社風というか、カラーというか

あたしの勤務先はフランス語やフランス関係の出版物で知られた会社です。「フランスと言えば……」と、世間的には知られているはずです。それなのに、このところアジア関係の書籍が多くなっているように感じます。

別にフランスに限定していることはなく、ワールドワイドにアンテナを張って、よいものであれば国に拘りはしませんが、やはり社風と言いますか、フランスを中心に欧米のものが多いという印象が強いようで、中国をはじめとしたアジアのものを出していると驚かれることもあります。

上の写真は、あたしの勤務先の入り口にある、新刊を並べているディスプレイの一部です。最新の10点ほどを並べているスペースですが、その一角がご覧のように中国もので占められています。

われながら、「いつの間に?」という思いがします。

が、この数年、確かに中国をはじめとしたアジアものの比重が増えているなあとは感じていました。2015年からの2年間だけでも、『カンボジアに村をつくった日本人』『歩道橋の魔術師』『神秘列車』『ネオ・チャイナ』『父を見送る』『台湾生まれ、日本語育ち』『中国第二の大陸アフリカ』『インド独立の志士「朝子」』『中国 消し去られた記録』『蔡英文 新時代の台湾へ』『帝都東京を中国革命で歩く』『ブラインド・マッサージ』『来福の家』『年月日』『鬼殺し(上)』『鬼殺し(下)』『張作霖』『蔡英文自伝』といった作品がございます。歴史だけでなく、現代の文学作品もありますし、ルポルタージュ的なものも混じっていますので、ジャンルでもかなり幅広く出しているなあと思います。この他に中国語や韓国語の語学書も出しているわけですから、出版点数は更に増えます。

カラーや伝統を維持しつつ、時代に合わせて変化していく、それがよいのでしょうね。