ついつい手が伸びる小冊子

書店でのフェアではしばしば小冊子が置かれていることがあります。出版社が作ったものものあれば、書店さんが作ったもの、かなりお金のかかっていそうなものから、手作り感あふれるものまでさまざまです。こういった小冊子がよくはけるフェアはフェア自体もそれなりに盛り上がるものです。

「でも、小冊子って、結局もらっても、その後、見るの?」という疑問がわくのももっともです。確かに、持ち帰ったはいいけれど、どっかに行ってしまったチラシや小冊子も数え切れないほどありますが、自分の勤務先のフェアの参考にしたり、興味のあるフェアの場合、フェアが終わった後に、小冊子を参考に本を購入したりすることもあります。

そうです。小冊子にフェアの書目が載っていると、フェアが終わった後でも「あのフェアで見かけた本、どこの出版社の何ていう本だったっけ?」という疑問にもすぐに答えが出るので重宝します。

多くの書店の方曰く、フェアを終了すると「この前まであそこに並んでいた本、もうないの?」というお客様からの問い合わせが必ず数件はある。そういう時でも、小冊子があれば、お客ならフェアが終わっても本屋で探す手掛かりになりますし、問い合わせを受けた書店の方も探しやすくなるというものです。

そんな小冊子、最近手に入れたものはこちらです。

まずは、紀伊國屋書店新宿南店5Fでやっていた、『本を読むときに何が起きているのか』フェアです。あたしの勤務先の『テヘランでロリータを読む』も選書されていました。

 

山本貴光さんによる小冊子がVol.1からVol.3まで置いてありました。これは非常に手作り感のあふれる冊子です。新宿南店以外の書店でもやっているのではないでしょうか?

続きましては、小冊子ではなくチラシです。こちらは出版社がきちんと印刷したものですね。佐藤優さん選書による、文春新書の「戦後70年」フェアのチラシです。

このチラシの工夫している点は、単に佐藤さんが選んだ文春新書だけを並べたのでは宣伝物に堕してしまうので(←いや、フェアの冊子やチラシはすべからく宣伝物ですが……汗)、中を開くと関連年表になっているところです。もちろん年表の事項に関連する文春新書があれば、ちゃんと書いてあるところはさすがです。

でも、こういう感じですと、たとえば歴史の順番に読んでいこうと思うときの手掛かりにもなりますし、「ああ、これについても本が出ていたんだ」と新しく発見するところもあるでしょう。

やはりお客様に持って帰ってもらえるチラシや冊子、これからも工夫して作っていきたいと思います。