店頭でフェアをやっていて、そこに置いてあったのでいただきました。
亜紀書房の創業50周年フェアです。こういう書き方をすると、上から目線と言われそうですが、亜紀書房っていい本出していますよね。最近ではノンフィクションが軒並み話題になりヒットしている感じがします。よい本を出すと、よい企画も回ってくるのでしょうね。
そんな創業50周年のフェアで配布されていた記念誌。開いたページが目次で、内容(ラインナップ)は上掲の通りです。錚々たる面々が寄稿していますね。さすが、亜紀書房です。
出版業界に関する話題
店頭でフェアをやっていて、そこに置いてあったのでいただきました。
亜紀書房の創業50周年フェアです。こういう書き方をすると、上から目線と言われそうですが、亜紀書房っていい本出していますよね。最近ではノンフィクションが軒並み話題になりヒットしている感じがします。よい本を出すと、よい企画も回ってくるのでしょうね。
そんな創業50周年のフェアで配布されていた記念誌。開いたページが目次で、内容(ラインナップ)は上掲の通りです。錚々たる面々が寄稿していますね。さすが、亜紀書房です。
タイトルだけ見ると、なにやらエッチなことを書くのではないかと思われそうですが、そう思われても仕方ないほど、日本では、と言いますか、日本語では「アダルト」や「成人」に猥褻な意味が必要以上に含まれてしまっている気がします。それを如実に感じたのは、あたしがヤングアダルト出版会に参加していたころで、各地の公共図書館や学校図書館の方と研修会を開こうと思って連絡を取ると「アダルト」という言葉に過剰反応され、「そういういかがわしいことはできません」と断わられることがしばしばありました。
もちろん図書館の現場では「ヤングアダルト」コーナーはそれなりの存在感を持っていて、「ヤングアダルト」ですぐに話が通じ、トントン拍子に話がまとまることも多々ありましたが、時に上述のように妙な目で見られることがあったのも事実です。
図書館の方ならまだよいのです。実際に図書館の会議室で研修をやるとして、図書館の入り口などに「ヤングアダルト出版会合同研修会」的な看板が出ていたりすると、それを見た来館者が「なんかエッチな催しがあるみたい……」と勘違いされたことも多々あったのではないかと思います。
そんな経験から、この数年、ヤングアダルト出版会は頭文字である「YA」を前面に押し出すようになりました。少しでも見た目の印象が和らげば、という配慮からですが、裏を返せば、これだけ盛んに活動しても、世間一般に「ヤングアダルト」という言葉を定着させられなかった非力さも痛感します。ちなみに、書店では図書館とは異なり、ほぼ「ヤングアダルト」コーナーなどはないですし、専門の棚もありません。
正直なところ、この世代はラノベや学参を除けば、ほとんど本など買わないので、そんな顧客のために限られた棚やスペースを割くのは儲けにならない、という判断なのでしょう。それは重々承知していますが、欧米の書店や日本でも洋書店に行くと「Young Adult」コーナーはしっかりあるもので、この彼我の差は何に由来するのか、個人的にも気になります。
ただ、洋書の場合、たいていは「Young Adult Novels」とあって、ほぼ小説に限られるのですが、ヤングアダルト出版会など日本の現場では、図鑑のようなものをはじめとしたノンフィクションも混じっていて、書店サイドからすると雑然とした棚になってしまうという問題もあるようです。
それにしても、ヤングアダルト、つまりはティーンエージャーですが、彼らが本を読んでくれないと大人になっても本を読むという習慣ができないので、将来的な読書が育たないという由々しき問題があるのですけどね……。朝の読書が小学校や中学校では盛んですが、中学校以降になると部活と塾通いで本を読む時間や習慣がなくなってしまうらしいです。いまの子どもは忙しすぎるのでしょうか?
という長い長い前振りはこのくらいにして、今朝の朝日新聞の一面で初めて知ったのですが、「AYA世代」という言葉があるのですね。「Adolescent and Young Adult」という言葉の頭文字だそうで、その意味は「思春期と若年成人」ということらしいです。年齢で言うと「15歳から29歳」だそうです。
いわゆるYAとは重なりつつもちょっと上の世代になりますね。でも、YA向けに出した青春小説のようなもの、読者、購買層は意外にも中高生より大学生や社会人が多かったりします。特に泣ける巻同型のストーリーですと女子大生やOLがメインの読者だったりするものです。少し大人になって若かったころの自分や青春時代を懐かしく振り返るのでしょうか?
