑われてしまいそうな光景です。

断わっておきますが、もちろんあたしは文革を礼讃しているわけではありません。中国現代史の大きな悲劇だと思います。ただ、その一方で、これらのパネルを眺めていると、当時のものすごい量のエネルギーを感じるのも事実です。

この悲劇を実際に体験した人はまだまだ多くが存命です。中国共産党が冷静に文革について再評価し、資料の発掘をするようになるのは何年後でしょうか? 体験した人が生きているうちに聞き取り調査などをするべきだと思いますが、いまの共産党は許さないでしょうね。

フェアもやっています

朝日新聞に、サントリー文化財団の記事が載っていました。今年で40周年なのだそうです。

サントリー学芸賞と言えば、人文系では押しも押されぬ賞ですし、人文科学分野における同財団の貢献は計り知れないものがあると言えるでしょう。

というわけで、神保町にある東京堂書店ではそれを記念したフェアもやっています。

大阪の書店でも同様のフェアが企画されているとのこと。続報をお待ちください。

日本橋でもらった小冊子

丸善日本橋店で「BOOKCON」というイベントが開催中です。

かくいうあたしの勤務先もブースを出していて、それが今日でした。昨年も出ていましたが、今年も参加しておりまして、展示はめいっぱいサリンジャー推しになっています。

お隣が青土社ブース。そこで右のような小冊子が配布されていました。『ユリイカ』と『現代思想』の毎号の特集一覧です。

「こんなの出版社なんだから作るの簡単なんじゃない?」と思われるかも知れませんが、バックナンバーのデータって、最近でこそパソコンで管理していますが、それ以前は意外とちゃんとは残っていなかったりするものです。そもそも本誌が残っていない号も多々あると思いますので。

こちらの小冊子も作成にかなり苦労されたようです。配布しているのは、BOOKCONの会場限定だそうです。どのくらいの方が手に入れることができたのでしょうか?
限定で配布していた冊子と言いますと、先日のチョ・ナムジュさんの来日トークイベントの会場で配布されていたのが左の写真。ごくごく簡単な邦訳作品紹介となっています。

こういう冊子たち、ちゃんとした印刷所で作っているかなり豪華なものもあれば、いかにも手作り感にあふれたものもあり、それぞれのよさがあります。大きさやページ数もさまざまですし、折ってあるだけのもの、冊子になっているもの、形状もいろいろあります。

フェアとかやっていると、やはりあたしなどはこういった冊子やパンフレットをもらってきてしまうタイプです。特にフェアなどの書目が載っているものですと、その場では買わなくても、後になってリストを見返して買ってみたりすることもできるのでありがたいものです。

読者が作り上げる作品?

昨晩は新宿の紀伊國屋ホールで『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュさんの来日記念トークイベントでした。対談相手は川上未映子さん、すんみさん、そして司会進行が翻訳家の齋藤真理子さん。

なんと豪華な布陣でしょう!

会場はもちろん満員、8割方は女性、それも若い方ばかりでしたが、予想以上に男性も多いな、という印象でした。そしてあたしはスタッフとして会場整理などのため会場に行っておりました。

トークイベント前に1時間半ほどのマスコミ記者会見があり、数十社が駆けつけていましたので、今後メディアに昨日の模様が随時紹介されることになると思います。

そして今朝からTwitterを見てみますと、参加された方が昨日のイベントの感想をつぶやいています。昨日のトークイベントは質疑応答がなかったので、会場で集めたアンケートには、ものすごい熱量で用紙いっぱいに書き込んでいる方がほとんどでした。この思いをなんとかチョ・ナムジュさんにも届けたいとスタッフ側の一人として思った次第です。

トークの内容については、スタッフ側だったので会場内にいたわけではなかったのですが、ホールなどでは会場内の音声が流れていたのである程度は聞くことが出来ました。個人的には、『キム・ジヨン』は結局そこから読者に考えてもらう作品であるという発言が印象に残りました。

確かに、この作品は主人公が問題を抱えたまま作品が終了しています。尻切れトンボという言い方もできるかも知れません。でも、そういうところが文学の醍醐味であって、そこから先は読んだ人それぞれが自分なりのキム・ジヨンをイメージするのが正しいと断言はできませんが、楽しみ方の一つであるとは言えると思います。

そして、トークイベントの後半は会場で先行販売を行なった新刊『ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集』について。七つの短篇の巻頭であり、表題作の「ヒョンナムオッパへ」がチョ・ナムジュさんの作品。

この「オッパ」という言葉を巡って、すんみさん、齋藤さんも巻き込んで大いに話が盛り上がりました。「オッパ」という日本語には訳せない関係性という視点も非常に興味深かったです。

会場では、既に『キム・ジヨン』は読み込んでいるお客様が多かったようで、トークイベントのもう一つの主役となった『ヒョンナムオッパへ』を早速買って読もう、読みたいという方々で書籍販売の前には長い列ができていました。その『ヒョンナムオッパへ』は本日が配本日。今週後半には店頭に並び始めると思います(紀伊國屋書店新宿本店では既に先行販売中です)ので、是非どうぞ。

クリント・イーストウッド?

