異動の季節

春は異動の季節です。大きな会社だと国内外の支店や支社へ異動になることもあるでしょうし、部署が変わることもあるでしょう。本屋さんの場合、チェーン店では他のお店に移る人も多いのがこの季節です。移った先のお店も自分の担当であれば「こちらでもまたよろしくお願いします」となりますが、そうでなければしばしのお別れです。

さて逆に、あたしの勤務先の場合だとどうでしょう?

あたしが約10年前に編集部から営業部に遷ったような、部を跨いだ異動はあたしも動いた10年ほど前にあったきりで、その後はほとんど意味のない肩書きの付け替え的な異動しかありませんし、今後も大がかりな人事異動があるとは思えません。

むしろ仕事としては書店の担当が代わる可能性の方が大いです。一応数人いる営業部隊が都内周辺と全国を分担して営業しているわけですが、これが何年も変わらないと惰性に流れ、伸び代もなくなってきます。あまり頻繁に変わるのもよくないですが、ある程度の年月で変えていくのも、リフレッシュ効果としては大切なことだと思います。そもそもあたしの勤務先は誰かが辞める、ということでもない限り、担当地区をあまり変えない伝統(?)があって、他社に比べると長く同じ地区を担当する傾向があります。もちろん営業マンが一人か二人しかいなくて、担当を変えるという発想がない出版社も数多いですが……

あたしの場合、10年前に営業に移ってきて、都内近郊は中央線、京王線沿線を担当しました。あとは新宿にあったジュンク堂です。その後、これにプラスして小田急線、総武線、有楽町・銀座地区を受け持ちました。これらをすべて同時期に担当していたこともありますが、総武線は一年ちょっと、小田急線は二年ちょっとで他の人にバトンタッチとなり、銀座も同じです。現在は中央線と京王線、それに新宿の紀伊国屋、ブックファーストの担当です。

地方の担当は、当初は北海道と北東北(青森・秋田・岩手)でしたが、三年たったころから宮城・山形・福島・栃木・茨城も加わりました。ほぼ東日本全域です。隈なく回るわけではないので広さの割に大変という意識はありませんでした。その後トータルで5、6年ほどたった頃、東日本担当を外れ、京都・大阪(+滋賀・奈良・和歌山)の担当になり、二年ほど前から兵庫も加わりました。

以上のように、地方についてはまだ数年ですが、都内近郊については中央線・京王線がもう10年になろうとしていますので、そろそろ交替の時期かなという気がしないでもないです。変わるかどうかはわかりませんが、うちのような会社では担当地区変更の方が人事異動よりも大きい出来事だと思います。そして、もし変わるとしたら、では次はどこの地区を担当したいか、妄想は広がります。

神奈川や埼玉は営業担当になったことがないので興味がありますね。やはり営業としては、いろいろな地区を一通り見ておく、担当するのはよいことだと思いますので、個人的には埼玉か神奈川をやってみたいなあと思いますし、新宿ばかりでなく渋谷なんかもどうだろう、とも思います。

書店地図も数年で結構変わってしまっている地区がありますので、いまならどの地区が面白いのでしょうか?

と言いつつ、いきなり営業から編集に移れ、なんて言われたりして(汗)。