怖くない?

このシリーズもほぼ全部見ていますが、これは未見でした。

富江VS富江」です。主演はあびる優ですが、もう一人、富江が出てきます。これまでの「富江」はとにかく殺しても殺しても生き返る美女という設定でしたが、本作ではちょっと違うようです。ラストで種明かしがされますが、あびる優の富江にしろ、あびる優に殺されるもう一人の富江にしろ、本当の富江の血液を幼児に注射して生まれたニセモノで、ここまでなんとか生きてきたけれど、本当の富江の血を再輸血しないと死んでしまうそうです。

うーん、このあたりの設定がこれまでとは異なるのでやや理解しづらいです。では本物の富江はどこにいたのか。よくわからないのですが、主人公が少し前に殺してしまった恋人が富江だったようです。ただ、その恋人には富江の証拠となる左目の下のホクロがなかったような……

それはさておき、主人公が恋人を殺した後、精神状態がおかしくなり、「いつも一緒だよ」と言っていた彼女との約束を果たすため、彼女の骨や肉を口にすることによって、彼の体内に富江が入り込んだようです。最後に彼のお腹からあびる優演じる富江が這い出てきますが、ちょっと違和感を感じます。

今回の富江は、他の作品のように何度も殺されるシーンはありません。あびる優に殺されるもう一人のニセモノ富江も、意外とあっさりと始末されてしまいます。ニセモノだからなのかもしれませんが、ここで富江が拡散していくという設定にしたら、それこそ作品としての収拾がつかなくなるから、あくまで本物は一人だけ、ニセモノは亡ぶべきという設定にしたのでしょうか?

続いては、またしてもアイドルホラーです。

志田未来、川口春奈W主演の「POV~呪われたフィルム~」です。タイトルどおり、フェイクドキュメンタリーの手法で作られていますが、うーん、今一つ緊迫感に欠けますね。いかにもアイドルホラーというテイストで、小学生や中学生が対象なんだろうな、だって内容は基本的に学校の階段だもの、という作品です。

個人的には志田未来も川口春奈も好きなんですが、女優としてのキャリアを考えた場合、こういう作品に出ていちゃダメでしょ、という気がしないでもないです。二人はそれなりに頑張っていたとは思います。フェイクだというのはわかっていますから、どれだけひねりが効いているかが勝負だと思います。その点、この二人が本人役で登場、川口春奈の卒業した中学の怪談話、といったアイデアというか設定は決して悪くはないと思います。作品としての料理の仕方が悪かったのかもしれません。特に、後半は完全にフェイクドキュメンタリーではなく、B級ホラー作品になってしまっていましたから。最初の設定では怖い話が苦手な志田未来なのに、後半になると肝が据わったのか、幽霊にも動じず、場を仕切っていましたね。

それにしても、この二人は同じ事務所なんですね。そして志田未来の方が二つも年上とは、見た目だけだと志田未来の方が幼く見えますし、実際、あの身長差では(笑)。この作品、たぶん、夏休みに2時間ドラマとして放映されたら、中学生などを中心に楽しめたのではないでしょうか?