動物の狩り方

休日のお約束。録画しておいた映画の鑑賞です。今回は東映チャンネルで放映された「動物の狩り方」を視聴。

若手映画作家育成プロジェクト」という企画で作られた30分ほどの作品です。「あまちゃん」で大ブレイク中の能年玲奈が主演です。

「あまちゃん」は見てませんが、能年玲奈は知ってます。「あまちゃん」でブレイクする前から、「あ、カワイイ子だなあ」と気にしておりました。この「動物の狩り方」も能年玲奈が主演だからということで視聴したようなものですが面白かったです。

能年玲奈といえば、たぶん「あまちゃん」で知った方はショートヘアの元気で活発な女の子というイメージを持っているのではないでしょうか? 最近のグラビアにしろCMにしろ、そういった元気印を前面に出している姿が印象的です。ところが、本作の能年玲奈は全く異なります。まずは髪型が違います。ロングヘアです。いまの彼女からは想像しづらいのではないかと思うくらいの長さです。たぶん能年玲奈だとわかって見なければ、この主演女優の女の子が「あまちゃん」の能年玲奈だとは気づかないのではないでしょうか? それくらいことなります。とりあえずは上にリンクを貼っておいた東映チャンネルのサイトでこの作品のイメージをご覧ください。まるで異なります。

もちろん、同じ女の子ですから、髪型にとらわれずに眺めれば同じ人だとわかるでしょうけど、本作では人と打ち解けることのできない、ちょっと影のあるくらい役どころを演じていて、これがまた「あまちゃん」やCMのイメージとは懸け離れているので、同一人物だという認識の障害になります。

でも、やはり美人です。「あまちゃん」ではかわいいという感じの印象ですが、本作では美少女という感じです。ちょっと怖くなります。ですから、数年前の作品、いまよりも数歳若い能年玲奈ではありますが、むしろ大人びて見えるかもしれません。

とにかく「あまちゃん」で彼女のファンになった方は必見だと思います。

懐かしいですね

iPodにつなげているヘッドホンの右側の音が出なくなりました。これまでにもこういうことは何度もあり、いま使っているヘッドホンで何代目になるのかわかりません。四代目か五代目くらいにはなると思います。たぶん、ケーブルが断線したのだと思います。

あたしの場合、iPodを胸のポケットに入れているので、ヘッドホンの長いケーブルは必要なく、ふだんは丸めて、あるいは巻き付け用のパーツに巻き付けて使っているのですが、それが断線の原因になっているのかもしれません。見た目にはどこも傷んでいるようには見えませんから、たぶん中で断線しているのでしょう。一両日、騙し騙し使ってみてダメなら新しいものを買おうと思います。

それはそうと、本日の映画はこちらです。

ジョーズ87/復讐篇」です。なぜに、この時期にスター・チャンネルはジョーズの特集放送をしているのか。確かに最初のスピルバーグ作品は映画史に残る名作なんで、WOWOWなどでも時々放送されていますが、ジョーズをシリーズで放送しなくても、という思いはあります。それでも当時ワクワクしながら見た世代としては、こういう機会にまた敢えて見てしまうのです。

で、この「87」ですが、最近のビデオやDVDでは「ジョーズ4」となっているのですね。ネットで調べてみますと、結末がちょっと違っているようですが、かつて見たものと今回見たものが同じ結末だったのか、それはかつての方をまるっきり覚えていないのでわかりません。でもジョーズですから、最後はサメを退治して終わっているのでしょうね、どっちにしても。もちろん、どうやってあの巨大ザメを倒すかが最大の見せ場なので、それが変わってしまうのは「そんなことしていいの?」と言われても仕方ないかもしれませんね。

全体としては、果たしてあそこまでサメが一人の人間なり一族なりを襲うほどの復讐心、つまりは知能を持っているのか、という本質的な疑問、最後に何の武器も持たず、作戦もなく、ただただ闇雲に海へヨットを走らせてしまう母親の無謀さ、といった酷評されるべき要素はあるものの、それなりに楽しめました。なにせ1時間半ですから、うまくコンパクトにまとめたのではないかな、と思います。

 

骨の袋

本日は映画ではなくドラマです。たぶん、アメリカでテレビドラマとして放映されたものでしょう。スターチャンネルで放送されたスティーブン・キングの『骨の袋』です。

 

