書店イベントあれこれ

このところ書店でのイベントが続いています。これからもまだいくつかあります。

書店イベントと言っても、書店側から持ちかけられたものもあれば、こちらから持ちかけたものもあります。あたしの勤務先の刊行物の発売記念といったわかりやすいものもあれば、たまたま著訳者が縁のある方である場合もあります。

こういったイベント、「たいへんでしょ?」と言われることもありますが、正直に言えば、それなりの準備もあって時間や手間が取られますから大変です。でも、それが少しでも売り上げに繋がるのであれば、そしてそれ以上に読者の方が喜んでくれるのであれば、やった甲斐があったというもので、大変さも軽減されます。

それでも、物理的にイベントが続くと、こんどは体力的に疲れがたまってきます。イベントが土日にあると、当然のことながら休日出勤ですから、休みが一日減ります。どこか別の日に代休を取ることになりますが、イベントが続いたり、イベント以外にも仕事が立て込んでいると、その代休を取るのもままなりません。そして休めないまま疲れがたまっていくという悪循環。

そこへ持ってきて、必ずしも自社の関連イベントではなくとも、興味深いイベントなどがあると、職業柄やはり聞きに行きたくなってしまうものです。あまりにも自社関連のイベントが続いていると、体が持たないので泣く泣く諦めることもありますが、そうでなければ時折はそういうイベントにも足を運びます。

と、なんとなく面倒臭そうなことばかり書いてしまいましたが、基本的にイベントは楽しいものです。やはり、その道の方の話は面白いですし、興味深いものが多いです。そして、いろいろ考えさせられます、とても勉強になります。興味を持ったから出かけて行ったわけですから、面白くないわけがないというものです。

そんな書店イベントですが、時には申し込もうと思ったときには「満員御礼」になっていることもあります。「嗚呼、残念至極」です。ネットで参加した人の書き込みなどを読んで様子をうかがうしかありません。そして「嗚呼、行きたかったな」とますます後悔の念を深めるのです(笑)。

しかし、こういったイベント、やはり東京に集中しがちです。著訳者の多くが東京在住なので、交通費や宿泊費が基本的に発生しないというのが、中小出版社にとっては大きいです。これが東京以外ですと、例えば大阪や名古屋でイベントをやると言っても大阪や名古屋在住の方のイベントであれば交通費や宿泊費がかからないのでよいのですが、東京から行ってもらうとなると、その交通費や場合によっては宿泊費が発生します。もちろん、われわれ出版社の人間も担当編集者かその書店担当の営業が行かざるを得ませんので、その出張費も発生します。やはり、これは中小出版社にはハードルが高いです。

いや、そんな愚痴を書きたいのではありません。そんなことよりも、だからこそ東京以外に住んでいる本好きの方は、「東京っていいなあ」と思っているのでしょうし、「たまには東京以外でやってくれないかな」とも熱望しているのだろうと思うのです。こちらもそういう気持ちにできる限り応えたいとは思います。思ってはいるのですが……