今朝の朝日新聞にこんな記事が載っていました。
国際文芸フェス絡みの記事です。フェスは既に終わっていますし、この業界外の人、海外文学に興味のない人には「へえ、そんなイベントがあったんだ……」という程度のものでしょうが、やはり海外文学好きには一大イベントです。数日間とはいえ短期のイベントなので、どうしても一過性になってしまいますが、書店でフェアをやったり、こうして少したってからでも新聞などに記事が載れば、それなりに盛り上がりの一助になります。
さて、記事で取り上げられているのはイーユン・リーさん。中国出身ながら英語で執筆している作家です。その、母語ではない言語で執筆していることについて語っていますので非常に興味深いです。
この母語では書けないというリーさんの問題意識と、ある部分では重なりつつも、また異なった視点を与えてくれるのは温又柔さんではないでしょうか?
そしてそこまで話しが及ぶなら、温さんの『台湾生まれ 日本語育ち』について沼野充義さんが書評で触れていたように、『文盲』のアゴタ・クリストフや『べつの言葉で』のジュンパ・ラヒリなどに触れざるを得ないのではないでしょうか?
そして、何語で書くのかということに拘るのであれば、藤井光さんの『ターミナルから荒れ地へ』の一読をお勧めします。