キングの作品は小説では読んだことはなく、いくつかをテレビドラマとか映画で見ただけです。その感想からすると、どうしてこんなに世界中で人気があるのか、ちょっと理解できない、えっ、こんなんでいいの、という作品ばかりだったという気がしないでもないです。確かに「シャイニング」は面白かったですし、狂気を感じてドキドキ、ワクワクしましたが、それ以外の作品は、時々スカパー!などでも放映されますが、やや期待外れな出来でした。

で、この「骨の袋」です。前後編で放送されました。最初は妻を交通事故とで突然失った人気小説家が、妻の浮気を疑い、妻がしばしば出かけて過ごしていた別荘を訪ねるという内容です。その別荘がある村の、忌まわしい秘密が主人公に絡みついてくるのですが、ここに怨霊というか幽霊というか、そういった超自然的なものを登場させる必要はあったのか、そんなものを出さなくても村全体で秘密を共有し、共犯関係になっているという流れでストーリーを組み立てても、十分にサスペンス・ドラマとしては成り立つような気がします。

ざっとあらすじを書いてしまいますと、その村のボスのような車椅子の老人をはじめとした5人は、かつて若い頃、村のフェスティバルに来た人気女性歌手をレイプし、その娘とともに殺してしまいます。娘を殺されるところを見てしまった歌手は、いまわのきわに少年ら5人に、自分の娘を殺すことになるという呪いをかけて絶命します。その5人が成長し鈍いが実際に起こります。娘が生まれなかった場合は、彼らの息子がその娘(レイプ事件を起こした少年たちからすると孫娘)を殺すようになります。

さて主人公はひょんなことから車椅子のボスの嫁と村で知り合います。この嫁は娘を殺そうとした夫(つまり車椅子のボスの息子)を射殺して裁判になっているのです。車椅子のボスからすれば孫娘はかわいいだろうに、その孫娘が死ねば呪いはすべて終わる、少年5人の血を引く女の子は一切いなくなることから、孫娘をなんとか殺そうとします。

そして主人公は、実は自分もレイプ事件を起こした5人の孫であることを知り、この村にしばしば出かけてきた亡き妻もそのことを知って、なんとか呪いを解こうとしていた事実を知るのです。つまり妻がこの村に出かけてきていたのは浮気のためではなかったわけです。

さて、やや荒唐無稽な話なのですが、幽霊云々の科学性はおくとして、いくつか気になる点を挙げますと、まずは主人公の態度です。妻の浮気を疑いつつ、村へ来て若い女性(ボスの息子の嫁)といい仲になりかかり鼻の下を伸ばしています。彼女はボスの命によって村人に殺されてしまうわけですが、そうでなければきっと主人公と結ばれていたでしょう。これでは主人公のために一生懸命だった亡き妻が浮かばれません。

次に、村全体を覆う呪いですが、これは言うまでもなくレイプされ殺された女性歌手によるものです。悪霊、怨霊と呼んでも構いませんが、でも考えてみるとこの女性歌手は自分もレイプされ、それを目撃してしまったがために口封じのために巻き添えになって殺された幼い娘を思えばこそ怨霊となり、少年とその一族に呪いをかけたのです。悪いのはどっち、と聞かれれば少年たちの方でしょう。呪われて仕方ないと思うのはあたしだけではないと思います。

そして、最後に村全体を覆う陰湿な空気です。実はキングの作品の一番の醍醐味は、こういう閉鎖空間、閉塞状況における人間の狂気ではないかと思います。その点に関してはまずまずの出来だったのではないかなという気もしますが、先にも書いたように怨霊とかが出てくるので、人間自身の持つ狂気を描き切れていない憾みが残ります。

 

いまや……

久々に、またもやアイドルホラーです。

シロメ」です。主演は、いまやAKB48をしのごうかという勢いのももクロです。ただし、現在のももクロのメンバーは5人ですが、この映画では早見あかりが脱退前なので6人で出演しています。たぶん、このころはまだ「ももいろクローバー」というグループ名で、最後に「Z」がついていなかったのではないでしょうか?

