久しぶりにB級ホラー

録りだめておいたホラー映画を鑑賞。

まずはこちら。

溺殺魔 セバスチャン・ドナー」です。溺殺魔って造語? まあ、言わんとすることは理解できますが……

水を介して襲ってくる殺人鬼なんで、夢を媒介としたエルム街のフレディ的な存在です。で、この殺人鬼、そもそもは実在していた人間だった者が悪霊化したのか、そのあたりはよくわかりません。かつて一度は倒されたようですが、ある女性を妊娠させ、そこからまた赤ん坊として復活したようです。本作では結局きっちり倒すことができなかったのか、あるいは主人公自身が新たな溺殺魔になってしまったのか、ちょっとわかりにくい結末でした。

竣工は溺殺魔の娘のようですから二代目になる素質は十二分にありますが、だったらなぜ娘が襲われたのか? あるいは溺殺魔としての秘めたる血を覚醒させるためのイニシエーションだったのでしょうか?

いずれにせよ、映像としてはそれほど怖くはないですし、ジャパニーズ・ホラー的なジワジワくる恐怖もありません。むしろ溺殺魔は悪霊でも何でもなく、実在の変質者として描いた方が恐怖感が増したかも、という気もします。このあたりがB級のB級たる所以でしょうか?

続いては「バイバイマン」です。

こちらは妄想なのか実在なのかのわからなさをうまく使ったホラーになっていますが、結末がちょっとなあ、という感じ。

一番最初に殺されそうな人物が結局最後まで辛うじて生き残り、続編へ続かせるようなエンディングです。ただし、この程度のB級ホラーでは続編はないでしょう(爆)。それに作られたとしたら、真っ先にこの人がやられると思います。

ストーリーとしては、先の「溺殺魔」もそうなのですが、襲ってくるバイバイマンがつまり何者なのか、どうして出現するようになったのかがよくわかりません。溺殺魔の方は多少の過去譚が語られましたが、本作の場合はかつての惨劇とそれを追っていた記者の悲劇が語られるくらいで、そこでもいきなりバイバイマンが現われていた感じです。

しかし、本作も取り憑かれた人たちの恐怖心を利用して襲ってくるという点では「溺殺魔」と同系統と言えるでしょうし、フレディの亜流と呼べる作品なのだと思います。で、肝心なホラーとしての怖さは、こちらもほとんどありませんでした。主人公の兄とその娘が巻き込まれなかったのが(たぶん続編が作られたとしても)せめてもの救いであり、ホラーとしての詰めの甘さかも。

華流ドラマが熱いのよ

わが家はスカパー!の契約しているので、毎月ガイド誌が届くのですが、そこにこんな記事が!

衛星劇場で「琅琊榜<弐>」の放送があるみたいです。「パート1」はすべて録画済みなのですが、それもいつ見られるかわかりませんが、「パート2」も当然録画します! さらには「麗姫と始皇帝」というドラマも放送されるようです。

一般にBSもCSも韓流ドラマは数多く放送されていますが、中国のドラマはあまり放送されていないものです。「ここまで差があるものか?」というくらい華韓の差があります。なので、こうして少しでも中国ドラマが放送されるのは中国好きにとっては嬉しい限りです。

それでも、たぶん中韓以外の国のドラマ、アメリカは別格ですが、例えばフランスやイタリア、ロシアのドラマ、中近東や南米のドラマ、他のアジア諸国のドラマなどはほとんど放送されていませんので、それと比べれば中国は香港、台湾も含め、それなりに放送されている方だと思います。贅沢を言ってはいけないのかも知れませんね。

ブレア・ウィッチ

名前だけは聞いていたものの見たことのなかった映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、先日、WOWOWで放送されたので録画しておき、この正月休みに視聴しました。続編となる「ブレア・ウィッチ」ともども。

 

今となっては亜流が大量に作られている手法ですが、当時としてはとても斬新だったのでしょう。しかし、自分たちで撮っているという形式なので、肝心な魔女だか悪霊だか知りませんが、それがまるっきり映りません。もちろんスピルバーグの「ジョーズ」のようになかなか登場させないで恐怖を煽るというのアリでしょうが、本作の場合、やはり何が起こっているのかわかりにくいのが最大の欠点ですね。まあ、モキュメンタリー作品はどれも似たり寄ったりですが。

で、ストーリーは魔女が住むという伝説のある森を調べに行った学生四名が行方不明になるというもの。数年後に偶然見つかったビデオテープ(メモリーカード?)に映っていた記録映像を編集したのが本作という設定。

続編はそれから十数年後。前作で行方不明になったメンバーの一人を姉に持つ弟が主人公となり、姉に何が起こったのかを確かめに行くというストーリー。ちょっと魔女らしき映像が一瞬だけ映るのですが、今回も何が起こっているのかはよくわかりません。森に住む凶暴な獣が人間を襲っているだけにも見えます。ドローンとかGPSなどを用意しているところは現代的ですが、それが全く役に立たないというのもお約束ですね。

そして、この手の映画では自分勝手な登場人物、協力しなければならないのにいがみ合う仲間たち、という、これまたお決まりの人物造型。確かに、あんな極限の恐怖状態に置かれたらああいう行動を取ってしまうかも知れませんが、ちょっと早すぎませんかね?

スカパー!チューナー「TZ-WR4KP」の「チャンネル録画」という新機能のこと

自宅でスカパー!を契約しています。NTTの光ファイバーを利用した「スカパー!光」というものです。

最近のテレビやレコーダーは、あらかじめスカパー!のチューナーを内蔵しているものも出て来ているようですが、あたしの場合はスカパー!を見るために専用のチューナーをレンタルしています。

現在使っているのは4K対応の「TZ-WR4KP」という機種ですが、インターフェースがそれ以前のチューナーに比べてずいぶんと変わりました。そして機能も増えました。そんな機能の一つに「チャンネル録画機能」というのがあります。最近のソフトウェア・アップデートで使えるようになった機能です。どういうことができるのかと言いますと

指定されたチャンネルと曜日の全番組を録画できる「チャンネル録画」

とウェブサイトに書いてあります。これであたしは迷ってしまいました。「チャンネル録画」と言いますと、パナソニック製のレコーダーに搭載されている機能にもあって、それは地上波全チャンネル(最大で6チャンネルだったかしら?)を数日間分録画してくれる、という機能です。

内蔵のHDDの容量によって何日録画できるのか違うようですが、つまりは全部録っておいてくれる、という機能です。東芝製のレコーダーですと「タイムシフト」と呼ばれている機能とほぼ同じだと思います。

さて、話は戻ってスカパー!のチューナーの「チャンネル録画」です。上に引用した「指定されたチャンネル」というのがくせ者で、正確には「自分で指定した1チャンネル」という意味です。パナソニックや東芝のように複数のチャンネルを録画しておくという機能ではありませんでした。

もちろん、100チャンネル以上も放送されているスカパー!ですから、それを全部録画するとなったら、たとえ一日分でもHDDがどれくらい必要になることでしょう。あたしも祭祀からそんな機能をイメージしていたわけではありません。

スカパー!の場合、チャンネルによって契約をしたりしなかったりですから、機能としては契約チャンネルのみというのは大前提だと思っていました。その契約チャンネルの中から6チャンネルか8チャンネル程度の丸ごと録画ができるのではないかと予想(期待)していたわけです。もちろん画質も関わってきますし、録画先のHDDの容量にも左右されますが、6チャンネルなら1週間、8チャンネルだと5日間、といった感じで録画ができるのではないかと思っていたのです。

しかし、今回の機能、チューナーをあれこれ操作してみても、どうやら決まった1チャンネルしか録画できないようです。そうなると、どのチャンネルを録画するか悩みます。

こんなことなら「チャンネル録画」なんていうい、既にパナソニックが使っている名称を使わないで欲しかったです。

今年の年末は少し片づけでもしようかと思いつつ、結局はダラダラと過ごしてしまう土日

スターチャンネルで映画「バスケットケース」を放映していたので録画し、寒い寒い日曜日に鑑賞しました。

 

ずいぶんと古い映画ですが、カルト的な人気を誇っていたそうで、その後パート2、パート3も作られたのだとか。スターチャンネルの放映もパート1からパート3まで続けざまでして、三つとも録画したのですが、とりあえずパート1を鑑賞した次第。

奇形の怪物による連続殺人ホラーと言ってしまうと確かにその通りではあるのですが、この映画は結合双生児兄弟の悲しいストーリーというのがベースにありますね。なので、単なるホラーとは呼べない作品です。

