朝日新聞の夕刊に載っていた広告です。あたしの勤務先とは何ら関係ありませんが、ちょっと気になったので。
小林秀雄の講演集の広告です。昨今はどうなのか知りませんが、あたしが受験生のころ、現代文の問題では小林秀雄の登場率は群を抜いていたと思います。物語だといろいろな作品が出題されていましたが、論説文の場合、かなりの確率で小林秀雄の文章でした。
で、それはともかく、この小林秀雄の写真です。タバコをくゆらせている氏の写真です。タバコが好きだったのでしょうか? そうでしょうね。しかし、嫌煙権が叫ばれ、タバコの広告やドラマでの喫煙シーンがかなり制限されている昨今、この写真はどうなのでしょう? むしろ逆効果なのではないか、そんな気がします。
さて、本日の朝日新聞ネタ、本題です。
映画評、「フランス組曲」です。映画は先日来公開されていて、それなりに評判のようですね。いわゆるハリウッド大作ではありませんが、口コミでよさが広がるタイプの映画だと思います。
で、今回の紹介文、恋愛ドラマとしてはともかく「人間観察の妙」に注目しています。映画は、あたしも観ましたが、確かに恋愛ものとしてはやや陳腐と言いますか、もう少し紆余曲折、乗り越えるべき困難があってもよいのかな、という気がしました。そのあたり、未完の作品ということも関係しているのかもしれません。
が、恋愛ドラマとしてではなく、極限状態における人間の行動、その愚かさというか醜さというか、そういったものについては実によく描けている作品だと思います。実は本来のテーマがこちらだったのではないでしょうか? 生き延びるためだったら、平気で人を裏切る。裏切ったのに裏切っていませんよという顔を平気でする。そんな人間の性がよく描かれている作品です。
翻訳の『フランス組曲』ではどんな感じなのでしょうか? ちょっと気になります。