録りだめてあった映画を鑑賞。まずは「戦慄迷宮」です。
監督は清水崇で、出演者も柳楽優弥、蓮佛美沙子、勝地涼、前田愛といった、そこそこ知られているメンバー。しかし、怖かったかと聞かれたら、「まあ、怖がりな中高生なら震えるかな?」といった程度。子供のころ、幼なじみであった主人公たち5人は、母親と遊びに来た富士急ハイランドのお化け屋敷にこっそりと忍び込みます。案の定怖くなってお化け屋敷の中を走り回っているうちに、一人が階段から落ちてしまい瀕死の重傷を負います。しかし主人公たちは怖くなり、その子を助けずに逃げてしまいます。そのまま一人見つからずに時代は10年後の現在へ。大人になった主人公たちが再び再会すると、お化け屋敷でいなくなったはずの子が現われ云々。
主人公は再び十年前のお化け屋敷に連れ込まれることになり、現在と10年前とが交差するようにストーリーが進みます。そして、幼なじみが一人死に、二人死に。主人公の柳楽優弥は警察で取り調べを受けているのですが、ただ一人生き残ったという設定。ただし、これは完全に彼の妄想で、警察官には柳楽優弥が友人たちを殺した、と思われています。
恐らく、そうなのでしょうね。彼はこの十年間、お化け屋敷に置き去りにしてしまった子のことをトラウマとして抱えていて、精神的に情緒の安定性を欠いていたようなところがあります。恐らく、久しぶりに故郷に戻ってきて幼なじみに再会し、何かがプツンと行ってしまったのではないでしょうか? ちなみに、主人公も含め友人たちは幼なじみの一人を置き去りにしてしまったと信じていたようですが、警察はきちんと調べていて、子供たちを保護した後(←遊園地で子供たちがいなくなったので母親たちが捜索願を出していたのでしょう)、ちゃんとお化け屋敷の中も調べ、ケガをして瀕死の重傷を負った少女も救出しています。ただし、意識不明で10年後も目を覚まさずに入院しているというのが真相。あまりにもショッキングな事実なので親は子供たちにこの事実を隠していたようです(←じゃあ、神隠しにでもあったと言い含めていたのでしょうか)。
いずれにせよ、時代が過去と現在を行ったり来たりしすぎて、主人公の心理サスペンス的には面白いと思いますが、ホラーとしてはまるで怖くなかったです。次は「呪い襲い殺す」です。
タイトルがすごくベタですが、簡単に言ってしまうと「コックリさん」を題材とした洋画です。いかにもこの手のアメリカ映画にありがちな、男女数名のホラーです。
コックリさんをやった後、なぜか自殺をしてしまった親友。その死の真相を突き止めようと、友人やボーイフレンドたちがコックリさんをやって親友の霊を呼ぼうとしますが、親友を死に追いやった悪霊が彼らに取り憑いてしまうという話。
その亡くなった親友の家にかつて住んでいた女性は霊媒師で、娘を依り代のように使っていたのですが、娘に悪霊が取り憑いてしまったため娘を殺し、屋敷の地下室に隠したわけです。が、妹を殺された姉がその母を殺し、いまは精神病院に入院させられているという、40年か50年ほど前の話が伏線としてあります。
妹を助けて母親の霊を倒せば呪いは収まると、精神病院に入院している姉から聞いた主人公たちは、地下室の遺体を見つけて封印を解き、母親の霊を倒したのですが、呪いは収まりません。なんと悪霊と化していたのは母親ではなく妹の方。母親は霊媒師として娘を閉じ込めていたというわけです。悪霊と化した妹が姉を使って主人公たちを焚きつけ、自分の封印を解かせたという次第。
結局、妹の遺体とコックリさんをやるための盤を燃やして一件落着のはず、という余韻を残したエンディングです。主人公には反抗的な妹がいて、悪霊と化したかつての姉妹とシンクロするような気もするのですが、そういった趣向がまるでなかったのはもったいないところです。
そういえば、あたしが小学生のころ、コックリさんがクラスでも大流行していました。特に呪われたとか、おかしな現象が周囲で起こったという話は聞いていませんが……