多数決ではダメですね

トランプが大統領に選ばれたけれど、得票数ではヒラリーの方が上回っていたとかいう話。日本でも小選挙区制になってから、得票数と獲得議席との乖離が言われて久しいですね。

それはともかく、アメリカ大統領選挙とか、イギリスのEU離脱の国民投票とか、二者択一的なものを決めるとき、果たして多数決という決め方でよいのだろうかと、つくづく考えてしまいました。つまり過半数を取った方が勝ちという決め方です。

これらのように僅差での勝利ですと、決めた後のゴタゴタというか、負けた方の納得できない感があまりにも残りすぎて、果たしてこれからうまくやっていけるのだろうかという不安がよぎります。

少し前に読んだ岩波新書の『多数決を疑う』にはそのあたりのことも書いてあって、ある程度、皆が納得するには過半数ではなく、3分の2を獲得しなければならない、というようなことが書かれていました。日本国憲法改正が話題になるとよく言われる「3分の2の賛成」、改正推進派は高すぎるハードルだと言いますが、本書によると、国民的な合意、コンセンサスを得るにはこれでもやや低いくらいだとのこと。

まあ、日本国憲法の場合は、最低投票率なども設定されていないザル法なので、こんな状態で国民投票にかけられたらたまったものではありませんが……

で、アメリカ大統領選やイギリスの国民投票を見ると、やはり過半数というのはダメだなあと感じるのです。