となると、ヤングアダルト出版会(=YA出版会)も「AYA出版会」と名乗るくらいの発想の転換が必要なのかも知れないなあと感じます。書店店頭でも「AYA」であればコーナーを作れるのではないか、とも思います。どうでしょう?
そういえば、何年か前に、こんな映画がありましたね。30代の男女が高校時代を懐かしんで、的なストーリーだったでしょうか? やはり少し上の世代を巻き込むのがYAのポイントなのかも知れませんね。
こんな貼り紙がありました。
代々木上原にある幸福書房の店頭です。2月いっぱいで閉店だそうです。林真理子さんでお馴染みの書店でしたよね。小さな書店ではありましたが、岩波書店やみすず書房といった出版社の本も並んでいて、あたしの勤務先の本もちょこっとは置いていただいていました。閉店はとても残念です。
で、幸福書房のご主人が本を出されるそうです。「〆切本」で知られる左右社からだそうです。
刊行はもうすぐだそうで、チラシをいただきました。
タイトルは『幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!』、昨今、セレクト型の本屋が雑誌などで取り上げられたり業界の話題になったりもしますが、個人的には幸福書房のような、ごくごく普通の街の本屋の話がもっと聞きたいところです。
それにしても残念なことです。
前のダイアリーに書きましたが、昨夕は梓会の出版文化賞授賞式でした。時季的に新年会を兼ねた懇親会も行なわれますが、大勢の関係者が参加していました。
で、そんな会場を見ていると、失礼ながら、頭髪の薄い方がかなり多いのに驚きました。「こんなに多かったのか!」とちょっと驚きです。
前から見るとそうでもないのに、椅子に座っている状態を見ると、頭頂部が薄い方、ほとんどの髪のない方、かなり大勢いました。大勢どころか過半と言っても差し支えないほどでした。
出版不況で神経をすり減らし、そんな気苦労が髪の状態に表われているのでしょうか?
ちなみにあたしはふさふさです。多くて太くて硬い、極めて厄介な頭髪です。行きつけの美容院の方曰く、いまから薄くなり始めても、死ぬころにようやく人並みの髪の量になるかどうか、なんだそうです。
今朝の朝日新聞に載っていた記事。
この数年、いや、十数年、出版業界を巡る暗い話は飽きるほど出ましたが、多くは出版社や書店のレポートのような記事ばかり、この記事のように流通の現場、それも取次会社ではなく輸送を担っている会社の状況というのは、意外と知られてこなかったのではないか、と思います。
もちろん、出版に限らず、ネット販売隆盛の昨今、そのしわ寄せが運送業者に集中し、ヤマトの値上げとか、この業界に関してもいろいろとニュースは絶えません。出版の場合は、記事にもあるように、コンビニがネックになってしまっているのですね。
ただ、お弁当とか惣菜とか、コンビニ独自の配送網ってあると思うので、そこに雑誌や書籍を載せることはできないのでしょうか? ハードルが高そうですが、そうでもしないと、コンビニで書籍や雑誌を扱うのは不可能になりそうな気がします。
でも、セブンイレブンなどが好例でしたが、コンビニも街の本屋さんとして気を吐いていたと思うので、街の本屋が減っていく中、コンビニでの書籍取り扱いは継続して欲しいところです。
そもそもに本の出版流通って、雑誌の配送を中心に発達し、そこに書籍も一緒に運ぶようになったそうですね。でも、海外などでは、雑誌は本屋では扱わないところも多いようで、日本独自の進化、ガラパゴス化なのでしょうか?
