というわけで「残穢」を視聴しました。
実話怪談の投稿作品を小説に仕立てて発表している主人公・竹内結子が、ある投稿が気になって調べていくうちに、投稿主である橋本愛と共に恐ろしい因縁を辿るというストーリー。
橋本愛の住む部屋で変な物音がし、同じマンションの他の部屋でもおかしな現象が起きている。最初はこのマンションで自殺者でもいて、その霊の仕業かと思って調べ始めると、そのマンションに自殺者はいないとのこと。となるとマンションが建てられる前にこの土地で何かあったのかと調べていくと、自殺騒ぎ、嬰児殺し、座敷牢などいくつもの因縁が出て来ます。
そして、そこに嫁いできた女が持参した恐ろしい掛け軸の絵。その出所を辿っていくと、こんどは北九州の炭鉱王の屋敷にまで遡り、その炭鉱で起きた爆発事故、そして生き埋めになった坑夫たちの恨み。そんな明治のころに遡る物語が見えてきます。つまり、「話しただけでも祟られる、聞いただけでも祟られる」という劇中のセリフではありませんが、この恨みに関わった人たちに伝播し、時を超えて拡散しているということのようです。
で、竹内結子に橋本愛、同じ作家仲間の佐々木蔵之介や坂口健太郎といった面々が、この因縁を調べてここまでたどりついたわけですが、別に霊能者を呼んで浄霊するわけではなく、「ふーん、そういう過去があったのか」で終わってしまいます。でも、もちろんホラーですから、彼女たちの回りにもおかしな現象が起こるわけですが、だからといって祟られ死ぬわけでもなく、健気に生きているというエンディングです。そもそも、橋本愛のマンション、まるで何事もなく暮らしている家族、住民もいるわけですから。
こういう調べるだけで、解決しようとしないホラーというのも面白いものですね。そもそも解決なんてできやしない、祟られない人はどう関わっても祟られないのだということが言いたいのでしょうか? 全体としては竹内結子と佐々木蔵之介が飄々として、あまり怖さをかき立てない作品ですね。
それと竹内結子の新居に佐々木蔵之介が遊びに来たときに、誰もいない廊下のセンサーが反応してライトが付くシーンがあります。あれもゾクゾクとした怖さの演出なのでしょうが、実はわが家の近所の家の玄関先にセンサーライトが付いています。この時季なので出勤時間や帰宅時間は暗くて、あたしが通るたびにセンサーが反応して玄関先のライトが付くのですが、時々付かないことがあります。それって、あたしが認識されていないということなのでしょうか?