昼下がり、小市民の倖せがそこかしこに花開いていた?

午前中、雨が降ったりやんだりの寒い中、母とお墓参りに行ってきました。別にお坊さんにお経を上げてもらうわけでもなく、ただお墓をちょっと掃除して、本来ならお花とお線香をあげるところですが、あいにくの天気なので今年は省略し、雑巾で墓石を磨いて手を合わせて終了です。

そして帰宅。最寄り駅の一つ、武蔵小金井で下りたのが12時少し前。駅前のイトーヨーカドーのフードコートでお昼でもべていこうということになりました。時間が時間なのでやや人は多かったですが、考えてみると今日は平日なので、土日のような混み具合ではなく、席も余裕で確保できました。

で、食事をしているときに周囲を見回すと、ほとんどが子供を連れたお母さんでした。上にも書いたように平日ですので、小学生や幼稚園児を連れたお母さんはほとんどいません。つまり連れている子供は赤ん坊やせいぜい3歳か4歳程度の子供ばかりです。そんな子供を連れたお母さんたちが、子供に食べさせながらおしゃべりに興じていました。

ヨーカドーのフードコートですから決して高い昼食ではありません。夫が立ち食いそばで我慢しているときに奥さんは優雅なランチ、という図とはほど遠い情景でした。でも、これくらいの子供を連れたお母さんというのは若いですね。20代後半から30代前半の人ばかりでしょうか? あたしから見るとガキに、それでは言葉が乱暴であれば高校生や大学生に見えてしまいます。それくらい若いなあと感じました。

数人で食事をしているお母さんのグループ。本当に仲が良いのか、腹の探り合いをしているのか、和やかな空気ではありましたが、うわべだけの付き合いなのでしょうか? もちろん一人で子供を一人または二人連れているお母さんも多く見られました。

少子化などと言われていますが、こうしてみると意外と子連れのお母さんがいるじゃないですか、と感じました。

そして、そんな光景を見ると、そういう家庭を築くことのできなかったわが身が虚しく感じられます。この歳ですから、いまさらあんな小さい子を持てるとは思えません。育てる自信のあるなしではなく、物理的に不可能でしょう。

正直なところ、羨ましいと思います。でも自分には無理、という諦めの気持ちが間髪を入れずに湧いてくるので、サバサバはしていませんが、なんとか自分の気持ちを押し殺しているという感じです。すべては自分の責任ですから、誰が悪いわけでもありません。

それにしても最終回を前にして急展開しそうなドラマ「逃げ恥」、主人公は36歳にして初めての恋、恋愛体験。このままうまく行けば子供ができるかも知れない展開です。よく「女性の場合、出産のリミットがある」と言われますが、子育ての体力を考えるなら男性にだってリミットはあると思います。いや、絶対にあります。そして、あたしはそのリミットをとうの昔に過ぎてしまっているという哀しい現実。

母が死んだら、妹が時々様子を見に来てくれないと、あたしが自宅で干からびて死んでいる、ということもあながち根拠のない話ではないと思います。

嗚呼、結婚してみたかったなあ。子供、欲しかったなあ。いや、せめて恋愛というものを人生で一度くらいは体験したかったと思います。

と言っても、あたしみたいな性格では相手が見つかるわけないんですけど……