気づくと卒業シーズン。
例年、勤務先の回りや営業回りの途次、袴姿の女子学生を見かけることで「ああ、もうそんなころか」と思うのですが、今年はその袴姿をあまり見かけません。いまの女子大生には不人気なのでしょうか?
とはいえ、この時季になると歌番組でも「卒業ソング・ベストテン」的な特集が組まれたりして、否応なく、そんな気にさせられるものです。
しかし、社会人になると、卒業というものがなくなってしまうので、なんとなく気分が乗らないのも事実です。特に毎年新人が入る大企業でもないので、この時季のワクワク感みたいものを感じられることもほとんどありませんし。
それにしても、卒業って寂しいものでしょうか? 懐かしく思い出されるものでしょうか?
あたしの場合、「ああ、やっとこのクラスともおさらばできる」という嬉しい気持ちの方が大きかったです。なにせ、小中高ずーっと嫌われ者、友達なんていない状況で過ごしてきたので、特に別れが辛いと感じるクラスメイトなど一人もいませんでした。惜しむような別れのエピソードもありません。小学校、中学校の卒業式の記憶、想い出はまるでありません。たぶん体育館で行なわれ、その後、各教室に分かれ、最後のホームルーム的なものがあって「さようなら」だったと思いますが、違うでしょうか?
高校は、確か当時体育館の建て替え工事があって、杉並公会堂で行なわれたはずです。ちょうど前の日が雪だったので自宅から荻窪までちんたらと歩いて行ったら式典は既に始まって半ばを過ぎていました。もともと高校のクラスが大嫌いだったので、「別に式典には出ないでもいいや、後から学校へ行って卒業証書をもらえば」くらいの気持ちだったので、わざと遅刻するために、ちんたら歩いた記憶があります。
その後、学校に戻ってホームルームだったはずです。ただ、別に学校はバスなど仕立ててくれなかったはずなので、またちんたらと歩いてか、あるいは路線バスで学校へ戻ったと思うのですが、まるで記憶がありません。そして、教室での出来事もまるで記憶に残っていません。たぶん、証書を担任から渡されたはずなのですが、その記憶もなく、クラスメートと話した記憶もなく、最後の「起立、気をつけ、礼」のあいさつと共に、級友との別れを惜しむことなく、さっさと教室を後にして学校を出た記憶だけは残っています。直前まで履いていた上履きを持って帰るのが面倒臭いなあ、と思いながら道を歩いた記憶はあります。
あれから30年。その後、クラスメートとは誰とも逢っていません。いや、半年後くらいの文化祭に行ったときに、何人か逢いましたが、それもその時限りで、その後は本当に誰とも逢っていませんし、誰からも連絡は来ません。もちろん、あたしから連絡を取ろうという気はさらさらありません。
かれこれ20年弱、こうしてウェブサイトをやっています。最初から本名でやっていますので、検索すればすぐにヒットするはずですが、それでも過去のクラスメートから連絡が来たことはありません。大学時代のクラスメートから来たのが3件ほどですが、それも十数年前のこと。
この数年、mixiやfacebookなどが普及し、「そこから昔の友達とまた連絡を取るようになった」なんていう話も聞きますが、あたしの場合、それもないです。facebookは卒業した学校も登録してあるわけですから、検索すれば、こちらも簡単にヒットするはずですが、だからといってあたしにクラスメートから連絡が来たことはありません。
断わっておきますが、あたしは小学校も中学校も高校も転校はしていません。だから、在籍が短すぎて記憶に残らないということはないはずですが、たぶんずっといても記憶に残らない人間だった、あるいは嫌な記憶しか残していない人間なのでしょうね。
上掲の事実が、それを証明しているでしょう。