弟の脇腹に兄の上半身が結合した状態で生まれてきてしまい、出産時に母は死亡、父親も息子と認めず命を絶とうとしたわけですが、父親の姉だったか妹だったか、つまりこの兄弟にとってはおばさんにあたる人が唯一の理解者で二人を引き取って育てます。脇にくっついた兄さえ取り除けば弟の方は普通の少年として育ってきたので、父親は兄弟の分離手術をしようとします。

分離手術と言ってしまえば聞こえはよいですが、兄弟を引き離し、兄の命を絶つというのが本当のところです。確かに、常識的に考えてこのままでは弟も普通の人生は送れないでしょうし、兄はこの状態で何歳まで生きられるのでしょうか? 医学的には分離させ、一人だけでも助けられればと考えるのは致し方ないところだと思います。

が、弟は兄と一緒にいることにこだわり、手術を拒否するのですが、大人たちに強引に手術台に連れて行かれ、二人はあえなく分離。それだけならまだしも、弟がベッドの上で目を覚まし、何かに導かれるようにゴミ置き場へ行ってみると、分離された兄がポリ袋に入れられて捨てられていました。もぞもぞと動き出すポリ袋、中から兄の手が出て来ます。

死んでないのか? 上半身だけで生きていけるのか? 医学的なことはわかりませんが、あの体では兄は長くはいきられないでしょう。そもそも手術をした医者たちは兄を助けようとは思っていなかったはずですから、分離した傷口の縫合手術なども、弟には施していますが、兄にはしていないと思います。それでも生きているなんて……

兄弟の復讐によって父は殺され、その後、兄弟の理解者であるおばさんも老衰で死亡。身寄りをなくした兄弟は、自分たちの分離手術をした医者を探して復讐(=殺す)する、というのがこの映画の主たるストーリーです。

兄はバスケットに入れられて、常に弟が抱きかかえて移動しています。しかし、弟もたまには兄から離れて羽を伸ばしたいと思う葛藤もあり、ややドタバタコメディータッチのシーンも織り交ぜつつ、兄弟は3人の医者を探しだし殺します。そして最後は……

パート1だけを見ると、このラストからどうやってパート2へ結びつくのか、それは日を改めてパート2を見るまでのお楽しみとしておきましょう。

それにしても、師走だというのに、休日の過ごし方がこんなんでよいのでしょうか? 大掃除はしませんが、少し本の整理をしないといけないなあ、とは思っています。

あくまで整理です、捨てるわけではありません。捨てるつもりはありません。

整理しないと、同じ本を二冊買ってしまいそうだからです。ちゃんと整理して棚に並べ、どんな本を自分が既に持っているのかきちんと把握するためにも、この年末は本の整理をしないとならないと思っているのですが……

そんな時間があったらたまっている本を読まないと(汗)。

たまるばかりで観る時間が……(^_^;)

スカパー!の中国語放送「CCTV大富」はいろいろな番組を放送していますが、現在は「康熙王朝」という歴史ドラマを放送しています。言うまでもなく、清朝の最盛期の皇帝・康煕帝のドラマです。

このドラマが10月に放送終了になるようですが、その後は清朝の皇位そのままに雍正帝のドラマが始まるようです。これはこれはまた楽しみなドラマですが、サイトには情報が載っていません。残念。

その一方、「東方-毛沢東と新中国-」なんていうドラマも、10月にはスタートします。

このように「CCTV大富」は中国語の勉強だけでなく、歴史好きにも興味深い番組を放送しているのですが、スカパー!の番組ガイドでもあまり大きく取り上げられていませんし、頼みの綱のウェブサイトもやや貧弱です。

日本人の好みを反映してか、地上波にせよBSニセよ、そしてスカパー!にせよ、韓流はかなり放送されていますし、取り上げ方も大きいですが、華流については、台湾も含め(台流と言うのでしょうか?)、取り上げられ方にかなりの開きがあります。

 

せっかく『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 最新版』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2018年版』なんて本(ムック?)も出ているのですから、もう少し取り上げ方とか、ウェブサイトも充実させて欲しいものです。

で、こういった中国ドラマをHDDに録りだめてあるのですが、まるで観る時間がありません。中国ドラマって、日本の10回くらいで終わるドラマと違って、数十回放送されるのがザラです。まさしく大河ドラマです。見始めたら一つの度ドラマだけでも一日や二日では終わらないでしょう。

さて、そうしたものか? 老後の楽しみでしょうか?