昨日の「よんとも」はメモ帳を持参しなかったので、小橋さん、トヨザキ社長の軽妙なやりとり、ただ必死に聞くだけで何もメモを残せませんでした。返す返すもそれが残念です。

それはともかく、いくつか印象に残ったことと感想などを……

小橋さんが大好きな作家はエリザベス・ストラウトだそうで、昨日は短篇という縛りがあったので『何があってもおかしくない』を挙げていましたが、トークの中では姉妹篇と言ってよい『私の名前はルーシー・バートン』も是非読んでみてくださいと勧めていました。

またトレヴァーも挙げたのは『異国の出来事』でしたが、国書刊行会の《ウィリアム・トレヴァー・コレクション》はどれもお勧めとのこと。やはり好きな作家になると短篇長篇を問わず読みたくなるものなのですね。

そして欧米外にも優れた作家はたくさんいるという例としても挙がっていたのが『観光』のラッタウット・ラープチャルーンサップです。この中に主人公の「僕」が飼っている(父にプレゼントされた)ブタが出てくるのですが、そのブタの名前がクリント・イーストウッドです。そんなところでも人盛り上がりしたのですが、何の因果か、あたしの昨日のブラウスがブタ模様。イベント後にトヨザキ社長から開口一番「クリント・イーストウッドだ」と言われました。まさか、そんな話の展開になるとは思いも寄らず、不甲斐ない話ですが『観光』も未読なので単なる偶然でしかありません。狙ってチョイスしたのでしたらカッコよかったのでしょうが……

さて、既にTwitterなどでは小橋さんファンの方と見られる昨日の参加者の方の書き込みが賑わっていますが、いつもの「よんとも」に比べると会場の雰囲気がずいぶんと異なりました。いつもの「よんとも」はトヨザキ社長のファンやガイブン好きが集まるので、紹介された本も既に読んでいる人が多い印象でした。しかし、昨日は小橋さんのファンの方が多かったせいでしょうか、それほど海外文学に親しんでいない方が熱心に話を聞いている姿が印象的でした。

海外文学にこれまで触れてこなかった人に海外文学の面白さを広めたい、そういう「よんとも」の趣旨からすると昨日のイベントはまさに理想的な場になっていたのではないでしょうか。もちろん本好きな小橋さんのファンの方ですから、本に対する興味・関心はそれなりにあったようですので、あとはいかに海外文学へと導くか、その呼び水さえあればなだれ込むような方々ばっかりだったと思われます。

イベント後は、多くの方が紹介された本をレジに持って行っていましたし、複数冊購入されている方も多かったです。ガイブンの布教活動、大成功だったのではないでしょうか? あとは舞台でもドラマで映画でも構いませんから、小橋さんお気に入りの作品を是非小橋さんに演じていただきたいと期待しています。小橋さんが演じるのではなく、脚本や演出でも構いませんので、是非ともお願いします。

ガイブンが苦手な人でも短篇なら!

トヨザキ社長のライフワーク「読んでいいとも!ガイブンの輪」が本日午後、下北沢の本屋B&Bで行なわれました。今回のゲストは、女優・小橋めぐみさん、本当に海外文学がお好きなんだなあというのがよくわかる、あっという間の2時間でした。

今回は短篇特集でしたので、ひとまず小橋さん、トヨザキ社長お二人が挙げられた書目を以下にご紹介。

まずは小橋さんの推薦書籍を。内容紹介は各所の公式サイトから引用しました。

異国の出来事

ウィリアム・トレヴァー著/栩木伸明訳。国書刊行会。

南仏の高級別荘地、自由奔放な妻はおとなしい従順な夫を召し使いのようにあしらっている。しかし……夫婦の中に潜む深い闇を描く「ミセス・ヴァンシッタートの好色なまなざし」、一人の青年を愛した二人の少女が三十年後にシエナの大聖堂で再会する「娘ふたり」他、父と娘のきまずい旅、転地療養にきた少年とその母と愛人、新天地への家出、ホームステイ先での淡い恋、など様々な旅をめぐって静かな筆致で精密に綴られる、普通の人々の〈運命〉と〈秘密〉の物語。日本オリジナル編集による傑作選、全12篇収録。

小説のように

アリス・マンロー著/小竹由美子訳。新潮クレスト・ブックス。

子連れの若い女に夫を奪われた過去をもつ音楽教師。新しい伴侶とともに恵まれた暮らしを送る彼女の前に、自分の過去を窺わせる小説が現れる(表題作「小説のように」)。ほか、ロシア史上初の女性数学者をモデルにした意欲作「あまりに幸せ」など、人生の苦さ、切なさを鮮やかに描いて、長篇を凌ぐ読後感をもたらす珠玉の十篇。

何があってもおかしくない

エリザベス・ストラウト著/小川高義訳。早川書房。

生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録。卓越した短篇集に与えられるストーリー賞を受賞した、ピュリッツァー賞作家ストラウトの最新作!

