日本語の美しさ

確か高校時代のこと。

日本語の文章を書くときに漢字ばかりだと紙面が黒々としてしまうので適度に平仮名に開いて書くと美しい。漢字と平仮名のバランスが見事なのは三島由紀夫の文章だと、国語の教師が言ったのを覚えています。今となっては、どの先生だったのかも覚えていないし、本当に国語の教師だったのかも忘れてしまいましたが、この発言内容だけは鮮明に覚えています。

果たして三島の文章が美しいのか否か、あたしには判別できませんが、その時に教師が挙げたのは『潮騒』でした。齋藤飛鳥(乃木坂46)の写真集『潮騒』ではありません(爆)。

 

と言われても、『潮騒』も含め、当時も今も三島の作品を読んだことがないのですが、確かに文章中の漢字の割合は気になるものです。ただし、このバランスが美しいと一概に言えるのか、そう思います。

漢字が苦手な人には漢字の多い文章は見ただけでウンザリでしょうけど、日本語の特性から言って、ある程度漢字を使わないと意味が判別しづらいのも事実です。最近読んだ本では『<軍>の中国史』の漢字(平仮名?)の使い方がちょっと読みづらかったです。

たぶん中国ものは人名や地名など、それでなくとも感じばかりになるので、それ以外については出来るだけ平仮名を使うようにしたのだと思いますが、あまりにも簡単なものまで平仮名になっているので却って読みづらかったです。

確かにあたしのように中国史に慣れている人は、漢字がたくさん並んでいてもそれほど苦にならないでしょうけど、一般の方だとこのくらいが調度よいのでしょうか? しかし、このテーマの本を一般の方がどれくらい読むかという問題もありますし、難しいところだと思います。