4Kをどうするか

先日、自宅のスカパー!光のチューナーを変更しました。レンタルしている機器なので機種変更といった感じです。

こんどのチューナーは4K対応モデルです。ただし、わが家には4Kテレビなどありませんので、4Kの番組が見られるわけではありません。4K番組は通常のテレビでは視聴不可なんですね。4Kでないだけで、見ることはできるのかと思っていましたが、視聴すら不可能のようです。

4Kの番組は増えてきているので、4Kテレビも購入検討の余地はあると思います。これからの時代、4Kが主流になっていくのは理解できますから。ただ、果たして買い時はいつなのか、というのが気になります。

ドンキの4Kテレビがバカ売れしたというニュースも少し前に流れていましたが、テレビを買い換える人であれば、迷うことなく今なら4Kなのでしょうか? 値段もかなり安くなってきているようですし……

ただ4Kに飛びついたと思ったら時代はあっという間に8Kになっているのではないかという不安もありますし、上に「安くなってきている」とは書いたものの、それでも数十万円の出費は大きなものです。

そもそも4Kの特性を活かすのであれば、50型以上、60型クラスを買わないと意味ないのかも知れませんが、そんな大きなテレビが置けるようなスペースはありません。現在のわが家のハイビジョンテレビは47型ですから、50型はともかく、60型クラスとなると相当な違いになることはわかっています。

第一、いま見ているテレビは、特に壊れているわけでもなければ不満があるわけでもありません。映画やドキュメンタリーもしばしば見ますが、昔の映画やドラマを見たときでもなければ、現在の画質が見づらいという感じは受けませんので、ハイビジョンで十分だとも思います。

と、こうして悩んでいるうちに次から次へと新製品が発売され、「思い立ったときが買い時」という法則が永遠に続くのではないかと思います。とりあえず、4チューナーKは将来への備えとして、懐具合も考えると当面は見送りの公算が大です。

ドリームハウス

ずいぶん前に録っておいた「ドリームハウス」を視聴。

かつて一家惨殺事件のあった家に越してきた幸せそうな一家。という設定からして、家に悪魔が取り憑いているのか、はたまた殺された家族の霊がこの家族を襲うのか、そんなストーリーを予感させます。

主人公は007シリーズのダニエル・クレイグですが、彼が長年勤めた会社を退社し、家族と一緒に執筆生活に入るところからスタートします。なんとなくよそよそしい隣人の様子。怪しい人影に怯える幼い娘たち。そこで彼はようやくこの家が、かつて一家惨殺事件があった曰く付きの家だということを知ります。

そして、その事件の顛末を調べていくと、娘と奥さんを殺した夫は精神病院に入院中とのこと。その病院を訪ねるも犯人は既に退院(治療施設なので退所?)していたという事実を知ります。主人公は、わが家の周りをうろついているのは退所した犯人で、自分たち一家を殺そうと狙っているのだと見当を付けます。

ところが、更に犯人付いて調べていくと、なんとその犯人とは主人公のことだということがわかります。つまり、会社を辞めたのは施設を退所したことを自分なりに解釈していたというわけ。かつての家は実際には人が住めるような状態ではなく放置されたボロボロですが、主人公には明かりが灯り愛する家族の住むわが家に見えるのです。このあたり、主人公は完全に精神を病んだままです。死んだはずの家族が見えるわけですから。

そんな主人公を見張るような、見守るような向かいの女性、ナオミ・ワッツ。彼女は娘と二人暮らしで、別れた夫とは娘の親権を巡って調停中のようです。そんなナオミ・ワッツの助力もあって、主人公は少しずつ記憶を取り戻していきます。本当に自分は家族を殺したのか、と。あの夜、わが家で一体に何が起きたのか。

とまあ、奥さんや娘は死んでいて、主人公にしか見えないという夢オチ的なネタバレは、実は映画の半分くらいのところで明かされます。となると、残りは一家惨殺の真実を主人公が突き止めるストーリーになるわけですが、これが意外と単純な結末です。

