まずは昨日の朝日新聞夕刊。
各地の書店員が創意工夫を凝らして売り上げを伸ばしているという記事。夕刊とはいえ、なんと一面に大きく載っていました。
出版社の人間として、こういう動きは応援したくなりますし、「へえ、こんな本があったんだ」と気づかせてもらえるのでありがたい活動だと思います。あたしの勤務先の書籍ですとなかなかこういった仕掛けには合わないものが多いですが、それでも売り伸ばしのヒントを与えてくれます。
その一方、あたし個人としては、こんな風にお薦めしてもらえないと、多くの人は本を選べないのか、という思いもあります。あたし自身、人から薦められて読む本も多いので、こういう動きを一概に否定するつもりはありません。ただ、その前に自分で本を選べる能力を養うにはどうしたらよいのか、そこが気になります。これは書店とか出版社とか、そういったレベルで解決できる問題ではないことはわかっていますが、やはり考えてしまいます。職業病でしょうかね?
続いては今朝の朝日新聞の天声人語。
亡くなった小林麻央さんに導く枕として河野裕子さんのことに触れています。河野裕子さんに関する本、実はあたしの勤務先も何点か出していまして、天声人語では出典を明記していませんし、あたしも自社の刊行物を手元で確認できないので断定的なことは言えませんが、まずは『評伝・河野裕子』『もうすぐ夏至だ』がよいのではないかと思います。後者は河野さんの夫・永田和宏さんのエッセイですが、書名が真央さんの亡くなった日付とほぼ一致しているので胸に迫るのではないでしょうか。
その他に河野さんのものとしては『わたしはここよ』『うたの歳時記』などを出しています。
河野裕子さんの本、出版社として言わせてもらいますと、衰えぬ人気があります。年を追うごとに新しい読者を書くとしているのでしょう。須賀敦子さんに通じるものがありますね。