気づいてみたら昨年の12月で一年たっていたのですね、翻訳家の岩本正恵さんが亡くなってから。
各社からたくさんの翻訳書を出されていましたが、あたしの勤務先でもお世話になりました。何回かトークイベントなどの機会にお話しさせていただいたこともあるのですが、とても気さくな方でした。もっともっと面白い物語を紹介していただけるのを(できればあたしの勤務先から)楽しみに期待していたのですが、それもかなわなくなりました。
とうに一周忌は過ぎてしまいましたが、作品のいくつかを並べることで改めて冥福を祈りたいと思います。
すべてを読んでいるわけではなく、この中では『愛と障害』『ヴァレンタインズ』『青い野を歩く』の三つだけですが、どれもドラマチックなものでもなければ壮大なものでもありません。静謐と言うほどの静かではないのですが、読み終わってからじわじわくる、そんな作品が多かったように感じます。