アナベル 死霊館の人形

ほぼ1年前にこのダイアリーにも感想を書いた「死霊館」の前日譚にあたる「アナベル 死霊館の人形」を視聴。

 

今回の作品はアナベルと呼ばれる人形がどうして誕生したのか、というストーリーです。

全体的には、始めて子供を授かった若いお母さんが産前産後の不安から妄想を見てしまっていると、悪魔などを信じない人はそう解釈するのでしょう。その意味では、本作はかの有名な「ローズマリーの赤ちゃん」のリメイクのような気もします。もちろん、ローズマリーの方には人形は登場していなかったはずですが……

さて、その夫婦。隣家の夫婦が惨殺されるという事件に遭遇し、なおかつその犯人が彼らの家にまで入ってきて、妻は腹部を刺されてしまいます。夫が何とか抵抗しているうちに警察が駆けつけ、犯人の男性は射殺、女性は自ら首を切って自殺。その時犯人の女は、夫が妻のために買ってきたアンティークの人形を手に抱えていて、その人形の瞳に、首から垂れた血が一滴。夫婦を襲った犯人は、隣家の夫婦の娘とその仲間。数年前に家出をした娘はカルト教団に入っていて、その仲間と共に悪魔の復活を企てていたようです。そのために近親者の地が必要となって実家の両親を殺害したというのが事件のあらましです。

そんな家は縁起も悪いと新しいアパートに引っ越した若い夫婦。瀕死の重傷を負いながらもなんとか母子共に無事で、子供も健やかに育ち始めますが、引っ越した先のアパートでも不吉なことが。そもそも犯人の女が持っていたから気味が悪いと捨てたはずの人形が引っ越し荷物の中に紛れて再び現われます。せっかく夫が買ってくれたものだから、恐怖から逃げていてはダメだと自分に言い聞かせて、妻はその人形を飾るのですが、その日から夫婦の周囲でおかしなことが起こり始めます。

最初は妻が精神的にまいっているだけだと思っていた夫も、妻の言うことを信じ神父に助けを求めたりしますが、その神父も悪魔によって重症を負わされます。そして、神父から人形と悪魔の復活の話を聞いて夫が自宅へ急ぎます。自宅では、なにかと親切にしてくれた本屋の女主人と妻が不可解な現象に襲われ、女主人は家から追い出され、妻は悪魔に翻弄され、窓から飛び降りようとしますが、すんでのところで駆けつけた夫に助けられます。誰かが悪魔に命を捧げないと赤ん坊が戻ってこないと訴える妻を夫はなだめようとしますが、そんな二人を尻目に本屋の女主人が例の人形を抱いて、自分が身代わりになるとアパートの窓から身を投げます(このシーンだけ、どこかで見覚えがあるのですが、この映画を既に見たという記憶はないのですけどね)。夫婦が気持ちを落ち着けると今まで見つからなかった赤ん坊が。しかし、飛び降りた女の傍らから人形は消えているのです。

とここまでが先日譚。この映画の冒頭では、人形を手に入れてから恐ろしいことが起きると相談に看護師とその友人が出てきます。その相談の結果がどうなったのかわかりませんが、場面は一年前に飛び、上述の夫婦のストーリーとなります。最後になくなった人形があるアンティークショップの棚に並んでいて、それを看護師が買いに来るところで終わっています。

ちなみに、アナベルとはカルト集団に入信し、自分の両親を殺害に及んだ娘の名前です。実際のアナベル人形などに関する事実はこちらのページをどうぞ。