駆け足でグランフロント

先週の金土の二日間で、つまりは一泊二日で大阪へ出張に行って来ました。土曜日にジュンク堂書店大阪本店でトーク・イベントがあったのが最大の理由ですが、その機会に、リニューアルした京都大学生協ブックセンター・ルネ、遂にオープンしたグランフロント大阪紀伊國屋書店を見てくるのも目的の一つでした。

さて、そのグランフロントですが、既にネットでは行って来た人の感想がいろいろ書かれています。この業界の人の報告・感想もあるようですね。いかにも業界人的な視点での報告はそういう方にお任せするとして、あたしはお上りさん的な、単なる野次馬的な見地から書いてみます。

だって、書店がどうかなんて、まだまだオープンして一ヶ月やそこらではわかりませんよ。結局は店員さんがどこまで頑張るかにかかっているわけで、それはやはり数ヶ月から一年は温かく見守らないとならないと思います。さらには、いろいろ腐すようなことを書く人、言う人がいますが、あたしとしては出来るだけよいところを見つけたいと思っているので、とりあえずは書店員の方、明るく楽しく仕事をされていたのが印象的でした、と書いておきます。

で、再びグランフロントですが、まだまだ人が多いです。訪問したのが金曜、土曜と言うこともあるからでしょうか、とにかく人が多いです。もう一ヶ月か二ヶ月もすれば落ち着くとは思いますが、現状では人の多さに着かれてしまいます。「そんなに人が来ているのか?」と言われそうですが、「はい、その通りです」と答えるしかないです。だって、思いのほかJR大阪駅から近いのですから。

JR大阪駅の北側、これまでは人が行かない方向でしたが、伊勢丹ルクアヨドバシカメラができ、少しは人の流れができてきた、その北側の真正面にグランフロントは建っているわけです。二階部分がデッキで繋がっていますが、伊勢丹のビルと一体化していると言ってもよいくらいの近さです。東京でたとえるならば、東京駅と丸善丸の内本店が入っているオアゾが繋がっているような感じと言えば、イメージしてもらえるでしょうか? オアゾは斜め前ですが、グランフロントは本当に正面です。

で、人の流れはどうなるでしょうか? 気になりますが、オープンしたての今はさておき、結局、阪急を使う人が日常的にグランフロントへ行くとは思えませんし、JRを使う人が阪急の方へ来るとも思えません。つまり書店としては食い合いは少ないのではないかと思っています。

当初、紀伊国屋の梅田本店と至近距離に紀伊国屋ができるので共食いも危惧されていましたが、書店の性格がまるで異なりますし、お客さんの利用の仕方もまるで違うと思いますので、恐らく食い合いになるほどの影響は見られないと思います。むしろ丸善&ジュンク堂梅田店の方が影響を受けるかもしれませんが、やはり在庫量が異なりますし、じっくり落ち着いて本を探しに行くのであればMJ梅田店を選択するのではないでしょうか? あたしにはそう感じられました。

書店を無視して、単純に人の流れで言いますと、以前は阪急梅田駅から二階で繋がっているデッキでJR大阪駅へ向かうと、ルクアの手前で一階へ降りる人が多く、それ以外の人はルクアへ向かい、ルクアの北側、ヨドバシカメラの向かいのデッキをそのまま(JR大阪方面へ)進む人は非常に少なかったです。ところがグランフロントができたため、このルクア北側のデッキを通る人が格段に増えました。影響を受けているのはルクアかもしれません。ルクアに入る人が減っているように感じました。事実、金曜の夕方だというのに、ルクアの客は以前より少ないと感じました。

これがグランフロントのオープン時期だけの動きなのか、今後もこれが定着していくのか、少し観察してみないとなりませんね。