内容は、ももクロのメンバー6人が、シロメ様という純粋な気持ちで願ったことならなんでも聞いてくれるという都市伝説のスポットである、関東の片田舎の廃墟をレポートするというフェイク・ドキュメンタリーです。ももクロには映画ではなく、あくまで衛星放送の番組の収録という説明で行なわれています。

ちなみに、このシロメ様、本当にそんな都市伝説が関東の中高生の間で囁かれているのか、この映画の中だけの話なのか知りませんが、とりあえず説明しますと、ある廃墟の壁にチョウチョウのような絵(シミ?)が描かれていて、その前で「シロメ様、シロメ様、●●してください」と三回願いを唱えると、それが叶うというもの。ただし、願い事が素直な気持ちから出なければ白目をむいた化け物、つまりシロメ様によって地獄に引きずり込まれる、ということらしいです。

映画の中では、その廃墟で数年のうちには何人もの人が亡くなる(謎の死を遂げる)というエピソードがももクロに伝えられ、この年代の少女たちの例に洩れず、ももクロのメンバーもかなり怖がりながらの廃墟ルポです。霊能者、除霊師、怪談師といった脇役たちも、どう見たって嘘臭さが漂いますし、ディレクター役の人も、こういったフェイク・ドキュメンタリーの定番で、二言目には「番組が成り立たないから」と言って強引に事を進めようとします。もし本当にヤバいところであれば、番組がどうあろうと撮影を中止するだろうに、このあたり、既にももクロもフェイクを見抜いていたのではないかと思います。それでも、真っ暗な夜の学校、それも廃校に足を踏み入れるというのは気持ちのよいことではないでしょうから、たとえ心霊スポットでなくとも怖くなるでしょうね。ただし、あれだけスタッフが周りにいたらどうなのでしょうか?

画面は時々ノイズが入ったり、霊のしるしだという白いボール状のものが写り込んだり、かなりチープです。ありゃいかにもヤラセだよね、とわかってしまうレベルです。それでもけなげにレポを敢行するももクロはたいへんだなあと思います。この時点でそれなりの人気にはなっていたとは思いますが、まだまだ駆け出しの新人アイドル、上からこうしなさいと言われたら仕事を選んでいる自由なんてなかったのでしょうね。映画出演ではなく、その設定としての心霊スポット・ロケのことです。あんな場所に行かされてかわいそうだな、という同情心が芽生えます。

今の彼女たちがこの作品を見直したら、いったいどんな感想を持つのでしょう? 昔はあんな仕事もやらされたよね、と言うのでしょうか?

ホラーと言うよりはサスペンス?

本日の鑑賞作品はこの二点です。

 

まずは前者。「カエル少年失踪殺人事件」は韓国の作品です。タイトルは牧歌的というか、一見殺人事件を主題としたコメディなのかと主マイしたが、そうではなく重苦しい社会派の作品でした。

あたしは知りませんでしたが、これは実際にあった事件の映画化で、韓国では三大未解決事件と呼ばれているものの一つだそうです。ストーリーは、ある日小学生の5人の男の子が山へカエル採りに出かけたまま行方不明になってしまうというものです。警察の杜撰な捜査のためもあり、5人の行方は杳としてわからず、そこへ左遷されてきたテレビ局のディレクターが、「犯人=子供の親」説を唱える大学教授と一緒になって、失踪児童のある両親を怪しいとにらみ、警察に家宅捜査までさせるほどの騒ぎとなります。結局、そこでは何も見つからず、教授は地位も名声もすべてを失い、ディレクターもうやむやのまま本社へ戻り数年が過ぎます。

台風の雨のため土砂が流れた山中で子供の骨が見つかり、事件は一気に解決かと思われますが、結局子供たちは殺されたということがわかるだけで犯人にはたどり着けません。しかし、ディレクターは小さな痕跡から犯人とおぼしき塗擦業者の男にたどり着くのですが、決定打に欠け事件はそのまま時効となりました。

実際の未解決事件が下敷きになっているので、映画の中で勝手に犯人逮捕ができないのは理解できますが、この映画のように、かなり疑わしい人物にまで迫っていたのでしょうか? そして映画の中の塗擦業者は真犯人だったのでしょうか? そういった消化不良感が残る作品です。

