このところ「はじめての海外文学フェア」というフェアが各地の書店で行なわれています。
フェアの場所には上掲のような冊子が置いてあります。ビギナー篇とちょっと背伸び篇ですね。確かに、間口・裾野を広げる、広く愛好者を増やす、という意味では「はじめての」という謳い文句はよいと思います。
で、ふと思うのですが、これを何回くらい続ければ、「はじめて」から「その次の」になるのでしょうか?
いや、もちろんいつまでも「はじめて」を続ける意義はありますし、続けるべきだと思います。が、その次も提案してこそ、だと思うのです。語学書で入門・初級があって、その次に中級、そして上級があるようなものです。
もちろん、海外文学の場合、上級なんて要らないかもしれません。「後は各自お好きなようにお読みください」で構わないのだと思います。そこまで親切丁寧に、手取り足取りしてやる必要はないよ、そのレベルの人なら自分で見つけるさ、という意見ももっともです。
でも、上に挙げたように、語学書でも中級向けのフェアというのは成り立ちますし、それなりの需要もあります。むしろ初級が終わってその次の一歩をうまく踏み出せるかどうかで上級へ進めるか否かが決まると言っても過言ではありません。だから中級は大事なのです。疎かにはできません。
海外文学フェアだって、中級を考えてみよう、そんなことも思いながら、今回のフェアを眺めていました。たぶん、そういう需要もあって「ちょっと背伸び篇」が作られたのでしょうね。