高・近・短?

今年のゴールデン・ウイークは前半と後半に分かれ、長い旅行に出にくいとニュース番組などでは言われていますが、間の三日間を休めるような会社、あるいは身分なら、例年よりも長めのゴールデン・ウイークになるわけで、大手企業の工場などはそういうところもあるのではないでしょうか? ただ、その一方、アベノミクスで景気が上向き、仕事が忙しくなってきたので、間の三日間も休めないという企業も中にはあるそうな……

それにしてもこのアベノミクスという言葉、なんか胡散臭くて嫌いです。最近のニュース番組の街頭インタビューでも「景気がよくなっている」と答える人が多いように感じられますが、平日の昼間、銀座あたりにお洒落して出かけてきているような人たちが、そもそも日本人の平均値なのか、そこのところがそもそも疑問です。マンションなど高級品が売れるようになってきたという指摘もありますが、確かにこの先の消費税アップを見越して、どうせ買うなら今のうちにという心理も働いているのでしょう。

とはいえ、結局マンションにしろ家にしろ、帰るのは一部の人でしょう。アベノミクスで本当に潤ってきたのがどれくらいの割合なのか、庶民には実感としてほど遠い感じです。ですから、例年のような「安近短」ではなく、今年のゴールデン・ウイークは「高近短」だと言われても、「本当ですか?」と聞きたくなります。

かくいうあたしは、景気とは無関係に連休には出かけないと言うスタイルがこの数十年定着してしまっているので、今年のゴールデン・ウイークもどこへも出かけません。家からほとんど一歩も外へ出ないで終わる可能性が大です。ゴールデン・ウイークだけでなく、年末年始や夏休みも同様です。世間が休みの時はどこもかしこも混んでいることが予想されるので出かけたいとは思いません。

と言うわけで録りだめた映画鑑賞でしょう。

 

貞子3D」です。「リング」シリーズを見てきた者にとって、この映画はどうなんでしょうね? ネットでもかなり評判悪いみたいですが、逆に言えば、全く別の作品と考えた方がよかったのではないかという気がします。少なくとも「リング」の後、「リング 2」「リング 0 ~バースデイ~」にはあった貞子の悲しみ、悔しさ、そしてゾクゾクするような日本独特の怨念、そういったものが一切なくなってしまっていると感じます。

造型にしても、これはホラーではなくコメディとしか言いようがないものですし、ストーリーも荒唐無稽というのではなく、意味不明な感じばかりが印象的です。石原さとみが好きな人なら、とりあえずは彼女目当てで楽しめるのかもしれませんが、その石原さとみが貞子と同じような能力を持っているという設定なのだから、そこに悲しみとかの共感、怨念の輪廻のようなストーリー展開があってもよさそうなのに、そういったものは一切描かれず、石原さとみはなんのためにあんな能力を持っていたのかさっぱりわかりません。ドラマ版で矢田亜希子が演じた高野舞的な孤独感、寂しさも感じられませんし。

うーん、これってこの夏にはパート2が公開されるんですよね。こんどは瀧本美織が主演ですよね。悲しみを抱えつつも怖がらせるようなシリアスな演技が彼女に出来るのでしょうか? 乞うご期待です。ちなみに、今回の作品では橋本愛の貞子は美しかったです。