オンリー・ワンよりナンバー・ワン、だと思う

SMAPの解散を受けて、テレビやラジオでも彼らのヒット曲「世界に一つだけの花」をよく耳にします。よい曲だと思いますし、この歌がヒットするのも宜なるかな、と思うのですが、初めてこの曲を聴いたときに、あたしはものすごい違和感を感じました。

まずタイトルです。「世界に一つだけの花」って、つまりその花が枯れてしまったら、もうこの世には存在しないわけでしょ? ほとんどの人がイメージしているのは、根っこが残っていれば来年も花が咲く多年草ではなく、花が散ったら枯れてしまってもう終わりという一年草の花だと思いますが、あたしもそうです。だから、この花が枯れたら終わりか、と思ったのです。

つまり、たった一頭だけしか生き残っていなかったゾウガメの「ロンサム・ジョージ」を思い出したのです。今となっては、スマップの解散の時に流されるのは象徴的で、逆にふさわしい感じがしますが、とにかく、あたしが最初に聴いた時に感じたのはそういう違和感です。

DNAレベルでは、確かに人だって一人一人異なるわけですが、「一人一人違う種を持」っていたら、子孫を残すことはできません。そんなことをよしとするなんて、少子高齢化に向かう現代の日本を見事に歌った歌だと言えるかもしれませんが、そんな風に捉えるあたしは、あまりにもひねくれているのでしょうか?

でも、やはり競争って大事ですよね? 民主党政権時代の蓮舫のセリフを思い出しますが、ナンバー・ワンを目指すってことは大事だと思います。ただ全員が同じことでナンバー・ワンを目指す必要はなくて、人それぞれが自分なりのナンバー・ワンを取れる分野を見つけることが大事なのではないかと思うのですけど。