遺稿というか、推敲途中というか……

打ち上げもあり帰宅が遅かったこともあり、とりあえず簡単に感想のみ。もう少し詳しいレポートはまた明日にでも。

何のことかと言いますと、『第三帝国』のイベントのことです。

この作品は、ボラーニョの死後に見つかった原稿だそうです。つまり原書もボラーニョ生前には刊行されていなかった作品です。

それって、ボラーニョは納得がいかなくて出版するつもりがなかった、ということでしょうか? まさか机の奥に仕舞ったまま忘れていたなんてことはないですよね!

訳者の柳原さんによりますと、本書の原稿は、最初の方がパソコンに入力されていたそうです。そこから考えると、ボラーニョは若いころに書いたこの作品を、いまいちど推敲しながら出版に向けてパソコンに打ち込んでいたということです。

じゃあ、本作は若いころの習作で、あまり出来のよくないものなのか、と問われると、否、です。確かに、ボラーニョが生きていれば、もう少し書き直しただろうな、と思われるところもなくはないですが、全体としては既に完結したすばらしい作品だそうです。

あたしも最初の方を読み始めましたが、『2666』と同じくらい引き込まれる作品で、この先どうなるのだろうと気になって仕方なくなるストーリーです。あえて違いを言えば、その引き込む力強さやストーリー展開のスピードが、『2666』よりはややゆっくりしているかな、というところでしょうか。ただ、それは本書が日記の形式を借りているからだろうと思います。

さて、週末にさらに先を読もうと思います。