ライバルはどれ?

週明けに見本出し予定の新刊『マルクス()』です。

本格的なマルクスの評伝は他社も含め久々なのですが、それでも見落とすことのできない書籍もあります。まずはこちら、ジャック・アタリの『世界精神マルクス』です。

これもかなり厚い本で、言うまでもなくマルクスの評伝です。藤原書店の惹句にも

“グローバリゼーション”とその問題性を予見していたのは、マルクスだけだった。そして今こそ、マルクスを冷静に、真剣に、有効に語ることが可能になった。その比類なき精神は、どのように生まれ、今も持続しているのか。マルクスの実像を描きえた、唯一の伝記。

とあります。あたしは読んでいませんが、それでもまずはアタリの著作という印象を受けてしまうのですが、どうでしょう? ほぼ一年間に刊行された本で、書店でもしっかり並んでいた印象があります。まずはこれが最大のライバルになるかな、と思いますが……

いや、もっと手ごろ、手軽なものが刊行されました。『高校生からのマルクス漫画講座』です。こちらも翻訳物です。

 

さすがに「高校生」とタイトルに入っていますから読者層がまるで異なると思いますが、しかし、この手の<高校生でもわかる>的な入門書ってバカにしてはいけないものが多かったりします。

個人的には、ライバルではあるものの、一緒になって書店店頭が盛り上がれば、それが一番だと思います。ですから、マルクスだけでなく、アダム・スミスやケインズなど経済思想の大物の伝記や作品、入門書も併せて並べてみるのもありではないかと、そう思います。もちろん『21世紀の資本』も忘れずに!