そして、前半の大学教授の推理、そしてその推理のせいで家庭を壊される被害者家族など、かなり重いテーマにもかかわらず、いかんせん、人物の描写に深みが足りないので、いま一歩という憾みが残ります。むしろ、被害者家族がさらなる被害に遭うという方にテーマを絞った方がよかったのかもしれません。

その次の作品は「トゥルース or デア 密室デスゲーム」です。これ、邦題には「密室」とありますが、全然密室ではありません。密室での完全犯罪とか、極限状態での恐怖体験とか、そういうものを期待してみると、やや肩透かしです。

卒業間近のパーティーでクラスメートのからかわれた少年。その少年から卒業後数ヶ月してバースデーパーティーへの招待状が届きます。招かれたのは卒業パーティーで少年をからかった男女合わせて五人。少年の実家は大金持ちで、森の中の広大な敷地を持つ家に招かれたのでした(ただし、舞台は母屋である大邸宅ではなく、森の中の管理人小屋)。

実はこの五人を招待したのは少年ではなく、その兄。少年がからかわれたことを気に病み自殺してしまい、その復讐を遂げようと5人を呼び出し監禁し、弟の死の真相を突き止めようというものです。

と、こう書いてしまうと、犯罪を犯しているとはいえ兄の方に同情してしまいそうですが、卒業パーティーでの一件も、「そんなことで自殺するか?」という程度のもので、卒業を前にしたパーティーであれば、あのくらいの悪ふざけはありがちではないかと思われます。むしろ兄の方が逆恨みしているように感じます。まあ、旧家、名家の誇りというのは庶民には理解できませんが。

で、殺されてしまう仲間もいますが、5人のうち二人はなんとか助かります。形勢逆転して、兄を柱に括り付け、パーティーで何があったかを兄に教えます。この真実を知ってしまうと、今度は逆に「やっぱり兄が恨むのもわかる」という気にさせられます。むしろ、生き延びた2人には、「お前ら殺されてしかるべきだろう」という思いがわいてきました。

結局のところ、登場人物のどれもが中途半端に悪人であり善人なので見終わってすっきりしませんが、世の中とはこういうものなのかもしれません。

恐怖の夜?

さあ、四連休です。特に出かける予定はありません。録っておいた映画鑑賞です。本日はこちらです。

フライトナイト/恐怖の夜」です。恐怖の夜というサブタイトルからは、ある一夜をクローズアップした作品のような印象を受けますが、決してソウではありません。かつてのヒット作のリメイクと言うことですが、オリジナルを見ていないので比較も出来ませんが、これはこれで楽しめました。

それにしても、主人公の友人はどうして隣人がヴァンパイアだとわかったのか、そのあたりは不明です。そして遂に信じることになった主人公に対し母親やガールフレンドはもちろん最初は信じません。が、普通のホラーなら、なかなか周囲の人には信じてもらえないジレンマを主人公が抱えるものですが、この映画の場合、あっさり隣人が正体を現わし、母親、恋人ともに逃げ出す羽目になるという流れ。これはちょっとわかりやすいけれど、セオリーからは外れている気がしました。でも、案外、実際にこんなことが起こったら、こういう流れになるのだろうなあという気はします。

視覚的な怖さもなければ、徐々に迫ってくる怖さもなく、なんとなくアメリカの学園ドラマの要素も散りばめられていて、お気楽に見られるホラーでした。

高・近・短?

今年のゴールデン・ウイークは前半と後半に分かれ、長い旅行に出にくいとニュース番組などでは言われていますが、間の三日間を休めるような会社、あるいは身分なら、例年よりも長めのゴールデン・ウイークになるわけで、大手企業の工場などはそういうところもあるのではないでしょうか? ただ、その一方、アベノミクスで景気が上向き、仕事が忙しくなってきたので、間の三日間も休めないという企業も中にはあるそうな……

それにしてもこのアベノミクスという言葉、なんか胡散臭くて嫌いです。最近のニュース番組の街頭インタビューでも「景気がよくなっている」と答える人が多いように感じられますが、平日の昼間、銀座あたりにお洒落して出かけてきているような人たちが、そもそも日本人の平均値なのか、そこのところがそもそも疑問です。マンションなど高級品が売れるようになってきたという指摘もありますが、確かにこの先の消費税アップを見越して、どうせ買うなら今のうちにという心理も働いているのでしょう。

