朗々と、口承文学のような、朗詠するかのような……

マナス』を読み始めました。

二段組みで402ページ、なかなかの読みごたえですが、読み始めてみると、意外とテンポよく読めます。文章は演劇のセリフというのでしょうか、会話が多いのでそう感じるだけかもしれませんが、なにやら俳優が、舞台の上で朗々と、自分のセリフに酔うかのように歌い上げるようにセリフを語っている、そんな感じです。

古事記など日本の古代神話やギリシア神話などにも似た雰囲気を感じます。こんな感じで最後まで行くのでしょうか? 愉しみです。

トウガラシの旅

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外国語の楽しみ方?

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ホッブズ

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大英帝国と大日本帝国

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狐の精の物語?~『真夜中の北京』~

真夜中の北京』読了。

ミステリー、謎解きではありますが、実話です。しかしながら、戦前の北京でこんな凄惨な事件が起こっていたとは知りませんでした。いや、たぶん類似の事件、もっと凄惨な事件だって起きていたのだと思います。ただ、この事件が特異なのは、北京の外国人社会の中でもそれなりに有名な人物の娘が殺害されたというところではないでしょうか。

本書の内容については、既にネット上に多くの人が感想ともどもあらすじをアップしていますので、そちらに譲ります。簡単に言ってしまうと、当時の国際情勢のためとはいえ、十分な捜査もしない(できない)まま闇に葬り去られた殺人事件を、父親の執念によってその真相を見つけ出すまでの物語です。現実には、この殺人事件は迷宮入りして、犯人もわからなければ犯行現場も特定されていません。が、著者によって公にされた被害者の父親の捜査資料によれば、ほぼほぼ真相に迫っていたことがわかります。

それでも父親の明らかにしたことが真実なのか、若干の疑問が残らなくはありません。当時の科学捜査ではあそこまでが限界だったのか、あるいは事件直後にもっと念入りな捜査が行なわれていれば、案外簡単に犯人逮捕に結びついたのか、そこはわかりません。当時の科学捜査の限界と言うよりも、英国と中国のメンツの問題が最も大きくて厚い、そして壊しようのない壁、障害だったのではないでしょうか。そしてもちろんこういった国際情勢を生みだしていた日本の影も、この事件を迷宮入りさせた影の主役かもしれません。

と、ミステリーとしてもよくできていると思いますが、それよりも個人的には、北京好きとして、古い北京を一緒になって歩いているような、そんな錯覚を覚えるのが読んでいるときの楽しみでした。巻末に当時の写真も載っているので、そんなところからイメージを喚起することもできますし、あたしも知っている北京の雰囲気、オリンピック前なので、まだ少しは古きよきものが残っていた北京が思い出されて懐かしく感じました。

訳者あとがきで紹介されている欧文サイトも(リンク切れのところが多いですが)なかなか興味深いですし、グーグルでキーワードを入力して画像検索すれば、さらに当時の写真などがヒットするでしょう。