侵略

維新の橋下の侵略の定義云々。

安倍首相も同じようなことを言っていましたね。侵略の定義は学界でも定まっていないとか。

学界で定まっているのか、いないのか、それについてはあたしもわかりませんし、知りませんが、少なくとも自衛だろうがなんだろうが、他国の領土に軍靴で踏み込んでいき、無辜の民に多くの犠牲を強いた行為はやはり侵略なのだと思います。今は亡き大学時代のあたしの恩師は、満州事変までは侵略ではなかったが、そこから後は侵略だったとおっしゃっていました。当時のあたしには、その理由や恩師の存念を深く尋ねるほどの知識を持ち合わせていなかったのが悔やまれます。

うかうかしているとロシアが北から攻めてくる、それを食い止めるためにはなんとか朝鮮半島や中国東北地方(満洲)には踏ん張ってもらわなければならない。それなのに、朝鮮も中国(清朝)も、あまりにも頼りなく、国家の体をなしていない、それならやむを得ない、日本みずからが出ていかなければ……

個人的には、そういう当時の日本人の心象は理解できますし、帝国主義に邁進する各国の中で日本が生き延びるためにはやむを得ない選択だったとも思います。もちろん他の選択肢がなかったのか、もっと他にも方法ややり方はあったのではないかという意見は当時もあったことだと思いますし、結果的に選択した方法がベストであったのかは判断しかねます。

でも、そういうことは歴史学者が考えること、語ることであり、現在を担う政治家が言うことではないと思います。少なくとも政治家は歴史を語るよりも、現在と未来に責任を持つべきだと、あたしは思います。