とはいえ、結局マンションにしろ家にしろ、帰るのは一部の人でしょう。アベノミクスで本当に潤ってきたのがどれくらいの割合なのか、庶民には実感としてほど遠い感じです。ですから、例年のような「安近短」ではなく、今年のゴールデン・ウイークは「高近短」だと言われても、「本当ですか?」と聞きたくなります。

かくいうあたしは、景気とは無関係に連休には出かけないと言うスタイルがこの数十年定着してしまっているので、今年のゴールデン・ウイークもどこへも出かけません。家からほとんど一歩も外へ出ないで終わる可能性が大です。ゴールデン・ウイークだけでなく、年末年始や夏休みも同様です。世間が休みの時はどこもかしこも混んでいることが予想されるので出かけたいとは思いません。

と言うわけで録りだめた映画鑑賞でしょう。

 

貞子3D」です。「リング」シリーズを見てきた者にとって、この映画はどうなんでしょうね? ネットでもかなり評判悪いみたいですが、逆に言えば、全く別の作品と考えた方がよかったのではないかという気がします。少なくとも「リング」の後、「リング 2」「リング 0 ~バースデイ~」にはあった貞子の悲しみ、悔しさ、そしてゾクゾクするような日本独特の怨念、そういったものが一切なくなってしまっていると感じます。

造型にしても、これはホラーではなくコメディとしか言いようがないものですし、ストーリーも荒唐無稽というのではなく、意味不明な感じばかりが印象的です。石原さとみが好きな人なら、とりあえずは彼女目当てで楽しめるのかもしれませんが、その石原さとみが貞子と同じような能力を持っているという設定なのだから、そこに悲しみとかの共感、怨念の輪廻のようなストーリー展開があってもよさそうなのに、そういったものは一切描かれず、石原さとみはなんのためにあんな能力を持っていたのかさっぱりわかりません。ドラマ版で矢田亜希子が演じた高野舞的な孤独感、寂しさも感じられませんし。

うーん、これってこの夏にはパート2が公開されるんですよね。こんどは瀧本美織が主演ですよね。悲しみを抱えつつも怖がらせるようなシリアスな演技が彼女に出来るのでしょうか? 乞うご期待です。ちなみに、今回の作品では橋本愛の貞子は美しかったです。

つまりは妄想?

録っておいた映画鑑賞です。今回は「イントルーダーズ」です。

 

顔のない魔人の幻影におびえる娘と、その娘を救おうとする父。父にも魔人が見えるのに、この父娘以外の人には魔人は見えない。そこで周りからは精神異常と見なされてしまうのですが、ここでこの父親の幼少の頃の記憶とオーバーラップします。父親も子供の頃から魔人の影におびえ、母親ともどもやはり精神異常者だと見なされるような生い立ちだったわけです。

精神疾患的には極めて近しい関係の二人が同時に幻覚を見るという症状のようですが、当の本人たちはそんな説明を受け入れるはずはありません。この父親はついには離れて暮らす母親の元へ向かい、魔人の正体について糾します。

ネタばらしになりますが、つまり魔人は実在したのです。ただし、魔人でも何でもありません。刑務所かどこかに入っていたらしい父親の父親が、そこから出てきて息子を捜し回ってようやく見つけ出し、母と二人で暮らす家(アパート)に乗り込んできたのです。母は息子を連れて行かれないように必死に抵抗し、その弾みで父親は手すりから落ちて命を落とします。

そのような痛ましい場面を息子に見せまいと母親がついたウソ、作り話が魔人の話。魔人が襲ってきたと息子に信じ込ませ、実の父親殺しを息子の記憶から消し去ることには成功したのですが、逆に息子は魔人におびえることになってしまったのです。

因果は巡り、その息子が大きくなり結婚して娘ができ、その娘がひょんなことから魔人の影におびえるようになってしまったというわけ。なぜ何も知らない娘のところへ魔人が現われるようになったのかは、合理的な説明がないのですが、たぶん父親の心の中にずっとくすぶり続けていたのでしょうね。

 