観光

ラッタウット・ラープチャルーンサップ著/古屋美登里訳。早川epi文庫。

美しい海辺のリゾートへ旅行に出かけた失明間近の母とその息子。遠方の大学への入学を控えた息子の心には、さまざまな思いが去来する――
なにげない心の交流が胸を打つ表題作をはじめ、11歳の少年がいかがわしい酒場で大人の世界を垣間見る「カフェ・ラブリーで」、闘鶏に負けつづける父を見つめる娘を描く「闘鶏師」など全7篇を収録。人生の切ない断片を温かいまなざしでつづる、タイ系アメリカ人作家による傑作短篇集。紀伊國屋書店で開催された〈ワールド文学カップ〉でMVPを獲得した話題作、ついに文庫化。

続いてはトヨザキ社長の推薦書籍。

わたしたちが火の中で失くしたもの

マリアーナ・エンリケス著/安藤哲行訳。河出書房新社。

秘密の廃屋をめぐる少年少女の物語「アデーラの家」のほか、人間の無意識を見事にえぐり出す悪夢のような12の短篇集。世界20カ国以上で翻訳されている「ホラーのプリンセス」本邦初訳。

西欧の東

ミロスラフ・ペンコフ著/藤井光訳。白水社エクス・リブリス。

過去と現在、故郷と異国の距離、土地と血の持つ意味……〈BBC国際短篇小説賞〉および〈O・ヘンリー賞〉受賞作を含む、ブルガリア出身の新鋭による鮮烈なデビュー短篇集。

誰でもない

ファン・ジョンウン著/斎藤真理子訳。晶文社韓国文学のオクリモノ。

デビュー以来、作品を発表するごとに注目を集め、「現在、最も期待される作家」として挙げられることが多いファン・ジョンウンが、2016年末に発表した最新の短編集。恋人をなくした老婦人や非正規労働で未来に希望を見出だせない若者など、“今”をかろうじて生きる人々の切なく、まがまがしいまでの日常を、圧倒的な筆致で描いた8つの物語。
韓国の若い作家を紹介するシリーズ〈韓国文学のオクリモノ〉第4回配本。

後れているとかいないとかの問題ではありませんが……

来週には『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュさんが来日し、新宿の紀伊國屋ホールで特別対談が行なわれます。そのタイミングで、あたしの勤務先からも『ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集』を刊行します。短篇集で、チョ・ナムジュさんも執筆者の一人です。

こんな感じで、韓国の女性作家の作品がちょとしたブームになっていて、先日の関西ツアーの時も、このようなフェミニズム系の作品を集めてフェでもやりたいね、という話を書店の方としておりました。韓国の女性作家という縛りでやるか、フェミニズムという括りにして広く作品を集めるか、そんな話題で盛り上がりました。

ただ、落ち着くところとしては、最近やはり刊行が盛んな台湾の作品なども加えたいとなり、またフェミニズムとかLGBTQを表に出すと拒否反応を示す読者もいるかも知れないから、ぼんやりと「いま読みたい、アジア作家フェア」といった看板のフェアがよいのではないかと、なんて話していました。実際のところは、韓国、台湾、日本の作品で、差別なども含めた女性問題、LGBTQなどを扱った作品を集めてみたら、ということになりました。

しかし、韓国や台湾はそういった作品も出て来ていますが、日本の作家の作品でこういったテーマで並べられそうなものってありますでしょうか? 書店の方と話ながら、ハタと困ってしまいました。パッと思いつくものがないのです。

もちろん、あたしは文芸作品をそれほど読んでいる方ではないので知らなくても当たり前なのですが、書店の方もサッと思いつくものがないなあと悩んでいる様子。もしかして、日本ではこういったテーマで作品を発表するのがまだまだ憚られる社会なのでしょうか? そんな気までしてしまいます。

考えてみますと、韓国と台湾は、評価はともあれ、ともに国のトップに女性を戴く(戴いた)わけで、この点だけを取り上げて比較するのもなんですが、日本はずいぶんと見劣りがします。

ちなみに、大陸中国は共産国家になってからは女性の社会進出が進み、男女共働きは当たり前、実際には差別はあるようですが、表面的には女性の幹部も目につきますし、同じアジアとはいえ、ちょっと異なるようですね。

大阪とは異なる?

