東京国際ブックフェア、準備の日も含めると都合5日間のイベントになるわけですが、今年はうまいこと当番の割り振りができて、あたしは本日一日のブース当番で御役御免です。初日はそれなりに混む、三日目と四日目は一般公開日なので混雑するという合間の本日二日目は、毎年一番客足が少なく、売り上げも少ない一日です。つまりブース当番も楽なのではないか、という感じです。
とはいえ、それなりにお客様はいらっしゃいますし、一日たっているというのは辛いものです。年に一度の「書店員気分」、いや「気分」なんて言っては書店員さんに失礼ですね、「書店員体験」をさせてもらっていると思って、毎年取り組んでいます。
ところで、朝一番で、まだ他のブースの人たちも出てきていない頃、あたしの勤務先が参加している「書物復権10社の会」のコーナーを写真に取ってFacebookに投稿しました。それがこの写真です。
まだ布がかぶさっているので、全体像はわかりにくいかもしれませんが、各社が自社の本を所狭しと並べています。なかなか壮観です。買いたい本が目白押しです。2割引きだし、クレジットカードも使えるし、でついつい買いすぎてしまう方も大勢いるのでは亡いでしょうか?
さて、写真に写っている通路はずーっと続いていますが、反対側を向くと、正面に「楽天kobo」という大きな看板のある「楽天」のブースです。看板どおり、koboを展示しているのでしょう。
で、ふと思ったのです。koboでもいいし、アマゾンのキンドルでも、なんでもいいんですけど、世に発売されている電子ブックリーダーに、この「書物復権10社の会」のブースに並んでいる書籍が全部治まるのだろうか、と。
もちろん、ここに並んでいる本は現時点ではほとんどが電子化されていないものばかりですので、あくまで電子化されていたとしたらの話です。もし、そうなっていたら、電子書籍リーダーに治まるのでしょうか? 電子書籍リーダーも容量に違いがありますよね。それにどういう形式の電子書籍で収録するのかもにもよると思いますが、恐らく世間の大多数の人はそういうこともよく理解されていない程度の知識だと思います。ですから、とりあえず漠然と電子書籍と呼んでしまいますが、とにかく、ここに並んでいる本がすべて一台で収録できるのか、ということです。
カラー図版は容量を取るなあ、うちみたいに語学書は音源が付いているから、それも収録するの、といった問題が起きますが、それも全部引っくるめないと収録している意味がありませんよね。するとどうでしょう? あたしの予想では、たぶん一台では収録しきれないと思います。では、何台あれば足りるのか?
いや、電子書籍リーダーを何台も持ち歩くなんてナンセンスでしょう。そういう使い方は想定されていないはずですし……
しかし、この程度の書籍すら入りきらない電子書籍リーダーって、どうなのでしょう? いや、そんなに収録する必要はないのでしょうか? 一時に持ち歩くと考えればそんなに必要ないでしょう。でも、紙の本は読み終わっても捨てずに本棚に取っておけますよね。そして、また好きなときに思い出したら読み返せますよね。
でも、電子書籍は読んだ本をどんどんためていくといずれいっぱいになってしまいます。いや、自宅の本棚だっていっぱいなってしまいますが、床に置いたり、そこらに置いたりして置くことは可能です、紙ならば。でも電子はそうはいきません。そうすると、読書好きならば一年か二年でリーダーはいっぱいになってしまうのではないでしょうか?
そんなことを思いながら、今日のブックフェア会場におりました。