貞子vs伽椰子

WOWOWで放送されていましたね、「貞子vs伽椰子」が。和製ホラー好きなら気になって仕方ない映画だったのではないでしょうか? あたしも見ちゃいました!

「貞子」はあまりにも有名ですし、そのままタイトルになった映画「貞子3D」「貞子3D 2」もありましたから知っている人も多いでしょうが、「伽椰子」の方はどの程度の知名度なのでしょうか?

 

で伽椰子はこれまた「リング」と人気を二分するジャパニーズ・ホラーの傑作「呪怨」の主人公です。

という前置きはこのくらいにして本作です。すでにWOWOWで放送されましたし、DVDなどの発売されていますからネタバレ承知でストーリーを紹介しますと、山本美月は大学生で友達から昔のビデオテープをDVDにダビングして欲しいと頼まれ、リサイクルショップで中古のビデオデッキを買ってきます。そのデッキの中に古いビデオテープが入っていて好奇心から映像を見てしまった友達が怖くなり、オカルトを専門とする大学の先生に相談に行くわけです。

その先生も映像を見て確かに呪いのビデオだと確信し、三人で除霊を行なってくれる祈祷師の元へ行きますが、友達に取り憑いた貞子によって祈祷師と弟子はやられてしまいます。死ぬ間際に祈祷師は自分よりも強い祈祷師(霊能者)を紹介して息絶えますが、その男が安藤政信です。彼は霊を見ることができる(?)ような能力を持つ女の子を相棒に連れて現われ、二人を助けることにします。

が、怖くなった山本美月の友達は自殺を図り、起こった貞子に殺されます。ちなみに「リング」シリーズでは呪いのビデオを見てからちょうど一週間後に死が訪れることになっていましたが、本作では丸二日後に設定が変更されています。これによって展開が速くなるという効果はありますが、じわじわくる怖さというのが薄まった気がします。

さて一方、ある街に越してきた玉城ティナ。隣の古い空き家が気になります。実はここが伽椰子が取り憑いている呪いの家、入ったら最後、殺されてしまうという曰く付きの家。彼女は引っ越し早々、入ってもいないのに家の魔力に取り憑かれ始めます。

そして安藤政信は貞子の呪いをどうするか。結論は、貞子と伽椰子を闘わせ、相撃ちにして呪いを消し去るというもの。うーん、ちょっと単純すぎないかと思いつつも、ササッと手刀を斬るだけで貞子を防いだり、彼はかなり強い霊能者のように描かれています。それにまるっきり一般人である山本美月と玉城ティナにとっては助かる方法は彼に頼るしかないわけですから他に選択肢はありません。

二人して呪いの家に入り、そこで山本美月には伽椰子の呪いを、玉城ティナにはビデオを見させて貞子の呪いをそれぞれ取り憑かせ、両者を闘わせることにしました。が、やはり化け物のパワーは安藤政信の予想を上回り、あらかじめ用意しておいた裏庭の井戸に封じ込めることに作戦変更です。しかし、それには井戸の中へおびき寄せるために誰かが犠牲にならないとなりません。

で、ラスト、山本美月が井戸に身を投げ、貞子と伽椰子も闘いながら井戸へ落ちていきます。吹っ飛ばされた安藤政信は気を失ったまま(死んだのか?)、玉緖に指示された玉城ティナが井戸に封をして一件落着かと思いきや、貞子と伽椰子が合体し更にパワーを増した化け物が井戸から現われたところでジ・エンド。

さて感想です。

山本美月はその後、井戸から助け出されたのでしょうか? 合体した化け物と退治した玉城ティナは無事に逃げられたのでしょうか? あの時点で、安藤政信はやられてしまっていたようなので、助けることができそうなのは玉緖くらい。ただ彼女は霊が見える能力があるだけで霊能者ではなさそうです。となると、安藤政信が息を吹き返しでもしない限り玉城ティナも玉緖もやられ、新たなる呪いが拡散していく、そしてパート2へ、ということでしょうか?

玉城ティナの両親、山本美月の友達も先生も、結局、主要な登場人物は全員やられ、誰一人助からないというのは、この手の作品としては意外でした。それにしても山本美月が主人公なのですが、玉城ティナがカワイイです。完全に山本美月が霞むくらいです。

ところで、本作に続編は作られるのでしょうか? もともとちょっと霊感がありそうな設定の玉城ティナが、この事件を機に霊能力に目覚め、玉緖と一緒に合体した化け物(貞子と伽椰子が一緒になったら何と呼べばよいのか?)を倒すため、呪いの拡散を防ぐために闘う、そんな展開がいいですね。エンドロール後には新しい映像が登場していましたから、これが今の時代ならビデオではなくネットだと思いますが、それで拡散していくのかも知れませんね。