水滸伝

DVDが発売になるというのでテレビで紹介されていた中国ドラマ「水滸伝」。

スカパー!の中のチャンネル「アジアドラマチックTV」で4月から放送されていたのですね。気づきませんでした。迂闊でした。

確かに、この手の番組、スカパー!のチャンネルを丹念に探せば、他にもいろいろと見つかるものです。そもそもスカパー!では「鳳凰衛視」や「中央電視台」などのチャンネルもあるわけですから、その気と時間さえあれば、かなり楽しい中国テレビライフが送れそうです。

それにしても、視聴率が取れないと投げている地上波のテレビ局。どうしてこういう番組を放送しないのでしょう? 日本のドラマが9回とか10回で終わるのに対し、中国ドラマは平気で数十回にわたる放送回数のものがあります。これでは週に一度の放送では2年近くかかりますね。でも、それでもいいのではないでしょうか? 現代中国ですと昨今はなにかとギクシャクしていますが、古代中国に冠しては相変わらずの根強い人気だと思います。ゴールデンタイムに週に一回放送すれば、そこらの演技も出来ないタレントでお茶を濁している日本のドラマよりもはるかに視聴率が取れるのではないでしょうか? そう思います。

そう言えば、昔々、日本でも中村敦夫主演で水滸伝をドラマ化して放送していたことがあるんですよね。全何回だったか忘れましたが、結構頑張って作っていたような記憶があります。

 

怖くない?

このシリーズもほぼ全部見ていますが、これは未見でした。

富江VS富江」です。主演はあびる優ですが、もう一人、富江が出てきます。これまでの「富江」はとにかく殺しても殺しても生き返る美女という設定でしたが、本作ではちょっと違うようです。ラストで種明かしがされますが、あびる優の富江にしろ、あびる優に殺されるもう一人の富江にしろ、本当の富江の血液を幼児に注射して生まれたニセモノで、ここまでなんとか生きてきたけれど、本当の富江の血を再輸血しないと死んでしまうそうです。

うーん、このあたりの設定がこれまでとは異なるのでやや理解しづらいです。では本物の富江はどこにいたのか。よくわからないのですが、主人公が少し前に殺してしまった恋人が富江だったようです。ただ、その恋人には富江の証拠となる左目の下のホクロがなかったような……

それはさておき、主人公が恋人を殺した後、精神状態がおかしくなり、「いつも一緒だよ」と言っていた彼女との約束を果たすため、彼女の骨や肉を口にすることによって、彼の体内に富江が入り込んだようです。最後に彼のお腹からあびる優演じる富江が這い出てきますが、ちょっと違和感を感じます。

今回の富江は、他の作品のように何度も殺されるシーンはありません。あびる優に殺されるもう一人のニセモノ富江も、意外とあっさりと始末されてしまいます。ニセモノだからなのかもしれませんが、ここで富江が拡散していくという設定にしたら、それこそ作品としての収拾がつかなくなるから、あくまで本物は一人だけ、ニセモノは亡ぶべきという設定にしたのでしょうか?

続いては、またしてもアイドルホラーです。

志田未来、川口春奈W主演の「POV~呪われたフィルム~」です。タイトルどおり、フェイクドキュメンタリーの手法で作られていますが、うーん、今一つ緊迫感に欠けますね。いかにもアイドルホラーというテイストで、小学生や中学生が対象なんだろうな、だって内容は基本的に学校の階段だもの、という作品です。

個人的には志田未来も川口春奈も好きなんですが、女優としてのキャリアを考えた場合、こういう作品に出ていちゃダメでしょ、という気がしないでもないです。二人はそれなりに頑張っていたとは思います。フェイクだというのはわかっていますから、どれだけひねりが効いているかが勝負だと思います。その点、この二人が本人役で登場、川口春奈の卒業した中学の怪談話、といったアイデアというか設定は決して悪くはないと思います。作品としての料理の仕方が悪かったのかもしれません。特に、後半は完全にフェイクドキュメンタリーではなく、B級ホラー作品になってしまっていましたから。最初の設定では怖い話が苦手な志田未来なのに、後半になると肝が据わったのか、幽霊にも動じず、場を仕切っていましたね。

それにしても、この二人は同じ事務所なんですね。そして志田未来の方が二つも年上とは、見た目だけだと志田未来の方が幼く見えますし、実際、あの身長差では(笑)。この作品、たぶん、夏休みに2時間ドラマとして放映されたら、中学生などを中心に楽しめたのではないでしょうか?