『一房の葡萄』か……

フジテレビ系のドラマ「早子先生、結婚するって本当ですか?」の中で、松下奈緒演じる主人公・早子が悩んだりすると読み返す本が有島武郎の「一房の葡萄」です。使われているのは岩波文庫版ですね。他にも手に入る版があるのか知りませんが、こういうのも何かの縁、機会があれば一度読んでみようかなと思いました。

ドラマの設定では、早子は何かというとこの本を繰り返し繙いているようです。今回の放送でも川栄李奈演じる早子の妹から「お姉ちゃん、また『一房の葡萄』読んでるでしょ?」という指摘がありました。

世間の本好きの方って、意外と何度も読み直す本があるようですね。あたしは、読み直すということはほとんどありませんが、そういう人ってお気に入りの小説を学生時代に読んだ後も社会人になってから読み直すようです。人生に行き詰まったとき、本が助けてくれるというのはよいことだと思いますし、そういう本を一冊でも持っているというのは大事なことかもしれません。

あたしの場合、上に書いたように読み直すということはなく、「あれ、確か前にも似たようなストーリーの作品を読んだな」と思ったりしたときに、それを確認するためにパラパラとページをめくる、該当箇所を確かめる、という程度のことはありますが、人に聞かれて、何度も読み返す本はありますかと問われても、ありません、としか答えようがないです。

それでも、あえて答える、無理矢理ひねり出すとしたら『韓非子』でしょうか。タイトルからもわかるとおり、中国の古典です。思想書です。『論語』とか『老子』などの仲間と思っていただければ、当たらずといえども遠からずです。

   

いま現在、簡単に入手できる翻訳は岩波文庫だけなのでしょうか? 徳間文庫や中公文庫などにも以前は翻訳が入っていたのですが、現在は品切れになっているみたいです。もったいないことです。

この『韓非子』とあたしの関係についてはこちらを読んでいただければと思います。

2016年6月12日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー