フチ子的な?

次の<エクス・リブリス>はメキシコ系アメリカ人マヌエル・ゴンザレスの『ミニチュアの妻』です。ちょっとSFっぽい短編集で、装丁はこんな感じです。

タイトルに併せてレゴの街並み、そこにある一軒のお家にはご主人らしき人物が。妻はきっと家の中、なのでしょう。カバー裏面にある内容紹介では

妻をミニチュア化してしまった男の語りによる家庭劇。小型化を専門とする仕事に従事する語り手は、どういうわけか偶然、家で妻をマグカップ大に縮めてしまう。家庭に仕事は持ち込まないと誓ったのに……と、いささか的外れな後悔の念を覚えつつ、主人公は妻を元に戻すべく悪戦苦闘する。

とあります。これを読んで思い浮かんだのはこれです。

はい、おわかりですね。「コップのフチ子」です。「妻をマグカップ大」ですから、フチ子よりはもうちょっと大きいのでしょうか? でもイメージとしてはドンピシャな感じではないでしょうか? 本書とフチ子でコラボして、本書限定のフチ子さんを作ってもらって読者プレゼントなんて企画したらウケるでしょうか?

ちなみに本書は短編集ですから、フチ子の話、もとい、妻を小さくしてしまった男の話だけが載っているのではありません。目次からタイトルを拾ってみますと、以下の通りです。

「操縦士、副操縦士、作家」「ミニチュアの妻」「ウィリアム・コービン その奇特なる人生」「早朝の物音」「音楽家の声」「ヘンリー・リチャード・ナイルズ その奇特なる人生」「殺しには現ナマ」「ハロルド・ワイジー・キース その奇特なる人生」「動物たちの家」「僕のすべて」「キャプラⅡ号室での生活」「ファン・レフヒオ・ロチャ その奇特なる人生」「セバリ族の失踪」「角は一本、目は荒々しく」「オオカミだ!」「さらば、アフリカよ」「ファン・マヌエル・ゴンサレス その奇特なる人生」「ショッピングモールからの脱出」

いや、もうタイトルだけでワクワクしてきます。きっと面白いでしょう。これから読みます。