ナオミ・ワッツは主人公一家とは仲良しだったのですが、密かに主人公に思いを寄せていました。そんな元妻の気持ち(この時点で元妻だったのか、まだ妻だったのかは不明)に嫉妬した夫が見ず知らずの男を雇って妻(ナオミ・ワッツ)を殺そうとします。しかし、似たような家が多かったからでしょうか、雇われた男はナオミ・ワッツの家ではなく、主人公の家に忍び込んでしまい、見つかって家族を殺したというのが一家惨殺事件の真実です。瀕死の妻が落ちていた拳銃で、犯人と格闘する夫(ダニエル・クレイグ)を誤って撃ってしまい、そこから夫が娘と妻を殺したものの、土壇場で妻に打たれて瀕死の重傷を負った、という一家惨殺事件のストーリーが出来上がったようです。

九死に一生を得た主人公はなんとか社会復帰したものの、記憶は戻らず自分を別な人間だと思い込んでいる始末。ナオミ・ワッツの力を借りて記憶を取り戻し真実を知ったところに、主人公が記憶を取り戻しては困る真犯人(ナオミ・ワッツの元夫)と実行犯が二人を亡き者にしようとします。二人が相撃ちになって、家から出火して二人とも死亡という筋書きを書いたのですが、主人公の亡き妻の霊が加勢して、主人公は間一髪でナオミ・ワッツともども助かり、逆に新班にと実行犯が燃えさかる家の中で焼け死ぬことになります。

完全に記憶と真実を取り戻した主人公は、燃えさかる家の中で、妻と娘たちの霊たちに、こんどこそ最後の別れを告げ、焼け落ちようとする家から脱出し、ジ・エンド。うーん、ナオミ・ワッツと結ばれたのでしょうか? それに主人公の娘たちが愛らしくて、そして切ないです。

ホラーでもミステリーでもなく、どちらかというとお涙頂戴の家族もの映画ではないでしょうか?

自分勝手な長女だなあ~

先日、WOWOWで放送されていた「クリムゾン」を視聴。

両親の事故死を目撃したため心を病んでいる妹、そして姉二人。両親を亡くしてしまったため、今後の生活もあり、また妹の療養も兼ね、三姉妹は島に住む叔母さんの元へ向かいます。叔母さんが住む島というのはハロウィンになると化け物が現われ島民を皆殺しにするという伝説のあるところで、三姉妹が向かうのはちょうどハロウィンの時期。嵐も迫っていて何やらイヤな予感が……

結局、その化け物というのに島民はほぼすべて殺されます。三姉妹も命からがら逃げ惑います。化け物の正体はよくわかりませんが、かつて島民が魔女狩りと称して女性6人を火あぶりにしたことがあったらしく、その時に雷が落ちてその女性たちは魔女として蘇り、ハロウィンになると復習のために島に現われ島民を殺すのだとか。

ただ、その割には化け物には女性らしさが微塵も見えず、そういう言い伝えがあるなら化け物は6匹いたってよさそうなものの出てくるのは一匹だけ。6人が合体しているのかは不明。火あぶりにされたので、赤々と燃える墨のお化けのような形状なのは理解できるとしても、見た目の怖さは皆無です。そもそも百年に一度現われるというのは何故なのでしょう? 劇中では火あぶり事件があったのは百年前と説明されていましたが、なんで毎年現われず、百年に一度なのかも不明。そもそも百年に一度と言うことは、今回が火あぶり事件以来初めてということになりはしないでしょうか?

最後、長女が身を犠牲にして妹二人を助けようとするわけですが、あの状況でどうやって倒すつもりだったのか。あれでは自分がやられた後に妹二人もやられるだけの結果になるとわからなかったのでしょうか? そもそもこの長女、妹のことを心配している風でいて、全編にわたって自分勝手な行動がすぎます。大局を見て判断する能力が皆無なのではないかという気がします。なので、この手のホラーにありがちな正義感溢れるヒロインには見えず、こちらも感情移入がしづらいです。

三女は予知夢が見られる設定ですが、だからといって化け物を倒す決定的な鍵を握るわけでもなく、ただただ見てしまった怖い夢に怯えるだけ。まあ、ダラダラと長い映画ではなかったのがせめてもの救いでしょうか?

梅雨の休日に日露ホラー合戦?

