台風一過

台風11号はどこにいるのでしょう? 東京に関して言えば。この二日間、雨が降っているところはかなり激しく降り、降っていないところは台風が来ているとは思えないような単なる曇天、という天気です。

もちろん、その降っているところと降っていないところはめまぐるしく変わっているわけで、外回りでも、うまいこと雨に降られずに済んだ人もいれば、雨と一緒に異動しているような人もいたようです。結局、台風本体の雲ではなく、外側の雲がかかる程度なので、雲自体が切れ切れなのでしょうね。あたしの場合、昨日は傘の出番がありましたが、今日に関しては傘はまるっきり出番なし、うまい具合に雨には降られずに済みました。

でも、この二日間、サウナの中にいるような蒸し暑さでした。気温は、曇り空ですから猛暑と言うほどではなく、たぶん30度に届くか届かないかというくらいだと思いますが、湿度が恐らく100パーセントに限りなく近かったのではないでしょうか? 幸い、あたしは熱中症にもならず、とりあえずは元気に過ごしておりますが……

「元気に」と書きましたが、この2月に気を失って倒れて以来、自分の体力には自信がありません。それまでは「生きていく上で必要最低限の体力と健康は持っている」と思っていたのですが、その自信が揺らいでしまいました。

さて台風です。

土砂降りの場所や時間はあったものの、そしてニュースでは東京でもかなり局地的な被害が出ているようですが、あたしはそれほどの被害にも遭わず、たんなる雨模様の天気であったという程度の台風でした。この後、明日以降、関東地方に台風の影響が出るのか否か、天気予報を見ていないので知りませんが、台風も弱まっているでしょうから、まずはひと安心でしょうか?

あたしは、これまで台風で怖い思いをしたことはありませんが、低気圧では得がたい体験をしています。

何年前のことだったか忘れましたが、関西ではなく、北海道の営業を担当していたころのことです。月曜からの出張で、月曜の朝、羽田へ行って飛行機を待っていたのですが、天候が悪く欠航となり、その日はそのまま会社へ出社し、翌火曜日から出張に飛んだことがありました。一日短くなってしまったので、スケジュールの調整が大変だった記憶があります(別に、書店の人にアポを取っていたわけではありませんが)。

もう一つ、フライトは無事だったのですが、爆弾低気圧が北海道を襲い、北大の有名な並木が軒並み倒されるという被害が出ました。もちろん札幌市内も狂風のため街路樹の倒壊の恐れがあり、あっちこっちで通行止め、車だけでなく歩行者も迂回を余儀なくされたことがありました。

札幌市内を営業していたのですが、いつ街路樹が倒れるか、そこかしこに倒れた街路樹が目に入っていたので、なかなかの恐怖でした。そして市内でも各所で停電が起きていて、その日は取次も停電で伝票が発行できず流通がストップしてしまい、市内の書店を回っても「今日は仕事にならないから、もう帰る」と言っている人が多かったです。実際、パートの方やアルバイトの方は、社員の判断で帰宅していたようでしたし、街中もそんな状況ですから出歩いている人も少なく、営業していても意味がないような状態でした。

と、こんな風に書いていると、北海道担当だった時代が懐かしく思い出されます。北海道の書店の方々にはよくしていただいたなあ、という記憶があります。別に他の地区によい想い出がないわけではなく、最初に担当した地方が北海道だったからという、あくまで個人的な思い入れです。