過半数でよいのでしょうか?

トルコの憲法改正の国民投票。

確定的な数字なのかわかりませんが、日本での報道では「賛成51.4%、反対48.6%」という結果であったとのこと。制度上は、賛成票が過半数を取ったので、憲法改正は承認されたということになるのですよね?

とりあえず、開票後に言われている不正があったか否かはおくとして、やはりこれほどの僅差になると、負けた方だって「はい、そうですか」というわけにはいきませんね。

投票率がどうだったのか、新聞などでは見ていませんが、まさか投票率100%ということはないでしょう? となると、投票していない人がいるはず。仮に、それらの人が全員「反対」に投じたら、この結果は覆ってしまうのでしょうか? そんな疑問が生じます。

日本の憲法改正の法律も、確か過半数が成立要件となっていたはずですが、そこに有効投票率は定められていなかったと思います。昨今の国会議員選挙の投票率はせいぜい6割くらいでしょうか? 地方議会になると3割程度の投票率というのもザラです。果たして、そんな投票率で行なわれた投票が民意を反映していると言えるのでしょうか?

やはり最低投票率の規定を設けるべきではないでしょうか? そして、比較的多くの人が納得できるように、憲法改正が成立するには「過半数」ではなく、「3分の2以上」にすべきだと、今回のトルコの投票を見て改めて思いました。

この「3分の2以上」というのは、あたしの記憶が間違っていなければ、岩波新書の『多数決を疑う』に書いてありました。3分の2を得れば、比較的開票後の不満も収められるラインだとありました。自民党が「3分の2のハードルは高すぎる」と盛んに言い立てていますが、同書によるとそんなことはなく、むしろ低すぎるくらいなんだそうです。