引き続きムービープラスの「サメ・フェス」です。本日は「ゴースト・シャーク」と「テンタクルズ」です。
まずは「ゴースト・シャーク」です。
バカな親子に殺されたサメが怨霊が宿るという洞窟で復活を遂げ、ゴーストとなって人を襲うという、「ジョーズ」の亜流とも呼べない作品です。ゴーストなので神出鬼没なのですが、サメだけあって、水野ないところには出現できないというところがミソです。
怨霊となったサメの仕業だと気づいた若者たちがサメを退治しようと、洞窟の謎を知っていそうな変人灯台守と最初は反発しながらも最後は協力してサメに立ち向かうのですが、街の観光に響くからと真実を公表したがらない市長やそれに振り回される保安官といった群像劇はまるっきり「ジョーズ」です。
本作で一番のひねりというか工夫は上にも書いた洞窟です。かつてこの町に住んでいた人が忽然と姿を消したことがあったようで、更にその前には先住民を虐殺した歴史もあったこの土地。その虐殺された人たちの死体を洞窟に隠したらしく、それ以来、この洞窟には怨念がたまっているとか、そんな因縁、歴史譚を主人公たち若者が追っていき、サメの怨念を封じるというストーリーです。
作品自体は思いっきりB級です。ただ上述の歴史譚をもう少しうまく使えばもっと面白い作品にできたのではないか、という気がします。予算がかかっていないからゴーストのサメのCGがひどいのは許すとして、せっかく過去の怨念というサブストーリーを持ち出したのだから、それをもっと活用すべきでしょう。変人と言われた灯台守も実は亡くなった奥さん思いのいいひとなわけで、幻覚なのでしょうけど奥さんの幽霊まで登場したのだから、サメ退治に奥さんの力を借りるのかと思いきや、そんなことはまるでなく、おくさんはそれっきり。うーん、こういうところがB級なんでしょうか?
続いては「テンタクルズ」です。1977年の作品だそうで、どうりで作品の最初から終わりまで、誰かしらタバコを吸っているシーンがある、現在では考えられないような内容です。ストーリーもこの手の作品にありがちで、違法な海洋工事の影響で凶暴化した巨大タコが人を襲うという内容です。
途中まで、あまりタコの姿を映さずに進めていくのは「ジョーズ」のパクリのようですが、最後までほとんどタコの姿は、全体としては映りませんでしたね(笑)。あれっ、という感じです。他の作品なら生き残りそうな人が結構死んでしまうのも驚きです。そして途中までは主人公とおぼしき役割の新聞記者が後半はまるで出てこない! これまた、あれっ、という感じです。
さて、この凶暴なタコをどうやって退治するのか? 結局、後半の主人公、水族館のシャチ調教師がシャチを使ってタコと戦わせるという、「うーん、人間は何やってるの?」というオチ。いや、海中でタコに襲われた主人公のピンチにシャチが駆けつけてタコに襲いかかりついには倒すというくだりは、なんか忠犬ハチ公的な主人と飼い犬、じゃなくて飼いシャチの愛情物語っぽく、さらにはタコと相打ちになったか、あるいは大海原へ帰ってしまったと思いながらもシャチの行方が気になってクルーザーを走らせる主人公の元へシャチが戻ってくるところなど、ちょっとお涙頂戴的なストーリーです。
しかし、それにしては、シャチとタコの死闘がよくわからない。美味しそうにゲソを食っているだけにしか見えないのは、あたしの目が悪いせいでしょうか?
そうそう、ムービープラスは7月もホラー特集があるそうなので愉しみです!