ライバル登場? いえ、むしろ切磋琢磨、相乗効果!

書店営業の途次、こんな本を見かけました。

プログレッシブポルトガル語辞典』です。小学館の外国語辞典は「プログレッシブ」を冠するものがいくつかありますが、そのうちの一つと言うことですね。

それはともかく、これはうかうかしていられません! あたしの勤務先から出ている『現代ポルトガル語辞典』に強力なライバル出現ですから!

しかし、実際のところライバル関係になるのでしょうか? 両社のウェブサイト情報を元に、ちょっと比較してみます。

『プログレ』はB6判で1154頁、『現ポル』はB6変形判で1517頁。見た目が四角い感じの『プログレ』と細長い『現ポル』というところでしょうか? 頁数からすると『現ポル』がかなり厚いですが、紙の厚みによって実際の厚さはかなり変わるので、頁数だけでは判断できませんが、やはり『現ポル』の方が若干厚いようです。

内容面ですが、『プログレ』はウェブサイトでは収録語数が明記されていませんが、こちらのページには「2万2000語」と書いてあります。たぶん辞典本体に書いてあるのでしょう。付録の日ポ辞典は同じく「8000語」とあります。翻って『現ポル』ですが、「見出し6万語・和ポ5千900語」とあります。和ポでは負けていますが、ポ和では断然上回っています。

どちらも新正書法準拠は同じですが、『プログレ』は「重要語にはカナ発音も添付」という点が、より初心者・入門者向けの目配りでしょう。どちらのウェブサイトにも組み見本は表示されていませんが、『現ポル』は、アマゾンでは組み見本が数ページ見られます。

そして一番気になる価格ですが、『プログレ』が本体価格4700円、『現ポル』が本体価格7500円とかなりの開き。これは完全に読者対象も異なりますね。最初に買うなら『プログレ』、もう少し本格的にやるなら『現ポル』という感じでしょうか? ただ、恐らく、両方購入する人が多いような気がします。つまり、『プログレ』を買う人のほとんどが既に『現ポル』を持っているのではないか、ということです。

さて、来春以降はどうなるのでしょうか? 個人的には、もちろん出版社の人間として自社の本が売れてほしいとは思いますが、語学が好きな人間の一人としては、辞典のラインナップが増え、学習者の選択肢が広がるのはとてもよいこと、歓迎すべきことだと思っています。