梅雨というのに雨はあまり降らず、いや、先週の東京はかなり天気が悪かったようですね、あたしが関西にいて雨に降られなかったので、なんとなく雨の少ない梅雨という印象が強いのですが、とにかくそのせいで、暑いというよりは寒い休日です。そんな日のホラーはこちらの2本。

まずは清水崇監督の「7500」です。アメリカ映画ですが、清水崇監督なので日本映画と言ってもよいのか、どうなのでしょう?

内容は東京へ向かう旅客機7500便の中で起こるホラーです。

若干閉所恐怖症、それとも飛行機が苦手なのでしょうか、そんな胡散臭い男性が発作を起こして機内で死んでしまいます。その後、乱気流に巻き込まれた飛行機は酸素マスクが下りてくるほどのパニック状態。辛うじて乱気流をやり過ごし、機内の気圧も安定したところへ、おかしな現象が続くようになります。怪現象というやつですね。

最後はネタばらしになりますが、事実は最初の乱気流で気圧の低下、酸素の不足により、機内の人は乗務員も含め全員死亡、機体は自動操縦でとりあえず飛び続けているという状態。主人公らは自分が死んだことに気づかずに浮遊している霊だったというオチです。だから、この世(未来)への未練がなくなった者から消えていくわけです。

たぶん、作品中にもありましたが、このまま燃料がなくなって太平洋かどこかへドボン、乗員乗客全員既に死亡していたという事項調査補酷が出されるのでしょう。オチとしてはありがちで、ホラーと言うよりはミステリーという作品でした。

続いては「ミラーズ 呪怨鏡」、ロシアのホラーです。

子供たちが鏡から悪霊を呼び出すという、コックリさんのような遊びをしたのですが、そこから恐怖が始まります。くだらない都市伝説の類かと思っていたら、本当に鏡の中には悪霊がいたのだということで、子供たちが次々に殺されます。

そして主人公の12歳の少女の番。今は離婚した母と暮らしていますが、娘の様子がおかしいと元妻からの連絡を受け、最初は思春期特有の症状ではないかと疑っていたものの、次第に悪霊の存在を信じるようになり、遂には娘を助けようと懸命に奮闘します。

この問題にくわしい男と連絡を取り、後半は協力して娘を助けようとするのですが、そもそも悪霊の正体というのが、自分の利益のために孤児院を開いた女性(手当か補助金だかをもらったら孤児たちを殺していた)の犯行が見つかり生き埋めにして殺された、という事件があり、その女の怨念だというのです。

いや、待ってください。怨念って、世の不条理に恨みを抱いて死んだ者の専売特許では? このような自分が悪いことをした人間が恨みを抱くと言われても逆恨みなんではないか、と言いたくもなります。それに、その女の怨霊がどうして鏡の中に潜んでいるのか? 細かな部分では納得できなところもあります。

最後、娘を臨死状態にして悪霊を追い出し、その後娘を再び蘇生させるという方法を採るのですが、悪霊が娘からなかなか出て来ないのに業を煮やした父親が自分に乗り移させます(最初はそばに置いておいたネズミに乗り移させる予定だった)。が、乗り移ったはいいものの肉体を乗っ取られそうになった父親を見て、協力者の男が更に自分に乗り移させます。この男も主人公の少女と同じような状況で息子を亡くしていたのです。

自分に悪霊を乗り移させた男は、自分に毒を注射して自殺、それによって悪霊を滅ぼそうとしてジ・エンド、となるところ、そばにはネズミがちゃっかりいて、なんとなく悪霊はネズミに乗り移って次のターゲットを探しているのではないかという予感を与えます。エンディングでも悪霊は滅びていないような謎を含んだシーンを残して終わります。

うーん、怖いと言えば怖いし、怖くないと言えば怖くない、なんか見たことあるような作品です。親子の状態で悪霊を退治、離婚中の両親もこの騒動で復縁、よくあるホラーの構図ですね。上にも書いたように、鏡と悪霊との接点がわからないのと、仮にそれがあるとしたら、どの鏡にも悪霊がいるというよりは、悪霊が取り憑いている鏡という設定の方が怖かったのではないか、という気もします。まあ、それだとその鏡さえ壊せば一件落着というストーリーが見えてしまいますが。

さて、この手の映画ですと主人公の少女が美少女というのが定番だと思いますが、この作品の場合、ブスではないですけど、それほど美少女とも言えない感じでした。むしろ主人公の母親が、旦那にはもったいないくらいきれいな人でした。