今朝の朝日新聞「天声人語」は本屋の話。
過疎の地域で本に触れる機会を残そうと奮闘する人のこと。
道内では書店ゼロの街が増える一方、大都市では図書館、書店、学校図書室とも充実している。
これはたぶん「天声人語」筆者の声だと思いますが、果たして都会は恵まれているのか? たとえば、人口当たりの本屋の数ということで言えば、東京だって「街の書店」がどんどん消えています。本屋のない地区、地域が意外と広がっているのは、都会に住んでいれば実感できます。
それでも電車で一駅行けば本屋があるでしょ、と言われれば、確かにその通り。でも上に書いたように、人口当たりで考えると、都会もかなり深刻な状況なのではないかと思います。
図書館もどんな図書を置いているか、貸出率や住民の中の利用登録カードの登録率はどれくらいなのかを測ってみると、都会が必ずしも好成績とは限らないと思います。
蔦屋が、田舎としか言いようのない土地で図書館を開く、選書に批判はあるものの、地域コミュニティーの核として機能し始めているという現実もあるわけで、何が正解なのか、よくわかりません。
上の写真は、今日の東京新聞夕刊の紙面。こちらも、いろいろ工夫を凝らして生き残りを図っている、街の書店の記事。
たまたま今宵の、とある懇親の集いで、ドコモがやっているdマガジンの話になり、雑誌で稼いでいる街の本屋にとってdマガジンの影響はかなり深刻だとのこと。あたしの勤務先は、雑誌は「ふらんす」しかないので、雑誌依存率は高くなく、なおかつ「ふらんす」はdマガジンに入っていないので直接の影響はありませんが、街の書店が消えていくというのは、ボディーブローのように、どの出版社にも厳しい状況なんだろうと思います。
しかし、完全に失敗したことが明らかなアベノミクスのお陰で給料はまるで上がらず、この出版不況もいまだ出口は見えず。本屋とか図書館とか、紙とか電子とか、そういう垣根をいったん取っ払って、根本的に考え方を改めないとダメなのでしょうか?
とはいえ、あたしだって根本的にどう改めるのか、まるでわかっていないのですが……