来年がロシア革命百周年だということは既にご存じだと思います。なので、ロシア史のフェアは如何でしょう?
もちろんロシア史といってもそれなりに長いですので、やみくもにフェアをやっても焦点がぼやけてしまいかねません。そこで、たとえばロマノフ王朝・帝政ロシア、ロシア革命、スターリンの時代、ゴルバチョフのペレストロイカ以後、といった具合にテーマを分けてフェア展開するのがよいのではないかと思います。これらをどれか一つやるもよし、数ヶ月おきに断続的にやるもよし、だと思います。
まあ、ロシア革命百年ですから革命に絞るのが王道でしょうけど、実は来年は『資本論』の初版刊行から150年でもあります。昨今の格差社会、ピケティの大ヒット、マルクスの再評価などを合わせ考えますと、共産主義の光と影、失敗の本質というのを裏のテーマにフェアを企画するのもよいのではないかと思います。
というよりも、その方がフェアをやる現在的な意義があると思います。
なぜロシアや東欧の共産主義は失敗したのか、そしてそれはマルクの構想したものとどこが同じでどこが異なるのか、そういったことを考える、考えさせるようなフェアができればと思います。ちなみに、中国の共産主義も、ほぼほぼ失敗してますよね。
その中国、来年は党大会です。向こう五年の体制が決まるだけでなく、ポスト習近平の姿が見えてくる大会になるはずです。習近平体制は変わらないでしょうが、より一極集中が進むのか、それとも別な路が開けるのか。これはこれで面白いフェアになりそうですが、玉石混淆の本が山ほど出版されそうです。
閑話休題。
ロシア・フェア。上述のような感じでフェアをやったとして、つまり格差社会とか、共産主義の挫折とした視点を取り入れますと、そのまま2018年に繋がります。2018年は本家本元、マルクスの生誕200年です。いまさら共産主義ではないと思いますが、いまさらマルクスは十分ありだと思います。
なおかつ、2018年は1968年から50年です。1968年といえば世界史では重要な年です。世界的にさまざまな運動が起きたのが1968年です。左派運動という捉え方をすれば、ロシア革命やマルクスとも因縁浅からぬところです。もちろん関連書籍も既にいろいろ出ていますが、再来年に向けてさらに出版されることでしょう。
なんといっても、1968年に関心を持つ世代や読者は、本を最も買ってくれる人たちでもあります。それなりに盛り上がることは必至だと思うのですが……