本日は書店大商談会でした。

あいにくの雨模様でしたが、昨年同様、東京ドームシティの会場で行なわれました。例年、秋に行なわれていましたが、今年は年をまたいで2月の開催となりました。

そして、あたしの勤務先のブースは左の写真のような感じです。生誕百年で売り上げ絶好調な『ライ麦』『キャッチャー』とメインに、今月の「100分de名著」のテキストである『大衆の反逆』、そして読売文学賞を受賞した『評伝 鶴屋南北』という展示です。

昨秋の大阪の商談会、BOOK EXPOと比べて、来場者数は少し多いような気がしましたが、実際のところはどうなのでしょう? また自社ブースの成果と言えば、これは大阪と似たり寄ったりでした。専門書系の出版社は、この手のイベントには弱いですね。

そんなあたしの本日のいでたちは右の写真のような感じでした。はい、大阪会場でもないのにヒョウ柄です。ブラウスもネクタイもヒョウ柄で揃えてみましたが、これは別にセットで売っていた者ではなく、ブラウスはブラウス、ネクタイはネクタイで、それぞれ別なところで買ったものです。

別にヒョウに関する本を出すつもりもなければ、そんな予定もありません。単なる今日の気分で選んだまでです。こういういでたちが、果たして来場してくれた書店の方にどういう印象を与えるのか、ついぞ考えたことなどないのですが……

最初の写真の片隅に写っているのが見えると思いますが、ブースではタブレットで映像を流しておりました。なんのことはない、映画「ライ麦畑で出会ったら」と「ライ麦畑の反逆児」の予告編を繰り返し、エンドレスで流していただけです。「反逆児」の方は既に公開されていますが、地方によってはこれからというところもあるようです。なかなかよい映画なので、是非どうぞ。

さて、商談会の後、一度勤務先に戻ってから再び書店営業へ出ました。

立ち寄った一件、ブックファースト新宿店で右の写真のようなフェアをやっていました。

小野正嗣さんのラジオ「歓待する文学」をフィーチャーしたフェアです。小野さんと言えば、あたしの勤務先でもお世話になっている著訳者の一人で、うちの本も並べていただいております。

楽しそうなことやっているなぁ

関西ツアーから帰京しました。ちょっと寒かったですが、今回の楽しいツアーでした。そして、ツアー中に目についた店頭の様子をご紹介します。

まずはジュンク堂書店大阪本店の人文書コーナーです。「人文書売り場の絵本市」と題して、人文書コーナーなのに絵本が並んでいました。会期末も間近ということで、かなりアイテムが減っていましたが、当初ももっと並んでいたそうです。

こういう試みは、人文書の敷居を低くする、間口を広げる効果が期待できると思いますし、やはり見ていて愉しいです。
続いては、丸善&ジュンク堂書店梅田店、一階のエスカレータ脇のコーナーで開催中のフェアです。

「U35の文豪たち」とあります。

文豪たちが、その代表作を書いた時の年齢に注目したフェアです。こういう視点は、これまでありそうでなかったものではないでしょうか? 少なくともあたしは知りませんでした。

そんなフェアは、年齢で区切って本が展示されています。いくつかパネルの写真を撮らしていただきましたのでご紹介します。

まずは最年少ゾーン、22歳から24歳ブロックです。うーん、こういう作家たちがこの作品を発表したのはこんなに若い時だったのか、という新鮮な驚きがあります。もちろん、若くしてなくなっている作家も多いので、そうなると必然的に作品が発表されるのも、死後に遺稿が見つかったというのでもない限り、若い時になるわけですよね。

その次はのブロック、25歳・26歳のパネルと27歳のパネルです。

よく見ると、日本の作家だけでなく、海外の作家の名前も散見します。時々日本でも、芥川賞最年少受賞といったことが話題になりますが、ここに登場する作家たちが作品を発表した時、世間ではどんな風に取り上げられたのでしょう?

そして、もし20代で代表作を書いてしまったら、その後の人生はどんな風になってしまったのでしょうね?

ちなみに、フェア台では気づかなかったのですが、J.D.サリンジャーが『ライ麦畑でつかまえて』を発表したのは31歳の時ですから、このフェアに並んでいてもおかしくないのですが、並んでいたのか否か、思い出せません。

そんな丸善&ジュンク堂書店梅田店の一階、話題書コーナーに並んでいるのを見つけました。

『大衆の反逆』です。今月のNHK、「100分de名著」です。Uブックスとちくま学芸文庫の他に、邦訳は中公クラシックスからも出ていますが、それだけまだ並んでいませんでした。