改めて今朝の朝日新聞に載りました。
例の文春文庫と図書館の件です。
正直なところ、この十年くらいでしょうか、電車の中で、図書館で借りた文庫や新書を読む人が増えたなあと感じます。それまでも単行本は、図書館のラベルが貼ってある本を読んでいる人がしばしば見かけたものですが、文庫や新書はほとんど見かけることはありませんでした。それが、この十年くらいは文庫や新書でも図書館のラベルが貼ってある本を読んでいる人が確実に増えたと感じます。
しかし、それ以上に、電車内で本を読む人が減ったと思います。かつては、ジャンプなどの発売日には電車の中で読んでいる人がたくさんいて、そんな光景から「今日はジャンプの発売日か」とか、「○○が発売だから今日は○曜日か」と思ったりしたものです。そんな光景も今は昔。
さて、この文藝春秋社長の提起。
あたし個人としては、やや値段の高い単行本は仕方ないとしても、文庫や新書くらいは買いましょう、買ってよ、と思います。もちろん本に接する機会が増え、その結果「やはり欲しくなったから、手元に置いておきたくなったから買おう」と思う人が増える、という理屈もわかります。逆に、文庫・新書を図書館で扱わなくなったら、買う人が増えるよりも、読みも買いもしない人が増えるだけという理屈も理解できます。どちらも例外的な人もいるでしょうが、昨今の不景気では、借りてでも本に接してくれる人が増えるのはよいことだと思いますが、肝心の図書館の利用率や貸出率がこの十年くらいでどれくらい上がっているのか……
一つの方法として、文庫や新書は館外貸し出し禁止にするというのはアリだと思います。館内でパラッと見てもらって、気に入ったら買ってもらう、ということです。そういう意味で、図書館と書店を併設するツタヤのやり方は巧いのかも知れません。
いま、「パラッと見てもらって」と書きましたが、単行本でも1時間や2時間もあれば読み終わってしまいそうなものもあれば、文庫や新書でも文字がぎっしり詰まっていて、読むのにも理解するのにも時間のかかるものがありますので、実は、単純に形状だけで分けてよいものか、とも思います。
記事ではキングコングの西野がコメントしていますが、彼のような知名度があり、それなりにアピールできるし、マスコミも取り上げてくれる人と、ほとんど知られていない作家(たぶん、大部分の作家はそうでしょう)を同じ土俵で論じるのはどうかとも思います。そもそも本屋でたくさん売れていれば、図書館での貸し出しが多くても、出版者は痛くも痒くもない、気にならなかったのでしょうが……
もとSKE48の松井玲奈のブログより。
ここ数日本を求めて本屋さんを何件か回っているんだけど、東京の街の本屋さんは大人向けの本がどっさり。
児童文学の中のいくつかが欲しい私にとっては、その蔵書ラインナップに少し、ほんの少しだけ不満を感じています。
子供の頃にずっと行っていた地元の本屋さん。それはまあ大型書店なんですけど、そこの児童文学の充実具合と言ったら、子供の私が離れたくないほどでした。
懐かしいブルーや暖かい橙色の背表紙。それが東京ではほとんど見かけないです。
きっと超大型書店に行けばたくさんあるんだと思うけれど、普通の本屋さんでは物足りないのですよ。
むむむ。悩ましい。5件ほどまわって、私のお目当ての本は1冊しか手に入らなかった。残念。
あたし、松井玲奈って割と好きなんですよ。あの華奢な感じがタイプなんだと思います……
さてさて、このブログ、東京の書店の方はどう思うのでしょう? 「だったら、うちへおいでよ!」と名乗りを上げそうな書店さんがいくつもあると思いますが、そもそも松井玲奈がどんな本を求めているのか? 児童文学って、いわゆるYAなんでしょうか? 絵本などの子供向けのものではないのですよね?
ずーっと考えているのですが、とは言っても、そればかりを考えているわけではありませんが、あたしの宿題的な問題意識なんですが、中学生、高校生にもっと本を読んでもらうにはどうしたらよいか、ということ。端的に言ってしまえば、書店にもっとYAコーナーを充実してもらうにはどうしたらよいかということ、です。
絵本などのコーナーは、それこそ福音館やポプラ社、岩波書店や講談社など、その一角だけ絨毯が敷いてあったりして、書店でも独特の立ち位置を占めています。が、そういった本を卒業した中高生向けの本って、どこを探せばよいのでしょう?
中高生向けってはっきりわかるのは学参だけですよね? あとは少し前に流行っていたケータイ小説でしょうか? ラノベも読者層は中高生が中心になるのでしょうか? もっと大人な気もしますが。
本が好きな子は、フツーに文芸書売り場、海外文学コーナーなどへ行って読みたい本を探せるし探していると思うのですが、そうではない子に「このあたりの本がオススメですよ」とコーナーを作っている本屋って、どのくらいあるのでしょうか?
いえ、松井玲奈が探しているのがYAと決まったわけではないのですが、あたしなりに忖度しただけの話ですが。