流行のはるか数十年先を行くナンシー

少し前の朝日新聞の記事です。

なんでも神社仏閣の朱印集めが静かなブームになっているとか。

これは確かに感じています。書店でも、ほんの一例ですが、『東北ご朱印めぐり旅』『永久保存版 御朱印アートブック』『東京周辺ご朱印めぐり旅』といった本が、ここ数年並ぶようになったのに気づいていました。これらの本の装幀などを見る限り、ターゲットは若い女性であることがはっきりしています。つまり、若い女性が集印(朱印集め)にはまっていることなのでしょう。

  

確かに、この数年、神社仏閣の朱印受付は大変な混雑です。いただくまでにかなりの時間待たされることもしばしばです。ですから神社仏閣側も「その間にどうぞ参観してきてください」というスタンスのところが多いです。それにしてもいつからこんな風になったのでしょう?

朱印集めは昔からあったものです。かく言うあたしも高校生のころですから30年ほど前からハマっていました。高校修学旅行が奈良方面だったのをいいことに、あっちのお寺、こっちの神社とめぐって朱印を集めていました。上の写真はそんなあたしの集印帖です、過半は亡くなった伯母の形見ですが(汗)。

で、そのころの朱印は、参観した後に、神社仏閣を辞去する前に社務所などにある受付でいただくものでした。お坊さんなどがそこにいて、スラスラと書いて印を押してくださったものです。それを見ているのも愉しかったですし、一分か二分で済むようなものでした。

その後社会人になり、神社仏閣巡りもご無沙汰となってしまい、京都出張の折にちょっと立ち寄ってみると、上に書いたようにものすごい混雑なのです。並んでいる人もいますし、友人の分を預かってきたのでしょうか、ヤマのように何十冊も集印帖を抱えた人が並んでいることが増えました。これでは時間がかかるのも無理はありません。

それでも、時間がかかっても書いてくれるならマシです。もちろん、たいていの神社仏閣はその場で書いてくれるものです。ところがあたしが熱心に集めていた三十年前に、既に印刷されたものに日付だけ書き入れて渡す、とても無精な神社仏閣がありました。また朱の部分だけではなく、墨文字もところもすべてハンコ、スタンプで済ませているところもあったりしたものです。これでは興醒め、なんの御利益もありそうには感じられませんね。

それにしても、おじいさんやおばあさんなど年配の人の趣味だった朱印集め、なんで若い人にブレイクしたのでしょう?